ドゥカティジャパンは、同社のスーパーバイクの頂点に位置づけられる「Panigale V4 R(パニガーレ V4 R)」の新型モデルを、2026年6月20日(土)より全国の正規販売店で発売すると発表した。「公道を走れるレーシングマシン」とも呼べる圧倒的なスペックを持つ同車の価格は555万円だが、以下にその内容を紹介しよう。

受け継がれるレースの血統の最新型「パニガーレ V4 R」
「Racing is just the beginning(レースは始まりに過ぎない)」というコンセプトのもと開発された新型パニガーレ V4 Rは、ドゥカティのスーパーバイク開発におけるレーシングDNAの系譜を色濃く受け継いでいる。そのルーツは2001年の996Rに遡り、以降スーパーバイク世界選手権(SBK)参戦のためのホモロゲーションモデルとして進化を続けてきた。

そして新型モデルは、MotoGPおよびSBKでドゥカティが築き上げてきた輝かしい戦績と最先端技術を体現する存在で、公道走行可能な型式認証を取得していながら、サーキットでの圧倒的なパフォーマンスと純粋なレーシングキャラクターを併せ持つ、「R」の名にふさわしい仕上がりとなっている。
外観は、レースで勝つためのフォルムをさらに研ぎ澄ませたデザインだ。最新の空力開発により、MotoGPマシン「Desmosedici(デスモセディッチ) GP」で培われたノウハウをフルに反映。空気抵抗の低減、エンジン冷却性能の向上に加え、直進のみならずコーナリング中においても高いダウンフォースを発生させ、あらゆる領域での安定性を引き上げている。

外装にはカーボンファイバー製コンポーネントを多用し、軽量化とシャープな印象を両立。機能美を感じさせるブラシ仕上げのアルミニウム製タンクが特別な存在感を放つ。カラーリングは、SBK参戦車両を象徴する「ドゥカティ・レッド」を基調とし、ブラックのフレームとスイングアームを組み合わせたコントラストの強い配色で、レーシングマシンとしての迫力を際立たせている。


フルレーシング仕様では最高出力235psを叩き出す、新設計V4エンジン
心臓部には、最新世代へと進化した998cc90度V型4気筒「デスモセディチ・ストラダーレ R」エンジンを搭載。最高出力は1万5750rpmで218psを発生し、レブリミットは6速で驚異の1万6500rpmに達する。インテークシステムの全面見直しや新設計のカムシャフト、軽量化されたピストンなどにより、全域での出力向上を果たしつつ、最新の環境規制であるユーロ5+にも適合。
トランスミッションには、レース仕様と同等のシフトパターン(1速の下にニュートラルを配置)を持つ「ドゥカティ・レーシング・ギヤボックス(DRG)」を採用。誤操作を防ぐ「ドゥカティ・ニュートラル・ロック(DNL)」も備え、極限状態での確実な操作性を約束する。
さらに、オプションとして用意されるアクラポヴィッチと共同開発したチタニウム製フルレーシングエグゾーストを装着した場合は、最高出力は235psにまで引き上げられ、さらなるパワーウェイトレシオの向上を実現する。

極限を引き出す最先端の電子制御テクノロジー
圧倒的なパワーをコントロールするため、ドゥカティ・コルセが開発した最新の電子制御システムも惜しみなく投入されている。その中核を担う「ドゥカティ・ビークル・オブザーバー(DVO)」は、6軸慣性プラットフォームと連携し、直接計測が難しい物理量を瞬時に推定。トラクションコントロール(DTC)やスライドコントロール(DSC)などを統合制御し、精密な車体挙動のマネジメントを実現している。
ブレーキシステムには、レース・ブレーキ・コントロール(RBC)や進化したエンジンブレーキコントロール(EBC)を搭載し、限界域での強力かつ安定した減速をサポート。
そのほか、視認性に優れた6.9インチTFTディスプレイや、最新のドゥカティ・クイック・シフト(DQS)2.0も装備し、5種類のライディングモードと組み合わせることで、ライダーがマシンのポテンシャルを最大限に引き出せる環境が整えられている。

新型パニガーレ V4 Rは、ドゥカティのレーシングスピリットと最新エンジニアリングが結晶化した、極限のスーパーバイクだ。単なる公道用スポーツバイクの枠を超え、サーキットでの走りを妥協なく追求した同車は、究極のパフォーマンスと美しさを求めるライダーにとって、唯一無二の選択肢となるだろう。
【パニガーレ V4 R主要諸元】
●エンジン形式:デスモセディチ・ストラダーレ90度V型4気筒、カウンター・ローテーティング・クランクシャフト、デスモドロミック4バルブ、水冷
●排気量:998cc
●最高出力:218ps(160.3kW)/1万5750rpm
●最大トルク:114.5Nm(11.7kgm)/1万2000rpm
●クラッチ:油圧制御式スリッパー乾式クラッチ、セルフブリーディング・マスターシリンダー
●フロントサスペンション:オーリンズ製43mm径 TiN コート NPX 加圧式フルアジャスタブル・フォーク
●リヤサスペンション:オーリンズ製 TTX36 フルアジャスタブル・モノショック、油圧式スプリング・プリロード調整、アルミニウム製中空対称スイングアーム
●フロントタイヤ:ピレリ製ディアブロ・スーパーコルサ SP-V4、120/70 ZR17
●リヤタイヤ:ピレリ製ディアブロ・スーパーコルサ SP-V4、200/60 ZR17
●フロントブレーキ:330mm径セミフローティング・ダブルディスク、ブレンボ製 Hypure®ラジアルマウント・モノブロック4ピストン・キャリパー、セルフブリーディング・マスターシリンダー、eCBS付きコーナリングABS
●リヤブレーキ:245mm径ディスク、ブレンボ製2ピストン・キャリパー、eCBS付きコーナリングABS
●シート高:855mm
●車両重量:186.5kg(燃料を除く、装備重量)
●燃料タンク容量:17L
●価格:555万円

まとめ●モーサイ編集部 写真●ドゥカティジャパン



































