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カメラマン柴田のGB350日記#8「今さらですが、GB350オーナー私情インプレッション」

GB350 ホンダ

初回点検でオイル交換とリヤブレーキペダルの高さ調整

皆さんこんにちは。カメラマンの柴田です。
GB350が納車されてもうすぐ2ヵ月。
考えてみたら10月、11月は絶好のツーリングシーズンだし、雑誌などの撮影取材にも最適。仕事でカレンダーが埋まって行きます。いやいや、本当にありがたいことなんですが。

そんなわけで、50kmほどのチョイ乗りを繰り返しつつ、現在走行800kmです。
嬉しいのは息子がタンデムを楽しみにしてくれること。近場ではウキウキですが、ちょっと距離を伸ばすと「そろそろ帰りたい」と言い出す息子。少しずつツーリングの楽しさを体験してもらおうと思ってます。

一方、自分もどこを走っていても楽しい。まるで初めて原付を購入したときや、中型免許を取得したころを思い出します。なので「忙しいけど、長距離走りたい」という葛藤はありません。知らない道をアテもなく迷いながら走る時でもすごく楽しい。

11月に入って初回点検で購入したホンダドリームへ。オイル交換と各部の点検や調整していただきました。
オイルは純正のホンダULTRA G2(10W-40、1870円×2L)を選びました。オイルフィルターも一緒に交換したので、費用はトータルで5362円也。現状はシフトタッチなど、至ってスムーズで文句なし。

初回点検の各部調整は無料なので、リヤブレーキペダルの初期位置を下げていただきました。同時にブレーキランプの点灯位置の調整も必要なので、ドリーム店で作業してもらって良かった。メカさん、ありがとう。

リヤブレーキペダルの位置・調整前。
リヤブレーキペダルの位置・調整後。

ブレーキペダルの初期位置の調整前と調整後。踏み始めでいきなりギュっと効く感じが唐突に感じられたので、初期位置を下げてコントロールしやすくしたかったんです。マスターシリンダーがステッププレートの向こう側なので、作業はメカさんにお任せすることにした次第。

ホンダ純正オイル「ウルトラ」のG2(部分化学合成油)。燃費やコストパフォーマンスを重視したベーシックなG1よりも、メカノイズやシフトショックが緩和されるといいます。1L缶で1870円。

僭越ながらGB350オーナー私情インプレッション

時が経つのは早いもの。去年(2020年)の今ごろ、自分がインドのCB350が気になっていたように、オーナー予備軍の皆さんは2022年型のGB350の情報を収集しているかもしれません。2年目の変更はあるか無いか、カラーバリエーションがどうなるかも気になる……なんて。

そんなあなたに今更ながらGB350のオーナーインプレをお届けしましょう。と言ってもリターン効果でバイクハッピーになっているカメラマンの試乗ならぬ、私情インプレだから話半分くらいに笑って下さい。

GB350の特徴をバイクビギナーの方に伝えるとしたら「パワーとスピードに怖さは無い」「いたって平和的に乗りやすい」「でも大型バイクの本格サイズ感と乗り味はある」という感じ。これで伝わるかな?

ある程度以上のバイク経験がある方に向けにて、もう少し詳しく書きます。
GB350の様子を大雑把に表現すると「リッターバイクから重さと高性能を取って、レトロっぽくしたらGB350」。実物は見た目も本格サイズの車体。乗ってるときも普通二輪というより、フルサイズ感がありドシッとした乗り心地です。これもフロント19インチホイールの特徴でしょうか。

ここまで書いただけで「試乗記」というものの難しさを感じてます。
テストライダーさん達への経験と知識に敬服。正統派なインプレを読みたい皆さんは以下の記事などを参考にして下さい(笑)。

【GB350試乗・エンジン編】ホンダとしては異例なほど「音・鼓動・低中回転」を重視した空冷シングル

【GB350試乗・車体編】抜群の「安定ハンドリング」を作り出す前輪19インチ&しなやか鋼管フレーム

さて一方、停車時はまたがったまま足でバタバタ移動できるくらいの重さです。押し引きも楽です。車両重量は180kgとなっていますが、自分たちの青春時代とは車重の測り方が変わっているので、乾燥重量表示がメインだった当時で言うと160kg台かも。昔懐かしい鉄フレーム車のような重量感がちょうど良い。
まあ実際、GB350は鉄フレームなわけですけど。

エンジンパワーが少ない(15kWまたは20ps)のはご存知だと思いますが、GB350は一般道を制限速度内で走行している時でもほぼ最大トルクを発生してる感じ。トルクはあるのに吹け上がってこない。
無理にたとえるなら排気量の大きな4気筒バイクを低回転でアクセル一定で走らせてるときの感じに似てます。「似ている」と感じる理由はクランクシャフトやエンジン構成部品の回転マスが350ccにしては重たいからだと思います。

この制限速度内をトルクで走る感じと車体の安定感が「自分が思う大型バイクのイメージに似ている」と感じます。このイメージは自分勝手なもので「今時の大型バイクはスパッスパッと曲がり、低速からアクセルは敏感でビューンと吹け上がる」なんて話をよく聞きます。もしそうなら、GB350はスタイルだけではなくて乗り味もレトロっぽくてより自分好み。

GB350の特徴だと思いますが、インプレを書くためにエンジンや車体の様子を探っていても、気が付くと「試乗記モード」のスイッチが切れて、「気持ちいいなぁー」と走ってしまいます。
アクセルを多めに開けてもすぐにビューンとは行かずにゆっくりと吹け上がる。エンジンが負荷を抱えて回転フィーリングにパルス感がプラスされ、これが心地いい。この間も吹け上がりに怖さはないし、構える必要もないので、エンジンの回転を味わう余裕があります。

心地いいのは3速だと35km/hから70km/h、4速だと50km/hから80km/hまで。実はタコメーターもないので普段はほとんどメーターを見ないで運転してました。心地よく身体に感じる回転域で走るって感じ。この記事のためにメーターを観察しつつ乗ってみましたが、思っていたより速度が速かった。アクセルを開けると弾けるような、あるいはドコドコしたような排気音がプラスされます。加速中はそれが続きますが、その間が「心地いいゾーン」です。

慣らしを終えたGB350を高回転まで回してみる

慣らしも終わったので、高回転まで引っ張ってみました。
GB350には「カキーン」と回る高回転域も「ギューン」という吹け上がりもありません。速さだけで言うと250ccの方が上かもしれません。

「レブリミッターが唐突」との情報があったので試してみました。確かに突然にババンと点火カットされるので驚きます。コーナーリング中にレブリミッターに入ったら、相当ビックリするはずです。

自分はあくまで確認するために高速道路への進入路で試しました。
普通に乗っていればリミッターが入る前に「心地いい回転域」をはるかに超えてしまうのでシフトアップすると思います。なので、自分としては全く心配ないのですが、不安な方は一度、直進中に2速あたりで試してみてはいかがでしょうか?2速だと80kmの手前でリミッターが入ります。

先ほど「走行中はほぼ最大トルク」と書きましたが「トルクが豊か」とか「トルクが有り余っている」というわけではありません。イメージ的にトルクフルなバイクと思われていますが、実は低回転域のトルクは薄めで、二人乗りの発進時では気を使います。
もしも、一部雑誌や海外メディアなどが予想している「GB500」が本当にあるなら、このあたりのトルクに排気量の余裕を使って欲しいです。

各ギヤの心地いい回転数はそれほど広くないので、皆さんが思っているよりシフト操作が頻繁に必要かも。
高回転まで引っ張っても振動は少ないんですが、ビーンという高周波フィーリングが不快なので早めにシフトアップします。ミッションはスコスコと気持ち良く入るので「シフト操作は面倒」ではなく「シフト操作も楽しい」です。
また5速はオーバードライブなので、70km/h以下はノッキング気味。自分では高速専用ギアと捉えています。

その高速道路、120km/h制限区間でも問題なく走行はできます。
「問題なく」という意味は、まず車体に関しては全く不安がありません。直進性がしっかりしていてフレームの弱さからくるフラレや不安は無し。エンジンは120km/hでもエンジンの唸りやひどい振動はありませんし、そこからでも増速できそうな余裕は感じました。
しかし100km/hを超えたあたりから弱まる加速を考えれば120km/h出ればOK。むしろ上半身が直立した乗車姿勢なので、自分への風圧が厳しくてアクセルが戻ります。

シフトダウン時にはスリッパークラッチが効くこともあってか、エンジンブレーキが弱めです。
アクセルオフだけで減速し切らない場面ではブレーキを多用しますが、そのブレーキの効きには満足してます。シンプルなブレーキシステムですが十分に役割を果たしています。

スリッパークラッチの効果かエンブレが弱めな印象、特に街中ではブレーキ多用。
前後ともディスクブレーキでABSを装備。フロント・リヤとも、マスター・キャリパーとも特別なものではありませんが、良く効きます。

慣らし運転期間は終わりましたが、使用しているエンジン回転数は変わってません。GB350なりの美味しい回転数で走っていると心地いいですが、それはかなりトロくさい走りです。自分の場合は「それが良い」むしろ「そういう風に走りたい」と思って乗っているのでフィットしていますが、スポーツ系バイクを好む方は「全然面白くない」と思うかも。

たとえば道路の合流の手前でアクセルを開けて「もう1台、2台先へ」と追い越した経験は誰にでもあると思います。GB350はそういう時も自然に「譲ります、お先にどうぞ」と合流したくなります。もちろんその時の余裕は安全確認に振り分けられます。

交差点からの発進加速で自動車に出遅れることはありませんが、友人(90年代のハーレー)とふたりで走ったときのこと。見事に置いて行かれました。GB350が遅いと言うより、自分の運転がトロかった。その後、GB350の排気音が聞きたいと言う友人の前を走りましたが、普段使っている回転数より上に回して走れば、そこそこ良きペースで走れました。
この時に初めて他のバイクと一緒に走ったわけですが、グループツーリングではペースが心配です。GB350軍団でツーリングに行きたいものだ(笑)

自分はコーナーでバイクを深く傾けるのは苦手ですが、広いハンドルと手ごたえのある操作感を感じつつのコーナーリングは楽しい。少し上半身を傾けて重量級時代のAMAスーパーバイク気分を楽しむ事もあります。そんな走りのときも、エンジン回転数はほどほどです。それでも「気分は楽しめる」のは自分だけでしょうか(笑)?

渋く決めているのは学生時代からの友人で、4輪雑誌カメラマンの奥隅君。1994年くらいから大事に乗っているハーレーのダイナ ローライダーは今でもピカピカ。
自分のバイクは色々変わったけど、奥隅君はもっぱらローライダー1台。久しぶりに一緒に走った!

ちなみに800km走ってステップのバンクセンサーを擦ったのは左右1回ずつだけ。暖かい季節の峠道ではペースが上がっていくでしょうから、もっと擦ってしまう機会が増えると思います。
バンクセンサーと言えど車体の一部なので、基本的には擦りたくないんですけど。

まとめると「ほどほどの回転数でエンジンフィーリングを味わいながらゆったり走る人には気持ち良いバイク」です。
よく「初心者でもベテランにでも勧められる良きバイク」と言われますが、エンジンの味わいよりもスピードやスリルを求めている人には向きません。ホンダなら250ccからCBRシリーズなどといった選択肢がありますので、そちらが良いでしょう。

調子に乗ってまた書きます。目線を変えたインプレは次回以降で。
自分のGB350は慣らしが終わってもアクセルの開け方はあまり変わってないので、平均燃費は31km/L以上と好データをキープしてます。
例年12月から冬の間は仕事が減るので(怖)、GB350に乗る時間も増やせるはず。温泉行きたいなー。
ではでは。

メーターのインフォメーションパネルは、ギヤポジション、燃料計、時計が常時表示。ボタンを押すと燃料計の上の部分が切り替え表示でき、オドメーター、トリップA、トリップB、瞬間燃費、平均燃費(トリップAをリセットで再スタート)、航続可能距離、バッテリー電圧の順で情報を表示。
ちなみに瞬間燃費は停車時は表示されないので、上の写真は合成で表示状態を再現してます。


カメラマン 柴田直行
モーサイや月刊モーターサイクリストでも撮影しているプロカメラマン。
バイク雑誌を中心に30年以上に渡って撮影活動。子育て時期とデジタル化の波を同時に被ってXR250を手放したが約8年ぶりにリターン。50歳代のバイクライフをGB350と共に再スタート。

https://www.shibaphoto.com/

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