ヒストリー

ホンダ・CBX400Fも“アラフォー”ですって! 歴史に残る今年で登場40周年のバイク4選【2021年で“○○周年”のモデルたち】

長い歴史の中でさまざまなモデルが登場しては消えていったバイク界。だが、どんなに技術が発展して環境や世代が変わろうとも、バイク自体が持つ魅力は変わらない。アニバーサリーモデルを振り返ってみれば、そのことがよく分かるはずだ。

そこで、2021年にアニバーサリーイヤーを迎えるモデルの中でも特に人気の高いモデルを紹介していく。
今回は、今年で40周年の節目を迎えるバイクのなかから、歴史に残るバイク4選をお送りしよう。

※この記事はモーターサイクリスト2021年3月号に掲載されたものを再編集して転載しています。


待望のホンダ400㏄4気筒4バルブ車
ホンダ・CBX400F

ホンダ・CBX400Fは1981年11月より発売開始。待望のDOHC4バルブエンジンは最高出力48馬力を発揮、本誌82年1月号のテストでは最高速182.6km/hとZ400FXやXJ400、GSX400Fといったライバル車を圧倒した

ホンダにとって“ヨンフォア”ことCB400FOUR以来の4気筒400ccとなったのがCBX400Fだ。

新開発の399cc空冷並列4気筒DOHC4バルブエンジンはリッター当たり120馬力となる48馬力を発生。世界初のブレーキトルクセンサー型アンチダイブ機構(TRAC)と、これまた世界初のインボード・ベンチレーテッドディスクブレーキ、プロリンクリヤサスなど最新装備で固められ、そのかいあって大人気モデルとなった。

1982年には国内モデル初のカウリング装着車CBX400Fインテグラを発売。鈴鹿4耐を頂点とする空前のTT-F3ブームの中心的存在にもなり、このエンジンを使い独自のアルミフレームに搭載したモリワキZERO-X1(宮城 光/福本 忠組)が1983年の鈴鹿4耐で優勝している。

最高出力48馬力/1万100rpm、最大トルク3.4kgm/9000rpm、車重173kg。当時価格48万5000円。1981年11月8日発売。

左に速度、右に1万2000rpmまで目盛られた回転計、その間に燃料計が収まる。フロントフォークは当時流行したエア併用式で、調節用のエアバルブがインナーチューブトップの右側に付いている
リヤサスは市販ロードモデル初採用のプロリンクでエア併用式。スイングアームもアルミダイキャスト製の中空式。コムスターホイールにインボードベンチレーテッドディスクブレーキと独創性の塊だった
ロードレースの底辺拡大を図るべく、レース用キット(左)も用意。1982年から始まるSUPERストリート400レース向けにカウルやミッション、パワーアップキットなどが販売され、レーサーレプリカ隆盛の礎となった

1982年:CBX550F インテグラ

1982年7月のカウリング解禁(それまでは認可されていなかった)された直後にCBX400Fインテグラ、同年10月には550cc版のCBX550Fインテグラを発売。海外向けにはノンカウル版のCBX550Fも用意されていた。

最高出力60馬力/1万1000rpm、最大トルク4.7kgm/8000rpm、車重190kg(乾燥)。当時価格58万9000円。1982年7月1日発売。


時代を超越して復活を遂げた“不滅の刀”
スズキ・GSX1100S カタナ

1981年に満を持して登場したGSX1100S カタナ。市販型ではシート形状を変更、風圧低減を目的としたスクリーン追加などの修正が加えられた。以後細かい仕様変更はあるものの最後まで大きな変更は加えられておらず、完成度の高さがうかがえる。

まさかこのままでは出ないだろう……と思われた先鋭的なデザインを見事に製品化してしまったのがスズキ・GSX1100Sカタナだ。

造形設計はターゲットデザイン社によるもので、1980年のケルンショーで発表されて大反響を呼び、「ケルンの衝撃」といわれた。

1981年に登場の市販型ではシート形状を変更、風圧低減を目的としたスクリーン追加などの修正が加えられた。以後細かい仕様変更はあるものの最後まで大きな変更は加えられておらず、完成度の高さがうかがえる。

最高出力111馬力/8500rpm、最大トルク9.8kgm/6500rpm、車重232kg(乾燥)。当時価格59万8000円。

1982年:GSX750S

1982年に登場のカタナの国内仕様であるGSX750Sは“KATANA”の名が外されスポイラーやスクリーン(オプション。後に標準装備化)を省略、アップハンドル装着。多くのユーザーがハンドルを違法改造し“刀狩り”と呼ばれた検挙も頻発した。

最高出力69馬力/8500rpm、最大トルク6.2kgm/7000rpm、車重222.5kg。当時価格59万8000円。1982年2月3日発売。


つかのまの夢となったターボ車の第1号
HONDA CX500ターボ

輸出に先立ち1981年に鈴鹿サーキットで行われた試乗会でのCX500ターボ。ライダーを風圧から守るカウルも特徴のひとつで、BMW R100RSを直接のライバルとして想定していたようだ

量産車初のターボチャージャーを装備したのが1981年発売のホンダCX500ターボだ。

ベースはCX/GL500で、膝周りをスリムにするため22度ひねった縦置き水冷80度VツインOHV4バルブ497ccに、IHI製小型ターボを1個装着。これに電子制御式燃料噴射=Computerized Fuel Injection Systemを組み合わせてトータルで制御を行い、NAの48馬力から82馬力(プロトタイプは78馬力)へ、実に30馬力以上もパワーアップさせた。

加えてエアロダイナミクスに優れたカウル、プロリンクリヤサスなど最新鋭の装備で固めた。ただし、これらはあくまでハイスピードツアラーとしての資質を高めるもので、小型ターボ採用もターボラグを感じさせないための手段だ。そして1983年には排気量アップしたCX650ターボが登場するのだが、国内では認可が下りず、国内仕様が販売されることはなかった。

最高出力82馬力/8000rpm、最大トルク8.1kgm/5000rpm、車重239kg(乾燥)。

左右シリンダーの前方、排気ポート直後に置かれたタービンユニット。ここで過給された吸入空気はVバンク内のサージタンク、スロットルボディへと送られる。石川島播磨重工業(現IHI)との共同開発品で当時世界最小
速度計は240km/h、回転計は1万rpmまで。デジタル時計や燃料計、水温計のほか、メーター中央上部にはブーストインジケーターを装備。ターボやFIに異常が生じた際には警告灯が点灯すると同時にエンジンの作動を継続させるバックアップシステムも装備
1979年12月発売の日産セドリック/グロリアターボ以降、クルマでは続々とターボ車が登場していたが、CX500ターボは900cc並みの性能が出ることに行政側が難色を示して認可が下りず、国内でも発表試乗会が行われたものの国内販売はされなかった。そんな経緯を紹介している本誌1981年10月号の記事

1983年:CX650 TURBO

ボア・ストロークともに拡大して排気量を497ccから673ccにアップしたCX650ターボ。最高出力は95馬力に向上、車重は4kg減の235kg。1983年型のみで生産を終了している。


若者を魅了したクラス最速マシン
ヤマハ・RZ50

ヤマハ・RZ50は本誌1981年8月号のテストで最高速90.0km/hを記録(MB50は82.4km/h、RG50Eは87.8km/h、AR50は86.7km/h)。前後18インチの火炎 ホイールやモノクロスサスなどRZ250と同様の装備をしていた

1970年代後半からのミニバイクブームにより、若者向けの原付MTスポーツ車が続々とリリースされた。1979年にホンダMB50を皮切りに、1980年4月にスズキRG50E、1981年4月には久しく原付から遠ざかっていたカワサキもAR50 /80を投入。

そんな中、ヤマハが1974年発売のRD50に代わるモデルとして投入したのがRZ50だ。前年に発売され大人気を博したRZ250のイメージを色濃く反映させており、クラス初となる水冷エンジンには吸入効率を高めるYEISを一般モデルとして初装備し、ライバル車を圧倒する高性能を実現していた。

これに対抗して1982年にホンダMBX50、スズキRG50Γが投入されるが、過熱ぶりが社会問題化。1984年以降は各車リミッター装着や最高出力抑制などの自主規制が施された。

最高出力7.2馬力/9000rpm、最大トルク0.62kgm/8000rpm、車重87kg。当時価格17万6000円。1981年6月1日発売。

100km/hスケールの速度計と1万2000rpmまで目盛られた回転計(レッドゾーン1万rpm〜)、間に水温計や警告灯が収まる。YEISのおかげで2000回転くらいからクラッチをつないでも何とかエンストせずに発進できた
キャブとシリンダーの間から生えるパイプがYEISのチャンバーへとつながっている。シンプルな構造ながら混合気の吸気流速が平滑化されて吸入効率が高まり、大幅なパワーアップと同時にフラットなトルク特性となり燃費も向上

1985年:RZ50

60km/h規制により速度リミッターを装着。もちろんメーターも60km/hスケールになった。ビキニカウルとアンダーカウルも標準装着化。10年近くカタログに載り続けた割にマイナーチェンジはこの1回のみと至って少ない。

最高出力7.2馬力/9000rpm、最大トルク0.62kgm/8000rpm、車重76kg(乾燥)。

1998年:RZ50

1990年にフルカウルのTZR50に後を譲るが、1998年にRZの名で復活。エンジンはTZR50R用をベースとするセル付きで、丸目のヘッドライトや前後17インチのスポークホイールを装備。2006年型まで存続した。

最高出力7.2馬力/1万rpm、最大トルク0.63kgm/7500rpm、車重80kg。当時価格24万9000円。1998年6月25日発売。


二輪と四輪のいいとこ取り
ホンダ・ストリーム

じつは、二輪の軽快性と四輪の快適性を併せ持つホンダの“スリーター”第一弾であるストリームも、2021年で40周年を迎える車両の1台だ。
バックレスト付きシートは位置を3段階に調節可能で、パーキングロック機構により自立して止まるのでスタンド未装備。フロント部はトランクになっていた。

スーパーカブ50が12万2000円の時代に20万円近くした車両価格もあってか現存数は想像以上に少ない。実動車を見かけたらなにかいいことがある……かもしれない?

最高出力3.8馬力/5500rpm、最大トルク0.46kgm/5500rpm、車重79kg。当時価格19万8000円。1981年11月11日発売。

text●石橋知也/高野栄一 まとめ●モーサイWEB編集部・日暮

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