ヒストリー

人気車からレア車(?)まで 編集部員が「手放したくない!」と思うバイクたち(後編)

前回に引き続き、編集部員が手放したくないバイクを紹介!
今回もの人気車マイナー車入り乱れたモデルの紹介となっているがご了承頂きたい。
まぁ、人によって「これはずっと持っていたい!」と思える車種はそれぞれ。当記事が、あなたが一生バイクと出合える一助になるのならば幸いだ。

→前編はこちら!!

report:日暮大輔

 

乗ってみて、初めてわかる“味”がある ヤマハ・SRX600/400

2015年8月、現在の愛車であるSRX600(3SX、モノサスセル付き)を入手。当時はSRX400(3VN、モノサスセル付き)も持っていて、400と600の2台持ちになった。

600を手に入れたのは、400ccに比べてボア・ストロークともに拡大されているので、最大トルクはもちろん最高出力も高くなっているから。
ただし、ツインキャブレターの片方しか作動しない低回転域ではスロットルレスポンスが非常に悪く、とてもギクシャクしてしまう。これが、3SXを市街地では大変乗りにくいバイクにさせている要因なのだ。ピストンスピードが遅い3,000回転以下ではノッキングのような症状が出てしまい、自然と低いギアで回転を上げて走るようになる。
それゆえ、シングルエンジンのトコトコ感を味わえる機会が3VNと比べると大幅に少ない。すり抜けで転びそうになるくらい極低速域の不安定さは、まさにこのせいである。
ただし、セカンダリーキャブレターが作動する約4,000回転以上ではフィーリングが一変。周辺の空気に強いパルスを発しながら生み出される加速は、独特の世界観を乗り手にアピールしてくる。
現在は、チェーンを428から520に、ドライブスプロケットは丁数そのまま、ドリブンスは5丁上げて、加速重視にコンバート済みだ。

 一方、400ccエンジンは非力であるぶん、持っている能力をキッチリ使い切って走るという醍醐味が味わえる。600ccエンジンほどストロークが長くないので、同じツインキャブレターながら低回転域でも扱いにくさはない。多少スロットルを乱暴に開けても小気味よく爆発がついてくる。
手の内に入る小ぶりな車体と相まって、街なかを縦横無尽に走り回ることなど朝飯前であるし、郊外では8,500回転あたりまで回るエンジンを使い切ることとで、周りのクルマをリードすることも十分に可能なのだ。5速トップ、2,400回転50km/hという何とも言えないくらいノンビリした走り方が3VNの真骨頂。

 両車がデビューしたのは1990年。大型二輪免許が試験場でしか取得できなかった時代。自分も含め、苦労して手に入れた免許証を持って向かった先のバイク屋で、ギラギラした目に飛び込んでくるのはナナハン以上の大型バイク然としたモデルばかり。125ccだか250ccだかわからないような体躯の3SXには、まったく魅力を感じなかった。おそらく、SRX600の玉数が少ない理由はここにある。
一方、中型二輪免許で乗ることができる3VNは、俗に言う中免ライダーから一定の支持を得ることができた。400はしばらくして手放してしまったが、流通量の多い3VNはまたいつか手に入れることもできるだろう。

両車とも、乗ってみてわかる味わい深さが魅力なのだ。
(モーターサイクリスト編集部・生田)

SRX600
当時価格:55万9,000円
エンジン:水冷4サイクルOHC単気筒
車重:149kg(乾燥)
全長2090×全幅720×全高1045 軸距1425(各mm)
最高出力:42ps/6,500rpm
最大トルク:4.9kgm/5,500rpm

 

似た乗り味のバイクが……ない!! ヤマハTDM850(1999年式)

ツーリングでいかに楽しく疲れずに走れるか。それが私にとってのバイク選びの基準だ。大排気量車と言えばどれも4発という時代に作られたこのパラツインは最高出力80馬力。5000回転以上での躍動感と、扱い切れるパワーが絶妙。

車体も安いんだけどよくできていて、ストローク感のあるよく動く足は接地感も抜群。18インチという今では特殊なフロントタイヤと相まって、舗装林道のような荒れてタイトな場所でとても痛快な走りを楽しめる。
このハンドリングってヤマハの持ち味だったと思うけれど、似た乗り味は02年に登場したFZS1000フェーザーを最後にヤマハから消えてしまったのが残念だ。

ということで、似た乗り物は当分出てこないだろうから手放せないのだ。
その後、YZF-R1を始めとするスーパースポーツも数台買っているけれど、結局、このTDM850は残り続けてちょうど20年。まあ、相場が安くて売ってもしょうがないというのもあるのだけれど(笑)。
(二輪事業部・五十嵐)

TDM850
当時価格:79万8,000円
エンジン:水冷4サイクルDOHC2気筒
車重:203kg
全長2165×全幅790×全高1280 軸距1475(各mm)
最高出力:80ps/7,500rpm
最大トルク:8.2kgm/6,000rpm

 

“問答無用”という言葉がピッタリ カワサキ・Ninja ZX-12R(2000年式)

2000年式のマレーシア仕様。騒音規制が入る前の、ド初期のA型。350km/hまで刻まれたメーター、空力を極限まで考えて作られたフォルム、そして圧倒的な存在感。そのどれもが、私を突き動かすのに十分なインパクトを持っていた。
スロットルを開ければどこからでも加速していく強心臓は、日常とか常識とか、そういったものをすべて置き去りにしていくような感覚を覚えるほどの性能を秘めていた。

その反面、最速忍者を目指して鍛え上げられたマシンを御しきれないこともしばしば。
サスペンションはガチガチであまりストロークしないし、しなやかさなんぞ不要とばかりに固められたフレームはコーナリングを格段に難しくしていた(自分のウデがないのが最大の理由だが)。
エンジンは排気量の割に低回転域でのトルクが意外と薄いのか、気を抜くと2速発進でもエンストを起こした。インジェクションが熟成されていないためかスロットルレスポンスも神経質で、パーシャル域でのフィーリングは頭を抱えてしまうくらいだ。

しかし、だからこそ面白いと思うのだ。
自分のウデでは乗りこなせないじゃじゃ馬であることはわかっているけれども、至る所に「非日常」を内包するZX-12Rを所有しているという感覚。それが自身のモチベーションを高めてくれるし、いつまでもワクワクした感覚を得られる。
性能や乗り味、インジェクションの不完全さなどなど、このバイクの荒削りな部分の先にこそ、真の魅力があるのかもしれない。この問答無用な魅力をできる限り長く味わっていたいと思うのだ。
(モーサイ編集部・日暮)

Ninja ZX-12R
エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
車重:210kg
全長2080×全幅725×全高1185 軸距1440(各mm)
最高出力:178ps/10,500rpm
最大トルク:13.6kgm/7,500rpm

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