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「体験」「アクティビティ」の返礼品も充実のふるさと納税
2008年の制度制定から2022年で14年を迎えた「ふるさと納税」制度。
全国の市町村の中から任意の自治体を選んで寄付をし、その寄付額から2000円を差し引いた金額が翌年の税金から控除されるという制度です。
昨年2021年度からは、フリーランスや自営業の方などが確定申告で寄付金控除をする際の手続きが一部簡素化され、ますます制度への注目が集まっています。
多くの市町村では、この「ふるさと納税」制度を利用して寄付をしてくれた人への返礼品として、その地域の特産品や有名工業製品などを用意しています。返礼品としてもらえるものというと肉や米など、食べ物が多いイメージですが、実は観光ツアーやアウトドアアクティビティの体験権、宿泊券などの「体験」を用意する自治体も多いのです。
島根県吉賀町が寄付額250万円の返礼品に「マンホールの蓋」デザイン権を用意
返礼品として用意されている「体験」のなかでも一際異彩を放っていたのが、島根県吉賀町(よしかちょう)が用意する「マンホールの蓋デザイン+設置立ち会い」。必要な寄付額は250万円という高額ですが、街中に実際に設置されるマンホールの蓋を好きなようにデザインでき、さらに設置場所も複数から選べ、加えて設置に立ち会うこともできるというのだから、マンホールマニアは垂涎でしょう。
吉賀町の担当者によると、オリジナルマンホールは2枚作成し、1枚は寄付者へ贈呈、もう1枚は吉賀町下水道区域内に設置されるとのことです。
デザインに使用できる色は最大7色までで、細すぎる線、鋭角すぎる部分は製造できないとのこと。デザイン完成後は、町が用意する候補地の中から寄付者が設置場所を決め(国道、県道など交通量の多い場所はあらかじめ候補地から除外されています)、日程調整のうえ設置に立ち会うことができるのだそう。立ち会いのために訪町する際には町内にある「むいかいち温泉ゆ・ら・ら」の宿泊券も贈呈されるということです。
島根県吉賀町について
吉賀町は島根県の西南端部、西中国山地の脊梁地帯に位置します。かつては津和野街道の宿場町として栄え、現在は中国自動車道の六日市ICと国道187号線が交差する交通の要衝で、周囲を1000m級の山々に囲まれた緑豊かな田園峡。
町内を流れる高津川は本流にダムが一つもない全国でも珍しい一級河川で、国土交通省の水質調査で何度も日本一に選ばれています。「平成の名水百選」に選ばれた高津川の水源、一本杉の湧水のある吉賀町は、語義やヤマメなど貴重な淡水魚類の宝庫となっています。
「日本の棚田百選」に認定された大井谷の棚田、山陰唯一のコウヤマキの自生林、長瀬峡など豊かな自然があります。カタクリ、彼岸花やシャクナゲなど地域資源を生かしたイベントや石見神楽などの伝統芸能も盛んです。
はたして250万円を寄付し「マンホールの蓋デザイン権」を手にする猛者は現れるのでしょうか。今後の動向に注目です。
まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●島根県吉賀町移住交流ポータルサイト