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GB350のエコランプは自分でキャンセルできる
皆さん、こんにちは。カメラマンの柴田です。
寒くなり、始動時と走り出してからのエンジン回転数の差が気になる季節です。
いきなりオーナーさん向け小ネタですが、納車された時から気になっていたメーター内のECOランプ。走行中の高燃費時だけ緑色に光ります。これがニュートラルランプと見間違え「ギヤ抜け?」とドキッとする。
そこで取扱説明書を見たら、なんと「ECOランプOFF」の仕方が書いてあるではありませんか!メーター外縁のボタン両方長押しでON/OFF選択画面が出ます。でも、OFFにすると逆に点かない寂しさもありつつ笑。

HYOD東京で冬用ジャケットを購入
さて本題に参りますが、冬物のライディングウエアを購入した話から。
8年前まではXR250に乗るオフロードライダーでしたから、ウエアもオフっぽいものだけ。リターンしたもののGB350に似合うする冬物ウエアを持ってない。街用のジャケットじゃスースーと風を通すし、本格的に冬ツーリングに出かける前に手に入れたい。
そこでまずはHYODのオフィシャルサイトをチェック。
HYODとは10年以上も撮影を通じてお付き合いさせていただいてます。全国に5店舗あるストアには 筆者が撮影したHYODレーサー達の写真が飾られていますので、お出かけの際はご覧になってくれたら嬉しいです。
「HYODといえば革」というイメージのライダーも多いかと思いますが、オフィシャルサイトをじっくり眺めてみたところ、自分はテキスタイル派でオッサンだしコンサバなので、最初は機能重視的なGLAVE TOURER(しかも黒)に目が行きました。
でも今回はHYODの「かわいいカッコいいシリーズ」(柴田が勝手に命名)の中からROUNDELのグレイを選びました。テキスタイルなんだけど肩の部分にシープレザーを使い、フードはニットというイカしたジャケット。
現物でサイズ合わせをしようとHYOD東京へ。店内にはレース用のレザースーツから、グローブ、ブーツ、パンツ、ジャケット、インナー、カジュアルとあらゆるHYOD製品が並びます。冬物ジャケットだけでも何mあるんだっていう棚にズラリと並んでいます。



ここで戸惑ったのが「実物を見ると色が全然キレイ。生地の感じも触ってみると雰囲気が違う」という事。「こっちのヤツはデザインが可愛い」「この生地はサイトで見るよりも暖かそうで動きやすい」「いや、いっそのことレザージャケットにするか?」いやーマジで買い物が振り出しに戻ります。逆にウエア購入で迷っている人は来店するのが一番(これはHYODに限らないかと思いますが)。
限定品もあるので見逃さないで。
15分ほど店内をウロウロして、気持ちが一周回ってROUNDELに戻って来ました。あとはサイズですが、LとLLを2回ずつ試着。自分的には冬物だし「少しオーバーサイズが良い」と思っていたのですが、HYOD東京スタッフの二瓶さんは「タイトめを選んだほうが隙間風が入らないですよ」とアドバイスしてくれました。それ以外にも、そで丈とか、首周りやインナーなどのノウハウを教えていただき、Lサイズを購入。
寒い日の夜に走る機会がありましたが、驚きました。ぜんぜん寒くない。
今まで冬走行で自分が寒いと思っていたのは、冷やっこい隙間風だったんですね。腰内側のストームガードがないんですが、タイトめの裾が腰にフィットしているので隙間風が入って来ない。Lサイズを選んで正解でした。春になってもインナーを外せば着れそうなので、長く楽しめそう。



GB350のバババッな排気音の正体は?
という訳でお気に入りのHYOD冬ウエアを着て向かうのは、GB350を整備してくれるアサカワスピードです。店舗は横浜市青葉区の寺屋ふるさと村にありますが、保土ヶ谷方面から行くと途中で第三京浜港北ICから首都高速神奈川7号横浜北西線を通ります。
この港北ICの乗り換えが何とも気持ち良い。この日は天気が良く青い空が広がっていました。天空の大ヘヤピンコーナーをGB350で走るのは最高です。自然とアクセル全開でバババッと排気音が響きます。全開ですが加速がゆったりなので制限速度内でもバババッを長く楽しめます。
ところで何故、GB350はアクセルオープンでバババッと弾けるような排気音が響くのでしょうか。
燃焼室にたくさん混合気が入るから?
混合気が濃くなるから?
それとも主にマフラーの中の圧力変化によるもの?
エンジンが頑張っているのは分かるが、本当の事は分からないので誰か教えて下さい。機会があったらホンダの技術者の方にうかがってみたい。


そんな事を考えながら走っていて楽しいの?とよく聞かれます。いやぁもう楽しいです。
久しぶりにメディア試乗会の時の資料を読み直してみたら「一発ごとの粘りのある燃焼フィールを際立たせ、それをライダーにありありと伝えることで……」とあり、まさしくその通りでした。
編集部註:ちなみにこのメディア向け資料、ホンダは一般ユーザーにもwebサイトで「FACT BOOK」として同じものを公開しています。
若い頃はカキーンと吹け上がるエンジン(=スピード)が最高と思っていましたが、40歳を過ぎた頃にハーレーダビッドソンやCB750(RC42)、ゴールドウイングに乗せてもらった経験から「バイクとは乗りながらエンジンを味わうもの」と目覚めました。
30年もバイクを撮ってきましたが、原稿を書くライターさんと違ってメカの知識も中途半端。そんな自分がGB350と出会ってエンジン一発ごとの燃焼に興味津々です。

これはGB350の吸気側の構造図。昔ながらの水平に並ぶ吸気システム。これがリアルなレトロスタイルの元です。こちらもコネクティングチューブの筒部分が長い。アクセルグリップからワイヤーで繋がったスロットルバルブが1枚。バババッの正体は吸気側にも関係するんでしょうか?
アサカワスピードで点検整備「AS30」を受ける
バババッを楽しみつつ、アサカワスピードに着きました。
納車されてから2ヵ月。だいたい800km走行くらいなんですが、修理が必要なのではありません。
アサカワスピードの浅川邦夫さんはあのヨシムラで活躍したレジェンドメカニック。超一流の腕前の持ち主。取材を通してのお付き合いをさせていただいておりましたが、いつかは自分のバイクを触ってほしいと思っていました。
むりやり居酒屋にたとえるなら、粋なお客さんが集まる楽しい店で、大将は有名ホテルの料理長だった人。「自分にはハードルが高いが、ちょっと勇気を出して暖簾をくぐりました」と、そういう気持ち分かるでしょ。
11月末に「時間ができたからもって来なよ」とご連絡をいただき、早速うかがった次第。お願いしたのは「AS30」というバイク全体を点検していただくコース。普通だったら車検前やそれなりに距離を走った後でお願いするモノだと思います。
自分の場合はGB350を購入した勢いでアサカワスピードに駆け込んだ感じです。「新車でAS30なんて自分だけかな?」と思っていたら、ちょうど同じ時期に800km走行のスズキSV650の入庫していました(セカンドバイクだそうです)。アサカワスピードのお客さんは「どうせ乗るなら、新車もAS30」が普通なのかも。

そもそもレース用の車両は走行前に全バラにしてメカニックの手で組み直すのが基本。公道用のバイクでもそういう目線で見てくれるのがアサカワスピード。
それでいて公道バイクの事情も良く知っていて、頼りになります。
AS30は30項目の点検整備が行われます。全部の内容を書き出すと原稿が終わらないので、チェックシートの写しを載せておきます。
例えばタイヤだけでも残り溝や空気圧だけでなく、前後ホイールを外してホイールベアリングの動きも確認してくれます。外したボルトは手締めで組んでくれます(この価値を分かってほしいなぁ)。
注油、グリスアップなど作業は多数におよびますので1週間ほど預けました。
その訪問時に、撮影のためにフロントブレーキを整備してもらいました。ブレーキパッドの残量をチェックするだけでなくキャリパーとパッドを外し(その際にさりげなくパッドの角を面取りしてくれました)、内側も洗浄とピストンの揉み出しまでやってくれます。
「まだ雨の中は走ってないから……」と思っていたら、パッドの削れカスでけっこう汚れていました。
ブレーキフルードをブレンボ製のものに交換。このフルードは浅川さんが長年の整備を通じて信頼しているもの。公道を普通に走っている分にはノーマルでも問題ないが、ブレーキはバイクの中でも最も重要なもの。耐熱性に優れるブレンボ製に変えるのは浅川さんの安全へのこだわりであり、そこを分かってこそ楽しく走れるのだろう。
そういう目でバイク全体を見て触って乗って確認してくれるのがAS30。




費用はほぼ新車状態のGB350で6万円弱。今回はオイル交換もしてません。交換する部品があったり、2気筒や4気筒、キャブ車など作業が多くなるバイクはその分整備料金は上がります。概ね4気筒だと10万円くらいから。興味のある方は連絡してみて。バイクは掃除してから持ち込んでね。
自分にとって安い整備料金ではないですが、いま日本で一番調子の良いGB350だと思っています。そういう気分を味わえるだけでも、やる価値があると思っていました。
ところが「ぜんぜん違うから。柴田くんにも分かるよ」と浅川さん。果たして自分にもAS30実施のその走りの違いや良さが分かるのか。その辺のところは次回に続く。
原稿を書いてる時点では、もうすぐ走行距離が1000km。相変わらず下道でのチョイ乗りが多い。調子にのってバババッと走らせていても、平均燃費は30km/Lを超えてます。高速に乗ると31〜32km/Lくらい。
あ、バババッの話、せっかくなら浅川さんに聞けば良かった!
ではまた。

カメラマン 柴田直行
モーサイや月刊モーターサイクリストでも撮影しているプロカメラマン。
バイク雑誌を中心に30年以上に渡って撮影活動。子育て時期とデジタル化の波を同時に被ってXR250を手放したが約8年ぶりにリターン。50歳代のバイクライフをGB350と共に再スタート。

































