ツーリング

雪道にはヤマハ トリシティ+IRC製スノータイヤの組み合わせがすごく良かった話

このタイヤで、3輪で、雪道を走りたい!

バイクで雪道を走るにはスパイクタイヤ(基本的に125cc未満のバイクに装着した場合に公道走行可)、タイヤチェーン装着などの方法がありますが、今回はスノータイヤのお話です。
降雪地域でもホンダ スーパーカブやベンリィ、ジャイロシリーズ、ヤマハ ギアといった働くバイクは日々業務をこなしています。そうしたニーズに向けたタイヤがスノータイヤですが、当然ながら前述した車両にマッチするタイヤサイズの展開が主でした。
ですが、2018年リリースのIRC SN26はヤマハ トリシティ125/155に履けるサイズで登場し、雪上性能を高めたニュースノータイヤと銘打っていたのです。
なぜトリシティ?と思う方も多いでしょう。筆者は2014年にトリシティ125が登場したときに経験した、濡れたアスファルト路面やダート路での卓越した安定感を知って以来、「滑りやすい路面にめっぽう強いバイク=トリシティ」という図式が頭から離れなかったからなのです。
( 編集部註 2018年時点でトリシティ300は未発表。なお2023年においてもIRC SN26にトリシティ300に適合するサイズは未発売)

IRC SN26。オープン価格(冬季限定販売)。サイズはフロント用が90/80-14、リヤ用が110/90-12、130/70-13、フロント/リヤ兼用が80/90-14、90/90-14、100/90-14が揃う。トリシティ125/155以外ではホンダ ディオ110などにも適合。
トレッドにはアイスバーンなどで氷を引っかくための細かいサイプが入る。 タイヤパターンもブロックのエッジが雪に噛むようにデザインされている。

当時、これはぜひ試してみたいと2017年型のトリシティ125(リヤタイヤ径が12インチのモデル)にSN26を装着し、関東地方のなかでも豪雪地域で知られる群馬県みなかみ町付近へ出かけました
(このときの模様は2018年3月号のモーターサイクリスト誌に掲載されています。ここではタイヤに関することだけを取り上げます)。

雪煙をあげて圧雪路を進むカット。こういった道において加減速ともタイヤ性能に申し分ない。

雪道でもまったく怖くない

除雪され踏み固められた圧雪路や、圧雪の上に新雪が乗った道、果てはアイスバーンまで数パターンの冬道をこのとき走りましたが、LMWテクノロジー採用で高い安定感を誇るヤマハ トリシティ+新設計のスノータイヤの組み合わせはどんな場面でも普通に走ってくれ、その場に居合わせた取材スタッフ全員がとても驚いたことを覚えています。
さすがに急な上りのアイスバーンでは、途中で一度止まってしまうと再発進に手こずるというシーンもありましたが、乗り手が必要以上の緊張感を抱かず、肩の力を抜いて普段どおりバイクを操っているなら、トリシティ+SN26での冬道走行はなんの心配もいらなかったのです。
特に圧雪路での性能は特筆モノで、雪道で見るとちょっと嫌だな……と思うような、クルマが作ったわだちを横切るような場面でも乗り手に不安を感じさせない安定ぶりでした。

雪道での乗り始めこそ慎重なコーナリングだったが、タイヤの性能とトリシティの安定感が頼もしく、短時間で恐怖心のかけらもなくなる。
3本が残る、特徴的なトリシティのわだち。圧雪の上に新雪が乗った路面だが、こうしたコンディションでもタイヤが雪で詰まらず、きちんと機能していることがわかる。
2017年型トリシティ125+IRC SN26。タイヤを変えるだけでもアドベンチャーな雰囲気が漂うから不思議だ。ちなみにマイナス10度の気温でもタイヤコンパウンドは柔らかいままだった。

奇しくも東京に雪が降った2023年2月10日に発表された新型トリシティ125とトリシティ155 ABS。タイヤサイズは従来型と変わらず、前 90/80-14、後ろ 130/70-13で、SN26に用意されているサイズです。東京で雪が降るとみなかみ町での出来事を思い出さずにはいられません。


レポート●飯田康博 写真●平島 格 取材協力●ヤマハ/IRC

*追記 2023年2月13日・トリシティ300についての加筆を行ないました。

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