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寒くなってきたこの時期は、やっぱり「やきいも」
冬はバイクに乗っていると……当然、寒い! いかに高性能防寒ウエアで身を包んでも、寒く感じるものはしょうがない。そんな手がかじかんでいるライダーにいいのは……やきいも。あの湯気が!温もりが!甘さが!芯まで冷えた体と心を緩めてくれるのだ。
さつまいもの収穫時期は品種にもよるが10月、11月あたり。そこからデンプン糖化で甘さを増させるために1か月以上も熟成貯蔵してから出荷される。つまり12月以降が「寒い中で熱く甘いやきいもを食べる」という幸福を、いちばん得やすいときなのだ。
では、どこで何を食べたらいいか、紹介していこう。おせっかいでやきいも以外の魅力的なさつまいも製品も掲載。干しいもなどお土産も用意しておかないと、旅から帰ったときにおいしいやきいもを食べたことなんて家族に語れない、3日くらい恨まれてしまう。
旅を推すエリアは茨城県。さつまいもの農業産出額が全国第1位だそうで、素材と加工にこだわりが強そうだ。それに県の南部であれば冬でも路面凍結の可能性が低いので訪ねやすい。
やきいも専門店「芋やす」で、アツアツを!
「焼き芋サンド」で話題のやきいも専門店「芋やす」。店舗でしか味わえないメニューが多数そろっていて、「焼き芋」や「おさつチップス」、「クレームブリュレ」や「干し芋シェイク」など、さまざまなさつまいもスイーツを楽しむことができる。




○焼き芋専門店 「芋やす」 土浦本店 営業時間:12:00~18:30 定休日:月曜日 茨城県土浦市沖新田1番地 電話:029-846-0240
やきいもは、さつまいもの品種の違いで味や食感が大きく異なるもの
さつまいもは品種により食感がずいぶんと違うものだから、有名どころの品種名を覚えておいたほうがいい。
大きく分けると、ねっとりしたものと、ほくほくしたものに大別される。最近はねっとり系が流行のようで、人気だ。焼き上げただけなのに、まるで甘いクリームのようになるのだからなんとも不思議。手がベトベトになるんだけど、それもうれしいこと。

熱を加えたときの糖度が高く、糖質の中でも麦芽糖をたっぷり含んでおり、なめらかな食感と、強い甘さを楽しめる。





「ホシイモノヒャッカフェ」ではさつまいものあま〜いスイーツをいただく
「HOSHIIMONO100Café(ホシイモノヒャッカフェ)」は干しいも専門店。隣接する干しいも工場からの直販があるし、厳選した干しいも、加工品、さつまいも雑貨、干しいもドリンク、季節限定スイーツなども販売している。
干しいもに最適なコーヒーも提供。





○「ホシイモノヒャッカフェ」
営業時間:10:00~18:00(LO:17:00) 定休日:火曜日 茨城県猿島郡境町1459-1 電話:0280-33-3118
お土産に「干しいも」を探してツーリングするのもよし
干しいもは茨城県が全国シェア約9割! その大部分が生産されているのは太平洋沿岸のひたちなか市、東海村、那珂市とのことで、冬期でも凍結の心配が少なく、回りやすい。保存食から健康な天然スイーツへとイメージが変わった干しいも、自然な甘さをおいしくいただこう。
なお干しいもは、電子レンジやオーブントースターで加熱して食べるとおいしい。寒いエリアではストーブの上に載せて焼けば、外側カリカリ、中モチモチの食感に! お土産にして、帰ってからのお楽しみ!にもしやすい。
では以下、干しいもにされる有名品種を紹介しておくので、製品選びの参考に。



★その他の有名どころ
「玉乙女(たまおとめ)」 干しいもに適した品種。干しいもにしても色合いがよく、美しい黄色が映える。繊維が少ないため、食べやすいのが特徴。
「ほしこがね」 皮は赤紫色、中は淡黄色の、形が良い品種。しつこくない上品な甘さで万人受けする。
「ほしキラリ」 タマユタカよりも色が明るい、干しいも専用に開発された品種。後味がすっきりとしているため食べやすいと評判。
「BEBほしいもフェス」も開催中!

「星野リゾート BEB5土浦」は、宿泊者を対象にしたユニークなイベント「BEB ほしいもフェス」 を2022年11月20日(日)まで開催中。
たとえば上写真の「干し芋食べ比べセット(600円)」は、10種類の干し芋の中から好きなものを5種類選び、好みのトッピングと組み合わせたり、トースターで温めることにより、さまざまな味わいや食感を楽しめるようになっている。

○星野リゾート BEB5(ベブファイブ)土浦 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦3階 予約問い合せ:0570-073-022(9:30 ~18:00)
「IBARAKI sense」への手軽な都内旅で、さつまいもを楽しむ手もある
「IBARAKI sense」は都内銀座の北側にある茨城県のアンテナショップ。当然こちらもさつまいも推しで、限定メニューが用意されたりしているのだ。茨城県が遠すぎる、やきいも食べるの待てない!という方は、こちらで楽しもう。


○IBARAKI sense (イバラキセンス)
東京都中央区銀座1-2-1 紺屋ビル1階 電話:03-5524-0818
近所のスーパーのさつまいもも、おいしくいただけるんですけどね!旬だし

どうしても旅、ドライブ、ツーリングで産地を訪ねられない人は、さつまいもの故郷の景色、筑波山や霞ヶ浦をまぶたに浮かべながら、自宅で焼いてみよう。
さつまいもが甘さを増すのは収穫から1か月以上寝かせてから。なのでやきいもを作るのに採れたての「活きのいいいも」は必要ないわけで、店頭で入手し、自分自身のこだわりの手法で焼いてみるのも面白い。やきいもというと何となく焚き火や石焼きがイメージされるが、そうでなくとも電子レンジ利用や蒸すだけでも、おいしくいただける。
やきいもを甘くするには含んでいるデンプンを2段階で変化させないといけない。デンプンの糊化開始が65度C〜75度Cで、これにβ-アミラーゼという消化酵素が作用して麦芽糖を作るのが70度C近辺。つまり、一定時間を70度C付近としながら焼き上げないと甘くならないのだ。一気に温度を上げすぎてはいけない。火力、加熱のコントロールが、趣味で楽しむやきいも焼きの醍醐味だ。試してみて。
ちなみに、今回の「寒いときに温かいやきいも」という企画テーマを揺るがす「やきいもは冷ましてからいただいたほうがおいしい」との意見も強いんだけどね。そこは好みで。
レポート●モーサイ編集部 写真●茨城県広報事務局
○焼き芋専門店 芋やす
○ホシイモノヒャッカフェ
https://www.hoshiimono100ka.com/
○星野リゾート BEB5(ベブファイブ)土浦
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/beb5tsuchiura/
○IBARAKI sense (イバラキセンス)