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日本にはさまざまな愛称が付けられた道がありますが、走っているとお腹が空きそうな名前の道路があります。
メロン街道やいちご夢街道など変わった名前の道路もありますが、ただ「可愛いから」とファンシーな愛称を付けていたわけではなく、道路周辺で果樹園や畑があることから名付けられているなど、ちゃんとした理由があって愛称が付けられています。
当記事では、バイクやクルマなどで走るとお腹が空いてきそうな道路とその名前の由来を紹介していきます。
果物由来の名前を持つ日本各地の道路・10選
アップルロード(青森県)
りんごの生産量が全国1位の青森県では、特産品であるりんごを名前にしている道路があります。それが青森県弘前市石川と青森県弘前市百沢を結んでいる「アップルロード」で、実際、道沿いにはりんごの果樹園がたくさんあります。
この道が建設されていなかった当時は、りんごを出荷するときに弘前市内の繁華街を通過しなければならず、農家はりんごを出荷するたびに交通渋滞に遭うため、りんごをスムーズに運ぶことができず困っていたようです。
青森県がそんな事態を解決するため、昭和54年(1979年)に建設したのが「アップルロード」でした。
「アップルロード」のおかげで、りんご農家は混雑していた繁華街を通らずにりんごを出荷できるようになったようです。
フルーツライン(福島県など)
桃や梨、ぶどうやさくらんぼなど、果樹園が多くある地域を通ることから呼称されている「フルーツライン」。
福島県の県道5号のほか、山梨県笛吹市春日居町から山梨県甲州市勝沼町へ延びる道などに「フルーツライン」という道があります。
しかし、茨城県にある「筑波フルーツライン」のまわりには果樹園がまったくと言ってもいいほどありません。茨城県がなぜフルーツラインと名付けたのかは残念ながら不明です……。
ストロベリーロード(千葉県)
千葉県銚子市から千葉県東金市までを繋ぐ国道126号ですが、千葉県山武市のエリアは「ストロベリーロード」という愛称があります。
名付けられた理由は、そのものストレート。国道126号の山武市の区間は、周辺にいちご畑・直売所が多くあるいちごの名産地で、5kmの道の間に19軒ものいちご狩り施設があるんです!
いい芳賀いちご夢街道(栃木県)
栃木県はいちごの生産量が日本一なのですが、その収穫量は昭和43年(1968年)から令和元年(2019年)まで、なんと52年間(2020年時点)も日本一に輝いています。
そんな栃木県では、いちごの名産地であることをPRするために、栃木県芳賀町の国道294号及び栃木県道宇都宮茂木線の周辺にある道を「いい芳賀いちご夢街道」と命名しています。
「いい芳賀いちご夢街道」がある芳賀地域は、栃木県産のいちごの約4割を生産しており、いちごのほかにも梨やそばなど芳賀地域にはさまざまな特産物があるのだそうです。
今や観光スポットのひとつとしてプッシュ中で、「いい芳賀いちご夢街道ガイドブック」も作成。ガイドブックを片手に、芳賀地域の名産品を食べたり、観光スポットを巡ったりすることができます。
オレンジロード(静岡県など)
みかんが色づくと、沿道の畑一面がオレンジ色になる「オレンジロード」。
1984年に『週刊少年ジャンプ』で掲載されていた『きまぐれオレンジ☆ロード』から名付けたと思う人がいるかもしれませんが(……いないか)、全く違います。
「オレンジロード」という愛称の道路は、静岡県浜松市にあって山々の間を駆け抜けながら浜名湖の眺めも楽しめる「奥浜名オレンジロード」、みかんの生産量が全国2位の愛知県にある豊川市から蒲郡市を繋ぐ「三河湾オレンジロード」(かつては有料道路でしたが現在は無料開放されています)などが有名です。
柿街道(京都府)
京都府の京都府道10号は「柿街道」とも呼ばれます。
「柿街道」こと京都府道10号が通る京都府京都市西京区大枝地区では、実が大きく甘みが強い「富有柿(ふゆうがき)」が昭和5年(1930年)から栽培されており、特産品となっています。
そんな「富有柿」は10月になると色付きはじめ収穫時期となり、沿道に柿の直売所が立ち並ぶことから「柿街道」と呼ばれるようになったそうです。
有田みかん海道(和歌山県)
和歌山県有田市にある「有田みかん海道」は、和歌山県有田市が全国に誇る「有田みかん」の畑に囲まれている山道です。
なぜ「街道」ではなく「海道」なのか……それは写真でも雰囲気は伝わると思いますが、走ってみれば納得するはずです。
山々を駆け上っていくと、紀伊水道・湯浅湾が目に飛び込んでくる絶景が楽しめるほか、天気のいい日には高所から徳島県を眺めることもできます。道中には展望台もあり、ツーリングやドライブを満喫できるスポットでもあります。
大町梨街道(千葉県)
千葉県松戸市と千葉県成田市を結ぶ国道464号の、千葉県市川市大町を通る一部エリアには「大町梨街道」という愛称があります。
「大町梨街道」がある国道464号周辺には梨を取り扱う農家が多く、2003年に行われた公募によって愛称が付けられました。梨の収穫時期になると店頭での販売も盛んに行われ、観光スポットとして人気の場所でもあります。
また、「梨街道」には「大町りこ」という公式萌えキャラクターがいて、「大町梨街道」のPR活動をしつつ地域活性化に励んでいるとのことです。
メロン街道(滋賀県)
昭和57年(1982年)から栽培され始めた「草津メロン」が有名な滋賀県草津市ですが、そんな地元の名産品から文字とった道があります。それが、滋賀県草津市から守山市までを繋ぐ「メロン街道」です。
「メロン街道」周辺でも栽培されている「草津メロン」は、草津市の公立学校の給食にも提供されていて、地元の子どもたちにも大人気だそうです。
梅ロード(福島県)
地域の特産物として梅が有名な福島県郡山市西田町にあるのが「梅ロード」。
1万本以上の梅が栽培されていて、春には沿道からたくさんの梅の花を楽しむこともできます。
また、収穫された梅は昔ながらの製造方法で梅干しやカリカリ甘梅などにされ、地域で販売されているので、お土産にうってつけです。
さまざまな地方で地元名産のフルーツが由来となっている道路がありましたが、記事の中に出てきたフルーツの中で筆者が好きなフルーツはいちごです!
皆さんはどのフルーツが好きですか?
レポート●モーサイ編集部・小泉 写真●公益社団法人 青森県観光連盟/芳賀農業振興事務所/有田市役所 産業振興課/郡山市観光協会