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新車

モトグッツィ伝説の「V7スポルト」復活! 倒立フォークや専用走行モードを採用…そう、外装変更バリエーションじゃないんです!

伝説のモデル「V7スポルト」の名が復活!

モトグッツィ V7シリーズの新たなモデル「V7 SPORT」が2024年11月上旬に開催されたイタリア・ミラノショーで発表され、2025年モデルとして発売されます。

モトグッツィファンの方には今さら説明不要かと思いますが、「V7 SPORT」とは1971年のミラノショーで発表された(当時の)V7のスポーツバージョンで、レース参戦を想定して新規に設計されたフレームに高出力化したエンジンを搭載、同社の歴史の中で伝説となった1台である──。

というのは先人達の残した文献の受け売りでですが、低く構えたフォルムは非常にスポーティで、その歴史やメカニズムを詳しく知らなくても素直にカッコいいと感じてしまいます。

V7 SPORT(1971年発表):なお最初期の車両は手組みで作られ、赤いフレームを採用していた
新型=2025年モデルとしてラインアップに追加された新タイプ「V7 SPORT」。

註:これもモトグッツィファンはご存知の方が多いと思うものの、原初のV7系モデルと2008年に復活した現代のV7シリーズでは、同じ750cc前後の排気量でもエンジンの系統が異なる。
前者はビッグブロックと呼ばれ、700cc台から始まり850、1000、1100、1200へと排気量を拡大しながら発展。最終的に大型クルーザー用として1400ccまで排気量は上がった。
一方、後者は350ccから発展したものでスモールブロックと呼ばれる。かつて同様に750ccで登場した現代のV7シリーズだが、2021年モデルからは850ccに排気量を拡大している。

V7シリーズ全体が大幅改良、エンジンは最高出力、最大トルクともに向上

そのV7 SPORTの名が今日のV7シリーズに復活したわけですが(以降、往年のモデルに倣いV7スポルトと記します)、同車の特徴を紹介する前に大事なポイントをまず。

これまで同様にV7ストーン、V7スペシャルもラインアップされるのですが、そもそも2025年モデルのV7シリーズ自体が大幅な進化を遂げているのです!
850ccの縦置き空冷V型2気筒エンジンは4%出力を向上し最高出力は65馬力から67.2馬力に、最大トルクも7.4kgmから8.0kgmへと向上。
そのトルクの約95%を3500rpmで発揮し、中低速に優れたエンジン特性となっています。

また、電子制御スロットルの採用でライディングモードが搭載されたほか、トラクションコントロールも電子制御スロットルと連携制御。クルーズコントロールも標準装備されました。

新型=2025年モデルV7シリーズのエンジン(写真はV7スポルト)。縦置きV型2気筒という独特のレイアウトは1967年から続くモトグッツィの伝統だが、それにしても空冷のOHV2バルブエンジンに電子制御スロットルの組み合わせというのには驚きだ。
最新の環境規制ユーロ5+に対応。サイレンサー形状も従来型と異なっている。

V7スポルトは中身も違う!「電子制御や足まわりを専用にし、スポーティな走りが楽しめる」

さて、新型となったV7シリーズでもV7ストーン/V7スペシャルの違いは従来と同じく、ホイール、シート、メッキの有無など外観に関連するものが中心で、性能面は基本的に同様です。

しかし、V7スポルトは偉大な車名を受け継ぐにふさわしい性能を与えようということでしょう、電子制御と足まわりを専用とし、スポーティな走りを重視したものとなっているのです。

まず電子制御ですが、V7スポルトには6軸IMUが搭載され、ABSとトラクションコントロールはコーナリング対応に。そして、鋭いスロットルレスポンス&トラクションコントロールの介入が最小限となる専用のライディングモード「スポーツ」が用意されているのです。
(ストーンとスペシャルは「ロード」と「レイン」の2種)

足まわりについては、倒立フォークとフロントダブルディスクブレーキの採用が外観からすぐにわかるポイントですが、一見V7ストーンに似ているキャストホイールもV7ストーン比で1.8kg軽量な同車専用となっていて、ハンドリング性能を向上させているとのこと。

このように、V7スポルトは非常に気合いの入ったモデルとなっているのです。

ダブルディスクのフロントブレーキにはブレンボ製4ピストンモノブロックキャリパーをラジアルマウント。倒立のフロントフォークはインナーチューブ径41mm
メーターはシンプルな丸形のモノクロ液晶。これはV7スポルト、V7ストーン、V7スペシャルと共通

V7スポルトのデザイン「バーエンドミラーに専用シート、カラーは2タイプ」

最後にデザインですが、車体色は2種類のラインアップで、メインカラーはやはり往年のV7スポルトに寄せたイメージ。V11スポルトやV7カフェクラシックなども近いカラーがありましたが、いずれにせよ何とも華やかでカッコいい。もうひとつのパステルグレーはシックで都会的な印象です。
またV7スポルトはバーエンドミラーとなるほか、シートも専用となっています。
(V7ストーン、スペシャルでもそれぞれシートは違うので、実は各車専用という贅沢な作り)。


さて、スポルトを含めた新型V7シリーズの日本導入時期・価格は現段階では発表されていませんが、その上陸を楽しみに待ちたいところです。

新型V7スポルト:サイドカバーには専用エンブレムが装着されている。ロゴ化された「V7」の文字がとてもお洒落だ
新型V7スポルト:赤いステッチが入りスポーティなムードを演出するシート。形状はV7ストーンに近いが、タンデムシートにワディング加工が無い
新型V7スポルト:車体色「Verde Legnano」
新型V7スポルト:車体色「Verde Legnano」

新型V7スポルト:車体色「Verde Legnano」

新型V7スポルト:車体色「Grigio Lario」

新型V7ストーンとV7スペシャル「スペシャルはヘッドライトとメーターが変わった」

2025年型V7ストーン

キャストホイールを採用するほか、エキゾーストパイプ、リヤサスペンションのスプリング、エンジンのフィンをマットブラック仕上げとしたモデル。フォークブーツも標準装備。サスペンション、ブレーキは従来型と同様で、新エンジンにアップデートされたのが変更点といえる。車体色はブルーとブラックの2種をラインアップ。

新型V7ストーン:車体色「Blu Profondo」
新型V7ストーン:車体色「Nero Ruvido」

2025年型V7スペシャル

ワイヤースポークホイールで、エキゾーストパイプとリヤサスペンションのスプリングをメッキ仕上に。メッキ仕上げのグラブバーも装備し、クラシックなスタイルに仕上げられたモデル。従来型ではクラシカルな丸形ハロゲンヘッドライトを採用していたが、新型ではV7ストーン(およびV7スペシャル)と同じデザインのLEDヘッドライトに変更。また従来型では2眼のアナログ指針式メーターだったが、新型では他2車と共通のモノクロ液晶メーターとなった。
車体色は白とダークグリーンの2種をラインアップ。

V7スペシャル:車体色「Bianco 1969」
V7スペシャル:車体色「Nero Smeraldo」

レポート●上野茂岐 写真●ピアッジオグループ/八重洲出版/上野茂岐

モトグッツィ新型V7スポルトを実車撮影の動画で紹介!
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