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信号がないから安全? ツーリング先などで見かける丸い交差点「ラウンドアバウト」の正しい走り方

「ラウンドアバウト」という交差点をご存じでしょうか? これは、丸い形状をした交差点のことで、信号機がないことが大きな特徴です。
東京都内など大都市ではあまり見かけないのですが、最近こういった交差点が地方都市などに増えていて、ツーリング先などで出くわす機会が増えてきました。

そこで、ここではラウンドアバウトとはいったどんなもので、もしバイクで通行する時にはどんな点に注意すればいいのかを紹介します。


一般的なラウンドアバウトの仕組み。※一部のラウンドアバウトでは異なる可能性がある。(図:須坂市)

ラウンドアバウトはなぜ導入されている?

ラウンドアバウトは、元々ヨーロッパを発祥とした交差点形式で、海外ではアメリカや東南アジアでもかなり普及しています。
日本では、2014年に施行された改正道路交通法(以下、道交法)により正式導入されたもので、道交法上の正式名称を「環状交差点」といいます。

特徴は、上から見るとドーナツのような形状をしていることで、ドーナツの穴の部分は植木などが植えてある通行不可エリアになっています。バイクやクルマなどが通行するのはその周りの丸い道路になるため、(輪のような形状という意味で)環状交差点と呼ばれているのです。

上空から見るとドーナツのように見える。写真は長野県軽井沢町の六本辻にあるラウンドアバウト。(出典:軽井沢町ホームページ)

メリットは、前述の通り、信号機が必要ないこと。ラウンドアバウトでは、通常3本以上の道路が円形の交差点と繫がっていることが多いのですが、進入する車両は、安全であれば一時停止の必要がなく(一部の道路では一時停止の規制がある場合もある)、交差点内でスムーズに合流と分岐を繰り返すことができるため、信号機がなくても安全に走行できるのです。
そのため、災害時などに停電が発生しても、信号機による交通制御ができないという問題がなく、交差点整備のコスト削減や、まわりの景観を維持できるといった利点も生まれます。

ロータリー交差点との違いは?

丸い形状の交差点には、ロータリー交差点と呼ばれる形式もあります。こちらは、「円形交差点」と呼ばれるもので、昭和初期などには都心部の主要道路にも多かったようですが、最近は鉄道の駅前などに採用されていることが多い形式です。

川崎駅西口の駅前ロータリー。

では、ロータリーとラウンドアバウトでは何が違うのでしょうか? それは優先して通行できる車両が全く逆ということです。

ロータリー交差点では、通常、交差点に入る車両に通行する優先権があります。つまり、自分のバイクやクルマが円形交差点を通っている際、左側の合流道路から交差点に入ってくる車両がいたら、その車両に道を譲る必要があるのです。
また、駅前にあるロータリーなどは、人やクルマが集中するため、信号や一時停止の規制があることも多く、ロータリー内のバス亭にバスが停まっていると、通過に時間がかかる場合もあります。

一方、ラウンドアバウトでは、交差点を周回しているバイクやクルマなどに優先権があり、進入しようとする車両は交差点内のクルマが通り過ぎるのを待つ必要があります。信号機などによる規制がなく、人や車両の流れにも一定の決まりがあるため、ルールさえ守ればスムーズで安全な通行が可能なのです。

なぜ地方都市に多いのか?

警察庁が発表した資料によると、2020年3月末現在で全国101か所でラウンドアバウト(環状交差点)が導入されています。
また、都道府県別の導入数では、最も多いのが宮城県の21ヵ所、2位は長野県の8ヵ所、3位は愛知県の7ヵ所、4位が静岡県の6ヵ所、5位は大阪府の5ヵ所となっています。

日本で二番目にラウンドアバウトの設置が多い県、長野県の飯田市東和町にあるラウンドアバウト。(写真:飯田市)

ラウンドアバウト導入が地方都市に比較的多い傾向となっている理由には、この形式が交通量が多い交差点にはあまり向かないことが挙げられます。
前述の通り、確かにルールさえ守れば安全なのですが、交通量が多い場所では、合流道路からの流入車両が多かったり、交差点を出たくても先の道路が渋滞している場合などには、交差点や周囲の道路が渋滞する可能性が高くなります。

そのため、現状ではあまり交通量が多くない、地方の道路での導入が進んでいるようです。

バイクで走る場合の安全な通行方法と注意点は?

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