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今回は「!マークの標識(その他の危険)が立っている場所には、幽霊が出る」という都市伝説を検証します。
都市伝説という性質上、明確な根拠やソースは存在しません。筆者である私の想像も多分に含まれておりますので、肩の力を抜いて暇つぶし程度に読んでいただけますと幸いです。
「!」マーク標識の本来の役割とは?
運転していている途中に、道路で稀に見かける黄色い菱形の「!」標識の意味をご存知でしょうか。かなり希少なため、実際に見たことがある方は少ないかもしれません。
まず、黄色地に黒字の標識は「警戒標識」と呼ばれ、その先の警戒すべき事柄を図で示しています。具体的には、落石・道路の幅・信号・動物などの図が描かれ、2022年12月現在、27種類存在します。
ですが、27種の図で全ての危険は網羅できないので、既存の標識に当てはまるものがない時に「!」標識が用いられ、その下に補助標識という形で警戒すべき事柄が書いてあります。



補助標識のない「!」標識が立つ場所の例
そもそも存在が稀な「!」標識ですが、その中でもごく稀に下に警戒すべき事柄の補助標識がない「!」標識があります。
補助標識がない理由として、一部の方の間で「具体的に記載出来ない内容=幽霊が出るのでは」という噂になっているというわけです。確かに、記載出来る内容であれば補助標識をつけた方が親切ですし、「補助標識で説明できない事象が起きる=幽霊が出るという」噂も一理あるかもしれません。
では、実際にどのような場所に問題の標識は立っているのでしょうか。例を挙げてみましょう。

埼玉県正丸峠
埼玉県秩父郡横瀬町と、飯能市の境にある正丸峠は、紅葉が絶景で有名なスポットです。
ですが一方で、カーブが多く狭い道ということもあり、いわゆる「走り屋」によるドライブ中の事故が多発することで有名な場所でもあります。
トンネルが整備され今では峠での事故は減りましたが、当時は死亡事故も多く、心霊スポットとしても有名になりました。
そんな峠道にぽつんと!標識のみが立っています。

函館山
函館山は北海道函館市にあり、世界三大夜景並びに日本三大夜景に選ばれています。実は戦時中に要塞としても使われており、今でも一部が整備されておらず、立入禁止になって残っています。
頂上を目指す途中の道路には障害物が多く、ゆっくり進む必要があるのですが、その中でもとりわけ注意すべきものとして、道路の真ん中に大きな木があります。大型の観光バスなどは接触する恐れがあるので、特に注意しなければなりません。
交通の邪魔なので切り倒して道幅を広げれば済むのですが、以前何度かこの木を切ろうと試みた際に、なぜか機械が故障する、作業員が怪我をするなどの不可解な現象が度々発生していたそうです。それ以来この木はそのまま放置され、行政によって!標識が設置されたといいます。

補助標識のない「!」標識=幽霊注意……もあながちウソじゃないかも!?
「!」標識の設置場所を調べてみると、実際に人が亡くなっていたり、不可解な現象が発生していたりと、注意すべき事柄が存在するのは確かなようです。中には興味本位で現場に近づき、恐怖体験をした方のブログなども見つけることができました。
ですが、現実的な話をしてしまうと、行政は「幽霊に注意する」という理由・目的をもとに標識の設置行うことは出来ません。基本的に何をするにもお金がかかるので、設置の経緯を詳しく調べることができれば、「!」標識単体である真相にたどり着けるかもしれません。
一方、現場の状況的に想定される明らかな危険がないにもかかわらず、いわゆる心霊現象のようなものが頻繁に発生しているのであれば、あえて「!」標識単体にした可能性も考えられますね。
いずれにしても、「!」標識がある道路では、最新の注意を払って運転するよう心がけてください。今回は以上です。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

レポート●糀本拓也 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実