2007年式バリオスIIと2020年式ニンジャZX-25R、250cc4気筒の2車を乗り比べると

その技術的進化や現在の250cc4気筒を知るために、2007年型のカワサキバリオスII、つまりこれまでの250cc4気筒エンジン搭載の最終モデルとの簡単な比較も行ってみた。そもそもバリオスは1991年に登場したZXR250をルーツとする、基本設計が30年以上も前のエンジンなので比較対象としての疑問もあるが、同じカワサキの250cc4気筒の今昔として、その性能の違いに興味があったのだ。実際、その違いは少々興味深い。

ZX-25Rには最新鋭スーパースポーツのノウハウが流れている
2台には表のようなスペックの違いがあるのだが、そもそもバリオスIIもショートストロークなのだが、ニンジャZX-25Rではさらにショートストローク化が行われており、実はそのボアストローク比0.636は、1万8800回転まで使っていた2009年のMotoGPマシン・ZX-RRの0.627にかなり近いのだ。
これに加えてその緻密な電子制御のロジック体系も、MotoGPや現在のスーパーバイク世界選手権での経験が反映された物だろうから、高回転化のためにカワサキ最新の知見が投入されているというわけである。


古さを感じるが、低回転域で力強さがあるバリオスII
実のところ、バリオスIIのエンジン特性はニンジャZX-25Rに比べると、さすがにゴリゴリと回るダルなものに感じる。発進もアシストがないのでクラッチワークのみでは困難であり、軽くスロットルを当ててやらないとダメなのだ。
ところが逆に、4000回転あたりからの加速感はバリオスの方が明らかに力強く、(スペック上の最大トルクはまったく同じでも)おそらく低速トルクはこちらの方が大きはずだ。しかも、意外にもギヤレシオは全体的にバリオスの方がハイギヤードな設定で、トルクを活かしてスムーズに走らせようとしているのかも知れない。




この点で、ニンジャZX-25Rは(平均化すると)フラットなトルクとシャープに吹け上がる高回転までのパワーがあるので、ローギヤード設定にして素早いエンジンの回転フィーリングや加速感を楽しませようとしているようだ。
要は250ccという排気量から発生する絶対的なエネルギーのキャパシティに大きな変わりはなく、そのパワーをどの回転レンジに振り分けるかという根本な発想があり、エンジンそこに最新の技術を投入する事で限界性と信頼性を向上させている、それがニンジャZX-25Rのエンジンの本質ではないだろうか。

カワサキ ニンジャZX-25R 主要諸元
【エンジン・性能】
種類:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク50.0mm×31.8mm 圧縮比:11.5 総排気量249cc 最高出力33kW<45ps>(ラムエア加圧時46ps)/1万5500rpm 最大トルク21Nm<2.1kgm>/1万3000rpm 変速機:6段リターン
【寸法・重量】全長:1980 全幅:750 全高:1110 ホイールベース:1380 シート高785(各mm) 車両重量:183kg(スペシャルエディションは184kg) タイヤサイズ:F110/70R17 R150/60R17 燃料タンク容量:15L
【価格】スタンダード:82万5000円 スペシャルエディション:91万3000円
カワサキ バリオスII(2007年式) 主要諸元
【エンジン・性能】
種類:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク49.0mm×33.1mm 圧縮比:12.1 総排気量249cc 最高出力29kW<40ps>/1万4000rpm 最大トルク20Nm<2.1kgm>/1万3000rpm 変速機:6段リターン
【寸法・重量】全長:2070 全幅:735 全高:1055 ホイールベース:1400 シート高745(各mm) 車両重量:151kg(乾燥) タイヤサイズ:F110/70-17 R140/70-17 燃料タンク容量:14L
【価格】54万4950円(2007年当時)
レポート●関谷守正 写真●山内潤也 編集●上野茂岐
取材協力レッドゾーン
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