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ワシ鼻? 行灯? デカドラム?? これを覚えればOK!な、古いスーパーカブのツボ用語

愛らしい形状と独特の乗り味、その他多くの魅力から“上がりバイク”と言われ、幅広い年齢層のファンがいる名車、ホンダ・スーパーカブ。
なかでも初期のスーパーカブは、本田宗一郎さんの「悪いところがあればパッと直す」の言葉どおりセッペン(設計変更)が多く、生産時期でかなりの部品が変更されているのが特徴だ。
そのため“カブ通”たちは、設計変更をうけたモデルの特徴を表した用語でそれぞれのモデルを言い表すことも多い。

そこで今回は、カブ通のための基礎用語をご紹介。この単語さえ覚えておけば、カブオーナー同士の会話に混ざっても頭が「???」となることはない……はずだ!


2つ星/吊りカブ

2つ星/吊りカブ

C100系エンジン右側に付くクラッチ調整用ボルトが、1961年までは10mm対辺のナットが縦に2個並ぶ外観から、初期エンジンを“2つ星”と通称。後に14mmナット1個となる後期型には通称名がない。

また吊りカブとは、C100の1958年から60年半ばまでの、フレームにエンジンのシリンダーにつながるサブステーが付くものの通称。C100の中でも特に初期モデルを示す特徴として知られる。
C100の開発当初は、水平近くに寝かされたエンジン形状によるマウント方法として設計されたが、’60年に廃止され現在に至っている。


ワシ鼻/ピノキオ/おむすび

ワシ鼻/ピノキオ/おむすび

C100系のテールレンズ形状の呼び名で、写真左から右へと形状が変遷。
ワシ鼻(左)とピノキオ(中央)は横から見た形状、おむすびは正面から見た形を示す。ピノキオはピノキオの伸びた鼻に由来。

これらはC100系の年式分類にも用いられ、ワシ鼻=1958~60年、ピノキオ=1961~63年、おむすび=1964年~と大まかに分類される。また、ワシ鼻とピノキオはC100系のみだが、おむすびは、C65/CS50系にも採用された。


初期暫定色

初期暫定色

スーパーカブは本格的に樹脂部品(ポリエチレン樹脂材)を採用した初の2輪車だが、1958年の発売当初は部品の量産ができず、FRP製レッグシールド、鉄製前フェンダー/サイドカバー、アルミ製ライトケースでスタート。
その際に前フェンダー~サイドカバーに薄い水色の部品が“初期暫定色”として1960年前半まで使われた。

1960年後半からはポリエチレン樹脂を車体同色にする技術(着色ペレット)が確立し、フレームと前フェンダーが同色化。現在に至る自由な色選定が可能なポリエチレン部品の量産が開始された。


茶カブ

茶カブ

C100系中期モデルに採用の茶系色を示す呼び名。
メーカー発表の正式色名は何とも愛らしいビーバーブラウンで、このカラーが茶カブと呼ばれ人気がある。

ちなみに茶色系スーパーカブは初期にも茶色に肌色を混ぜたようなサンタン色が存在し、こちらはまんまサンタンの通称。
C100系のスーパーカブは昭和のイメージが色濃い前出の茶カブと、マルエムブルーに赤シートのカラーが特に好まれるようだ。


縦キャブ

縦キャブ

C100系OHVのほぼ水平に寝かされたシリンダーレイアウトに対して開発されたのが、ダウンドラフトタイプのキャブレターだった。
このキャブはベンチュリーの横にフロート室を備え、通常のホリゾンタルタイプと構造・外観ともに大きく異なることから縦キャブと呼ばれる。

縦キャブはスーパーカブがOHCにフルモデルチェンジ後も90を除く初期のC50/70に、同レイアウトのものが使用された(写真はOHC時代の縦キャブ)。


胃袋

胃袋

縦キャブの項で紹介した、OHC時代の縦キャブ採用モデルに組み合わされたインテークチャンバーの呼び名。
写真のとおり、その外観(形状)がまさに胃袋に似ていることから通称されている。

この形状の意図は中速域での吸入効率向上にあり、ホンダでは’60年代から研究されていた吸排気理論に基づくものという。
高回転高出力の小型エンジンで不足する中低回転域のトルク向上に寄与した。


おっぱいウインカー

1966年、OHCのスーパーカブC50のデビューと同時に、フレームボディーも一新。C100に対して若干のサイズアップと灯火類などのグレードアップを実施した。
その際に採用された柔らかなラインで盛り上がったウインカーレンズが、おっぱいウインカーと通称される。
しかし同ウインカーは、間もなく中心部が平面状のウインカーレンズに変更され長く採用されなかったため、現在では見る機会が少ないタイプとして珍重されている。


行灯(あんどん)

1968年にはC90の装備のグレードアップが図られ、フロントフォーク前面にポジションランプが加えられた。
当時の2輪車では初となったこの装備は翌年50と70にも拡大採用。その角型のランプ形状と補助灯ならではのぼんやりと点灯する様から、行灯(あんどん)と呼ばれる。

また、この行灯は後年の別タイプとの分類で(排気量銘板との位置関係から)上行灯と下行灯など、より細分化して呼ばれることもある。写真は上行灯。 


カモメ(ハンドル)

1971年にはフレームデザインを一新したデラックス(DX)が追加され、スーパーカブのスタイルは2系統に進化した。
DXボディの最大の特徴はフューエルタンクがフレームボディーに落とし込まれる構造(インナータンク)に変化したことと、ハンドル形状の変更。従来型に比べて両端が上がった形状となり、正面から見てカモメが羽を広げたように見えることから、カモメハンドルと呼ばれる。

OHV系も同様の形状だが、こちらはカモメと呼称しない。なお、写真は行灯の項で解説した下行灯である。


デカ(ビッグ)ドラム

デカ(ビッグ)ドラム

1998年のマイナーチェンジで、スーパーカブ70と90のフロントブレーキドラムが大径化。内径が110㎜から130㎜へとアップされ制動力を向上させている。このフロントブレーキをデカドラム又はビッグドラムと呼ぶ。
ただし、プレスカブに装備されていたリヤブレーキもサイズが大きいが、これについてはこの表現を用いない場合が多い。このデカドラムを旧年式車に流用してブレーキのグレードアップを図るマニアも多い。 

文/上屋 博

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