ヒストリー

登場から半世紀!! GT750、750SS、バンバン90など50年経っても色あせない魅力を持つ二輪車たち【2021年で“○○周年”のモデルたち】

長い歴史の中でさまざまなモデルが登場しては消えていったバイク界。だが、どんなに技術が発展して環境や世代が変わろうとも、バイク自体が持つ魅力は変わらない。アニバーサリーモデルを振り返ってみれば、そのことがよく分かるはずだ。
そこで、2021年にアニバーサリーイヤーを迎えるモデルの中でも特に人気の高いモデルを紹介していく。

今回は登場から50周年を迎えたモデルのなかから代表的な車両をチョイスして紹介。併せて後継車両についても触れていこう。

※この記事はモーターサイクリスト2021年3月号に掲載されたものを再編集して転載しています。

最初にして最後の2スト水冷ナナハン 
スズキ・GT750

2ストで名をはせたスズキ初の750。4ストの6気筒に匹敵するバランスとうたわれた水冷3気筒エンジンで70年東京モーターショーに出展、71年発売。73年にフロントブレーキをダブルツーリーディング式ドラムからダブルディスクに変更、77年型まで存続した

ウォーターバッファロー=水牛と呼ばれたスズキGT750が発売されたのはカワサキ・750SSと同じ1971年。750SSが空冷だったのに対して、GT750は同じ2スト並列3気筒750ccでも国産初の水冷だった。

ボア・ストローク70×64mm、排気量738ccで67馬力を発揮。水冷化による重量増により乾燥重量235kgでH2よりも重かったが、その分メカノイズが小さいなどツアラーとしての素質は充分で、白バイや教習車にも使われた。

スズキはその後GTシリーズを拡充させて、125cc(2気筒)、250cc(2気筒)。380cc(3気筒)、550cc(3気筒)をそろえたが、水冷だったのはGT750のみ。そして1977年型を最終型として、後を4ストのGS750に譲り姿を消した。

白煙やオイル消費を低減させる、SRISと呼ばれるクランク室残留オイル還元燃焼方式を採用したエンジン。側面はツルツルだがヘッド上面やシリンダー前後にフィンが刻まれる。整備状態で84㎏と重め

SAIADが製造したGT750Sヴァレルンガ

1973年にイタリアの輸入業者SAIADがレース用に100台ほど製造したGT750Sヴァレルンガ。外装のFRP化などで、車重を189.6㎏までに軽減。れっきとした公認モデルで燃料タンクに「スズキ」と入っている。

数々の逸話を作り出したモンスターマシン
カワサキ・750SS

カワサキ・750SSは1971年の東京モーターショーに出展。同年11月より販売が開始された。

1969年発売の500cc(H1、マッハⅢ)でも充分じゃじゃ馬マッハだったのに、排気量が750ccに拡大されたモンスターマシンが750SS(H2)だった。

2スト空冷並列3気筒ピストンバルブ(ボア・ストローク71×63mm、748cc)は74馬力のハイパワーで、500SSより少しはマシになったとはいえ4ストより断然ピーキー。しかも乾燥重量192kg、前輪分布荷重が小さいことなどから簡単にウイリーしてしまった。

ホンダCB750FOURに対抗するための750cc化だったが、Z1/Z2登場までのつなぎ役だったことは否めない。とは言え2ストトリプルはシリーズ化され、250、350/400、500、750とラインアップ。後にKHと名称を変えるが、750だけは変わることなく終了した。

当時最大のマーケットであったアメリカのデイトナ200マイルレースでの勝利を狙い72年に登場した市販レーサーの750H2R

2015年 ニンジャH2R

ニンジャシリーズ30周年記念車。鋼管トラスフレームにスーパーチャージャー付きの998cc水冷DOHC4気筒エンジンを搭載し、最高出力310馬力。公道向けのH2も用意されている

2015年 ニンジャ H2 SX

ニンジャH2をベースとするツアラー。トラスフレームやスーパーチャージャー付き998ccエンジンを踏襲しつつ一般用途向けの扱いやすい設定とされた。バランス型スーパーチャージャー搭載エンジンは最高出力200馬力を発揮

スポーティなビッグツインはここから始まった
ハーレーダビッドソン・FXスーパーグライド

ボートテールと呼ばれるカウルの採用は71年型のみ。写真のモデルは69年AMA優勝や70年のボンネビル速度記録更新を記念して71年に行われたNo.1キャンペーンのカラーリング

ビッグツインにスポーツスターの軽快性を持たせて、ファクトリーカスタムとして新たにFXとシリーズ名を冠し、71年型で登場したのがFXスーパーグライドだ。

デザインは創業者の孫にあたるウイリアム・G・ダビッドソン。それまでのビッグツインはFLエレクトラグライドに代表されるツアラーばかりでスポーティなモデルはなかったが、スーパーグライドはすっきりしたフロント周り、小ぶりなフューエルタンク、ホットロッド風のFRP製ボートテール(船首デザイン)のリヤエンドなど、新世代の空気に満ちていた。

エンジンは空冷45度Vツイン・1カムの1207ccのショベルヘッド。タイヤは前19、後16インチ。この後ウイリー・Gは78年にFXシリーズの傑作、ローライダーを生み出すのである。

71年型XLCH。70年と71年にはスポーツスターにもボートテールがオプションで用意された。当時は不人気だったうえにFRP製で劣化しやすく現存数が少ないことから、スーパーグライド同様コレクターズアイテムとなっている

2006年 FXDI

新フレームや6段ミッションを採用した06年型に用意された、FX誕生35周年を記念した限定車。初代をほうふつとさせるNo.1カラーを採用。燃料タンク上面にはNo.1ロゴプレートが付けられる。

ファットタイヤで場所を選ばず楽しめる スズキ・バンバン90

極太のレクタングルタイヤを履いて不整地での走破性を高めたモデル。71年の90を皮切りに、72年に50ccと125cc、73年に75ccが登場。全機種2ストで、スノータイヤやチェーン、ホンダCT110に装着されたものと似たサブ燃料タンクなどのオプションも豊富に用意されていた。

1973年 バンバン50

シリーズ中1番人気で長寿を誇ったモデル。当初は3段ロータリー変速のみで、後に自動遠心クラッチ、マニュアル式4段、タイヤを細くして乗りやすくしたモデルが投入されてワイドバリエーション化。80年代前半まで存続した。

2002年 バンバン200

2002年、199cc空冷4ストOHCエンジンを搭載してバンバンの名が復活。欧州向けに125も存在。07年12月にFI化して国内向けは17年まで存続。写真は北米向けの19年(最終)型。

国産初の本格Vツインエンジン車 ヤマハXV750スペシャル

国内メーカーではハーレーのライセンス生産を行った陸王以来となる横置きVツインエンジン車。プレスバックボーンフレームでエンジンもフレームの一部として利用、駆動方式はシャフト、リヤサスはモノクロスと独創的。

84年にXV750ビラーゴ、そしてドラッグスターシリーズへと発展していく。ヤマハクルーザーモデルの礎と言える車両だ。

OHC2バルブで挟角はデザインや機能性から75度とされ、前後シリンダー位置をずらして風当たりをよくしている。ボア・ストローク83.0×69.3mmで、下から上までスムーズに回る設定

2013年 ボルト

2009年登場のXVS950Aがベース。挟角60度の941cc空冷OHC4バルブエンジンはバランサーレス。ダブルクレードルフレームに積まれるエンジンはリジッド懸架で強度メンバーとして活用。写真は20年型。

text●石橋知也/高野栄一 まとめ●モーサイWEB編集部・日暮

おすすめ記事

スマホ全盛時代になぜ?「専用ナビ」を老舗二輪用品チェーン・南海部品が販売し続ける理由とは 4連覇を目指すヤマハチームの鈴鹿8耐イベント 使いやすさ抜群なアルパインスターズのソフトシェルジャケット「T-フューズ スポーツシェル ウォータープルーフ ジャケット」
BIKE王 A.S.H.クオリティの真髄

ピックアップ記事

  1. ハーレーダビッドソン スポーツスターS
  2. GB350S ホンダ
PAGE TOP