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ヤマハ新型トレーサー9GT+を実車で詳細解説「Y-AMTに前後レーダー、純正パニアは“スマートキー連動”と先進装備満載だ!」

シリーズ最上級!ヤマハ トレーサー9GT+は2025年夏以降に発売予定

ヤマハ トレーサー9GT+は2025年夏以降に発売予定。写真はワイズギアによる純正アクセサリーを装着した車両
大阪モーターサイクルショー2025に展示されたヤマハ トレーサー9GT+(純正アクセサリー装着車)。キーレス仕様のパニアケース、トップケースが先進的だ!

ヤマハのトレーサー9GTシリーズは2025年型でビッグマイナーチェンジが行われ、「トレーサー9GT ABS」の日本仕様は2025年3月12日に正式発表(発売は4月15日)。
さらに、3月21日~23日に開催された大阪モーターサイクルショー2025では、最上級グレードとなる「トレーサー9GT+ ABS」が展示され、数々の純正アクセサリーも披露された。

MT-09をベースモデルとするトレーサー9シリーズは888cc水冷3気筒「CP3エンジン」をアルミ製フレームに搭載し、前後17インチホイールを履くスポーツツアラーだ。日本では現在、前後セミアクティブサスなどを標準装備する上級グレードのGTシリーズのみ展開されている。

そのトレーサー9シリーズの2025年型は大幅アップデートが施され、先行車や対向車など周囲の状況にあわせて部分的に点灯と消灯と照射を自動制御する、マトリクスLEDヘッドランプを新採用。それにともないデザインも刷新されている。

走りにかかわる部分にも手が入れられている。フレームの最適化、ウインドプロテクション性の見直しなどにより良好な操縦性と安定性を実現。ハンドル切れ角を増したほか、GTシリーズはメインキーをONにした際に電子制御サスの減衰力を30秒間低下させ車両取り回しをサポートする技術も搭載された。

また、電動スクリーン、スマートキー、USBソケット内蔵のストレージコンパートメント、可変スピードリミッターなど実用性を高める機構も新採用。そしてメーターは、GTも7インチフルカラーTFTディスプレイに。ハンドルスイッチも新世代になるなど、多岐にわたる変更が施されている。

GTシリーズとしてはスタンダードに相当する2025年型「トレーサー9GT ABS」の日本仕様は3月12日に正式発表され、4月15日に発売開始(159万5000円)。また、最上級グレードの「GT+」は夏以降に日本に導入されることが発表されている。大阪モーターサイクルショー2025では、この新型「トレーサー9GT+ ABS」にワイズギアによる純正アクセサリーを装着したモデルが展示された。

トレーサー9GT+にはクラッチレス機構Y-AMTと車体後方レーダーを「プラス」

ちなみに、トレーサー9シリーズ最高峰となる 「GT+」は、2023年型で追加されたグレード。GTをベースに、ミリ波レーダーを活用したヤマハ二輪車初のアダプティブクルーズコントロールと、前走車との車間に対しブレーキ入力が不足していると車両が判断した時にブレーキ力をアシストする「ユニファイドブレーキシステム」の搭載が大きな特徴だった。

そして2025年型の「GT+」では自動クラッチ制御&変速機構のY-AMTが標準搭載となる。これは、クラッチが常に自動制御され、変速はオートマチックまたはハンドシフトが選べるシステムだ(クラッチレバーは無い)。

さらに、これまで前方のみだったレーダーを車体後方にも装備。これにより、後方から接近してくる車両を検知してバックミラー内に警告を表示する、ブラインド・スポット・ディティクション(BSD)機能が追加されている。

二輪車として世界初採用のマトリクスLEDヘッドライトを採用し、フロント周りのデザインも大きく変わった新型トレーサー9GTシリーズ。スクリーン下に前方用ミリ波レーダーがある
メーターは「GT」「GT+」ともに7インチの大型フルカラー液晶モニター。スマートキー、KYB製の電子制御セミアクティブサスペンションは「GTシリーズ」標準の装備
スマートフォン連携機能などメーターの多機能化にあわせ、スイッチ類も新世代に進化。クルーズコントロールも標準装備する
新型トレーサー9GT+はクラッチレス機構「Y-AMT」搭載車のみとなる。クラッチレバーは無く、変速はハンドスイッチでの変速か、ATモードでの自動変速を選択可能。AT限定免許でも乗れる
新型トレーサー9GT+の後方用レーダー。テールランプ下に配置され、後方から接近の車両を検知してバックミラー内に警告を表示する

トレーサー9GTシリーズはキーレス操作のパニア、トップケースが装備できる

大阪モーターサイクルショー2025展示車の新型トレーサー9GT+は、純正アクセサリーのユーロトップケース45Lキーレスキット、キーレスサイドケースが装着されていた
容量45Lトップと片側各30Lのサイドケースで大容量の荷物を収納。ロングツーリングやタンデムツーリングでは大いに活躍するだろう

新型「トレーサー9GT+ ABS」車両発売前に早速披露された純正アクセサリー装着車だが、中でも注目は「ユーロトップケース45Lキーレスキット」(8万8000円)と「キーレスサイドケース」(左右各9万9000円)。

これらは、従来必要だった物理キーを不要とし、スマートキーに連動して施錠と解錠をスイッチ操作で可能にしたケース。「トランクマウントプレート」(2万1450円)や「サイドケースサポートステー」(3万5200円)や「キーレススイッチ」(1万1000円)など、車体装着にはいくつかの部品が別途必要だが、「一度使うと手放せない便利さ」とのことだ。ちなみに、サイドケースの容量は片側約30L。パニア&トップケースのフル装備なら計105Lのトランクスペースを確保できる。

このほか、車両には晩秋~初春のツーリングを快適にする「ヒートシート」(3万800円)や「パッセンジャーシートヒート」(3万8500円)、「エンジンプロテクター」(3万800円)や「プロテクションパッド」(1万2100円)、「ラジエターカバー」も装着(2万7500円)。さらに、「カスタムナンバープレートホルダー」と「TRACERロゴプレート」も参考出品された。

なお、ここに紹介しているアイテムは、間もなく発売される2025年「トレーサー9GT ABS」にも装着可能。さらに機能性と快適性に磨きをかけた新型トレーサー9GTシリーズで、ロングツーリングを満喫しよう!

車体左側に配置のケース解除ボタン(右)とロックボタン(左)。スマートキーを携帯して車両に近づくとボタン操作で簡単にケースを脱着できる
サイドケース自体の開閉もワンタッチのボタン操作で行える
キーレスサイドケースには、持ち運びしやすいハンドルも標準装備
寒い日の強い味方となりそうな、ライダー側とパッセンジャー側の「ヒートシート」もワイズギアによるヤマハ純正アクセサリー
タンクの表面を保護するのはもちろん、ドレスアップにもなる「プロテクションパッド」。これらトレーサー9GT+用アクセサリーは2025年夏以降に発売予定

ヤマハ トレーサー9GT/GT+主要諸元(2025年型)

■エンジン
水冷4ストローク3気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク78×62mm 総排気量888cc 圧縮比11.5 燃料供給装置:フューエルインジェクション 点火方式フルトランジスタ 始動方式セル

■性能
最高出力88kW(120ps)/10,000rpm 最大トルク93Nm(9.5kgm)/7,000rpm 燃費20.9km/L(WMTCモード値)

■変速機
6段リターン 変速比1速2.571 2速1.947 3速1.619 4速1.380 5速1.190 6速1.037 一次減速比1.680 二次減速比2.812

■寸法・重量
全長2,175 全幅900 全高1,440 軸距1,500 シート高845/860(各mm) キャスター24°25′ トレール106mm  タイヤF120/70ZR17 R180/55ZR17 車両重量227kg(GT)  232kg(GT+ヨーロッパ仕様:参考)

■容量
燃料タンク19L エンジンオイル3.5L

■車体色
GT:マットライトグレーメタリック4、マットダークグレーメタリック6
GT+ヨーロッパ仕様(参考):コバルトブルー、アイコンパフォーマンス

■価格
GT:159万5000円
GT+ヨーロッパ仕様(参考):未定

文●田宮 徹 写真●モーターサイクリスト編集部

CONTACT

ヤマハ発動機
TEL:0120‐090-819(カスタマーコミュニケーションセンター)
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/

 

ワイズギア
TEL:0120-819049
https://www.ysgear.co.jp/

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