バイクライフ

ベッコリ凹んだタンクを補修しつつ、車体色で遊ぶ!90年代隠れ名車「カワサキZZR600」リフレッシュ計画【第12話】

タンクの凹みを引っ張り出し、その後はパテ埋め

第11話では、うかつにも車体を車庫の支柱側に倒してタンクをベッコリ凹ませてしまった事件と、その補修について紹介しました。
同時にスペアタンクの入手とそのタンクの軽度な錆落としも終え、純正色塗装のプロ・ドリーム商會さんへ依頼する手筈を整えて待機の状態ですが、その間に、手元でできる作業を先行開始したところからお話しします。

改めて見ても、すんごい凹みである。カーポートの支柱にこのタンクだけもたれかかってしまった結果がコレ。お陰でマフラーもカウルも傷一つ付かなかったけれど……。

この写真を見て「あんなにベッコリいってて直るの?」って思いませんでしたか?
私も半分諦めていたんですよ。こりゃ駄目かな?って。ですが、予備の黒タンクが入手できたせいで気持ちが少々楽になったところで、いつもお世話になっている金属加工のスペシャリスト・狩野溶接さんの工房に伺うことに。

狩野溶接さん、溶接だけでなくメッキ仕上げ前の強烈に傷んだ部品の修復も相当上手いのを知ってましたから、凹んだタンクも直ればもうけもん。多少デコボコしていても、サーキットでのテスト用とか、普段のツーリングや実験走行の時に使えればいいかな的な感じで修復できないかとお願いしてみたわけです。

まずはサンダーで凹み周辺の塗装を剥離して、凹んだ箇所に穴の空いた鉄板をハンダ付け。そこをスライディングハンマーでガンガン引っ張り出すんですが、ハンダ付けする部分や引っ張り出す力加減の見当の付け方がさすが!
途中まで拝見しつつ、この日は時間も押してきたのでひとまず撤収。数日後に連絡を受けて工房に行ってみると、もうパテ埋め修正する箇所があまりなさそうなくらいに凹みが消え、元通りなってました。なんでここまで戻せるの?って感心するほかありませんでした。

狩野溶接さんでの凹み復旧作業。まず手始めに、凹みの起点のあたりに穴空きの鉄板をハンダ付けして、引き出す具合を見るところです。
凹みの深い部分が、これだけ引っ張り出されてきました。工房の就業時間もあって、ひとまずここまででこの日の作業は終了。
数日後「一応できたよ〜」との連絡を受けて行ってみるとほとんど凹みが引き出され、曲面も整っていたのには驚き。最後に小ハンマーで叩いてこの作業は終了。
斜めから見ても、タンクの曲線やタンク前側の元々のくぼんだ部分の繋がりがほぼ自然に見えます。これならパテの使用は少なくて済みそう。

遊び心で、片側ライムグリーン!?

純正のバイオレットが缶スプレーで存在していたら、このままサフを吹いて塗っちゃいたくなりましたが、ドリーム商會さんに塗装を頼むスペアの黒タンクがきっと新品以上の仕上がりになるだろうし「こっちはいかにもテスト車みたいな感じで、片側の色は違ってもいいでしょ!」と遊び心が湧き、ライムグリーンに塗ってみることに。
手持ちにデイトナのライムグリーンの缶スプレーが残っていたのも思い立った理由です。

でもその前に、微妙に凹みの残った部分は、下地の鉄の地肌の出たところの保護も兼ねてサフ吹きとパテ作業をします。ホルツのパテを薄く塗り、手触りでタンクの曲面の繋がりを確かめては削り、またパテ盛りを数回。
狩野溶接さんにお願いした修復は「メッキ前仕上げのレベルよりはだいぶ粗い仕上げだよ」と言ってましたが、パテの使用量は予想よりもかなり少なく済んで作業完了。

サンディングの番手を320、600と順に細目にして仕上げたら、サフを吹いてまたサンディングです。そうしている内に、段々と凹み跡が分からなくなってきました。こうなると「テストやサーキット等で万一転んでも構わない仕様」とはいえ、絶対転びたくない仕上がり具合になってしまった(笑)。
元のバイオレット色がダークトーンなので、 ライムグリーンに塗る前にシルバーの下地を軽く吹いて、翌日まで乾燥させます。これでライムグリーンが鮮やかに発色するでしょうし、パテの色も透けなくなりますね。
よ〜く乾燥したのを確かめて、軽くペーパーをかけたらライムグリーンに塗装。薄く何度かに分けてスプレーを吹くと塗装しやすくタレにくいようで、まあまあうまくいきました。

パテ盛り作業に備えて、ざっくり道具類を出して準備です。これらに加えて、各種サンドペーパーや脱脂用のアセトンなども用意しました。
3回ほどパテ作業をして、最後に600番のペーパーで研ぎ終えたタンク。カワサキのロゴは、同サイズのデカールを張るつもりなので位置決め用に少し残しておきました。
遊び心がひらめいてしまい、ありモノのライムグリーン色を塗る決断をした後、発色がさえるようにシルバー色を下塗りしました。

バイオレット、ライムグリーン、2色の境目ラインもこだわってみた

ええ、まあ、片側は元のバイオレット、反対側はライムグリーンというチグハグな色合いになるわけですが、その境界線も工夫してみることにしました。
カワサキの何かの車種で、タンクに紺とゴールドのストライプの入ったバイクがあったよな……そうそう、ローソンレプリカのタンクだったかな。そんな記憶がぼうっと頭に浮かびました。これで境界線に太いラインとゴールドのフチを入れたら、なんとなく体裁がよくなりそう。

狩野溶接さんの手で修復された元のタンクは、私の車庫でこんな調子でせっせと塗っては乾燥→サンディングの繰り返される日々でしたが、幅4cm程の境界線を紺で塗り終えると、その両側に8mmくらいのゴールドのピンストライプを入れました。これは細いマスキングテープの幅を、そのまま生かしたストライプにしたという仕掛け。

すべて塗った後は数日乾燥させ、ネットオークションで入手した純正ロゴを塗装した側に慎重に張り付けました。仕上げは、何度も愛用しているデイトナのウレタンクリアです。温度、湿度も程よい日に、埃対策として部屋にバック紙を張り、養生シートで周辺を保護して仕上げ塗装を強行します。
「どうせ何年後かにリフォームするから構わん」とばかりに、部屋で塗装してしまいました。そして、部屋の中に保管したまま完全乾燥するまで数日放置。超微粒子コンパウンドという製品で磨いたら、なかなかキレイになりました。

タンクキャップや燃料パイプも取付け、ここでエンジンをかけて車体を目覚めさせてみました。タンクは上から見るといかにも変ですが「メーカーが何かの実験を行っているテスト車」と言い張れば、そう見えなくもなかろう(笑)

はたまた、車体全体をこの調子でライムグリーンに塗って、往年のSS600のデイトナサーキットあたりでデュハメル選手らが、ZZRでホンダのCBR600/スモーキングジョー仕様と戦ってた当時みたいなカラーリングにするのもいいかな? なんて脱線した発想も浮かびます。気長に塗装して、外装部品も調達すればやれなくはない!

かくして、凹みが直されて元のタンクが生まれ変わった頃、いよいよドリーム商會さんから着手ができそうですとの連絡が来ました。
本命・黒タンクを純正バイオレット色へ塗り替えた時の仕上がりを期待しつつ、私は再度ドリーム商會さんの寄居の工房へ。半分ライムグリーンに塗ったタンクは片側が元色のサンプルになるので、これも同時に持参することに。
ちょうどこの後、私は長期撮影で関東から離れる時期だったので、いいタイミングで依頼できる流れになりました。

元はバイオレットだった部分をライムグリーンに塗ってみた。外国製の社外品外装でSS600時代のZX-6を再現するならこの色で全塗装もいいな。当時はZX-6Rもまだ世に出ていなかったんですよね。
左右の色の境目に、紺のメタリックで太いラインを入れます。せっかくだし、ゴールドのピンストライプでアクセントを付けてローソンレプリカとかJPSロータス風に遊んでみようと画策。タミヤのプラモ用を使ってみたけど塗料のノリが合わず……。
ピンストライプは結局ソフト99のホイールカラー(ゴールド)で追加塗り……。で、マスキングテープを剝がしたところ。タンクを凹ましてしまったのはショックだったけど「塗装の練習になったし面白いなー」とプラス思考で作業は進む。
やっぱりここにはロゴが要るでしょ、とオークションで純正ロゴデカールを入手。紺のフチの付いたカワサキロゴがあったので、これならグリーンに合うでしょう。
燃料タンクなので、耐ガソリン性の強いウレタンクリアを塗らないと給油時に気になって仕方がありません。デイトナ製耐ガソリンペイント(クリア)は長もちするし塗装しやすいので、市販車改造レーサーの塗装でも愛用していました。
ロゴも定位置にうまく張れて、デイトナのクリアを薄く重ね塗りしてじっくり乾燥。築40年、リフォーム必須の古住宅ゆえ、平気で室内での塗装作業をしちゃってます……。

レポート&写真●小見哲彦 編集●上野茂岐

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