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「ミラノショー」とも呼ばれる世界最大級の二輪モーターショー
イタリア・ミラノ郊外にある見本市会場『フィエラミラノ』にて、EICMA 2023(通称ミラノショー)が11月7日より開催された。
初日は世界各国の車両メーカーが15分、あるいは30分刻みのスケジュールでプレスカンファレンスを行い、午前9時から午後17時すぎまで、会場各所には世界中からやってきた報道陣とバイヤーが押し寄せた。
世界初公開のブランニューモデルも多数あったが、まずは日本4メーカーの様子をお伝えしよう。
スズキ:GSX-S1000GXとGSX-8Rを初公開
日本メーカーではスズキが先陣を切り、GSXシリーズのニューモデル2種、「GSX-S1000GX」と「GSX-8R」をアンベールした。
GSX-S1000GXは、アップライトな乗車姿勢で快適なロングツーリングを楽しめるクロスオーバーコンセプトのツーリングモデル。エンジンはスポーツネイキッドのGSX-S1000の1000cc並列4気筒だ。
GSX-8Rは、2023年に投入された800cc並列2気筒のネイキッド・GSX-8Sのフルカウルモデルだ。どちらもカラーバリエーションも合わせて公開、展示された。
ホンダ:CB1000ホーネット、新型ファイアブレードなどを初公開
続くホンダは、展示ブースではなく会場内にあるホールでプレスカンファレンスを開催。ステージに次々とニューモデルが走って登壇する演出はホンダの得意とするところだ。今年のホンダは人気主要モデルを軒並みアップデートしただけでなくブランニューモデルも登場し、世界初公開が最も多かった。
まず新登場となったのはネイキッドのフラッグシップとなるCB1000ホーネット。2017年型CBR1000RRのエンジンを搭載したストリートファイタースタイルのスポーツネイキッドだ。
さらにCB500ホーネット、NX500が登場。NX500はヨーロッパではCB500Xの名称だったが、このたびのアップデートで車名も一新となった。
また、CB500Rもアップデートとなり、500cc2気筒シリーズがますます充実した。
スーパースポーツの頂点となるCBR1000RR-RファイアブレードとSPは、エンジンやフレームなどもアップグレード。ウイングレットの形状も変更されている。
さらに日本で先行して発表されたCBR600RRが、ユーザーの熱望を受けてユーロ5適合となり、ヨーロッパ市場に復活した。
ホンダe-クラッチ、車高調整電子制御サスペンションといった新技術搭載車も
もうひとつの注目は、クラッチレバーの操作なしで、シフトアップ/ダウンのみならず、発進・停止もできてしまう新機構「ホンダe-クラッチ」を採用したCB650R、CBR650Rも登場。
日本やヨーロッパで根強い人気のアドベンチャーマシン・CRF1100Lアフリカツイン/アフリカツインアドベンチャースポーツも熟成が進み、オプションで車高調整機能を備えた電子制御サスペンション「Showa EERA」を選択できるようになった。
ミドル〜大型スポーツモデルだけでなく、ジャパンモビリティーショー2023で世界初公開した電動スクーターのコンセプト「SC e:コンセプト」も披露された。
なお、CB1000ホーネット、CBR1000RR-Rファイアブレード/同SP、CBR600RR、e-クラッチ搭載のCBR650R/CB650R、Showa EERA搭載のCRF1100Lアフリカツイン/アフリカツインアドベンチャースポーツは日本での発売が予定されている。
また、NX500とCBR500Rは400ccバージョンが発売予定となっている。
カワサキ :ニンジャ500、Z500、Z7ハイブリッドを初公開
カワサキは、花火とともにアンベールする派手な演出で会場を沸き立たせた。押しかけた観衆の前に現れたのは「ニンジャ500」、「Z500」、「Z7ハイブリッド」、「ニンジャ7ハイブリッド」。
ニンジャ500とZ500は新開発の451cc並列2気筒エンジンを搭載したブランニューモデルで、このエンジンはハイブリッド系モデルにも用いられる。
ニンジャZ7ハイブリッドは既に発表されていたものだが(ジャパンモビリティーショー2023でも実車を展示)、そのネイキッド版といえるZ7ハイブリッドは初公開だ。
そのほかにカワサキ初の市販電動バイク「Ninja e-1」、「Z e-1」も展示した。
Z7ハイブリッド、ニンジャ1000SX 40th Anniversaryは日本でも発売されると発表。
ヤマハ:新型MT-09とXSR900GPの実車を展示
ヤマハはプレスカンファレンスを行わなかったものの、先日発表して話題となっている「MT-09」の第4世代を公開したほか、XSR900GPとそのフルカウルバージョンも合わせて公開した。
MT-09、XSR900GPとも2024年に日本で発売予定。
日本製ヘルメットの海外専用カラーも興味深い
多数のヘルメットメーカーがブース出展するなか、アライとSHOEIのブースでは日本ではお目にかかれないヨーロッパ市場向けのグラフィックモデルを展示。
アライは2026年からヨーロッパに投入される「FIM FRHP he-02」に対応した「RX-7V FIMレーシング#2」を初公開した。
EICMA 2023ははじまったばかり。取材2日目は海外メーカーの注目モデルを紹介する予定だ。
レポート&写真●山下 剛 編集●上野茂岐