バイクライフ

カメラマン柴田のGB350日記#7「慣らしと燃費と、アサカワスピード訪問と」

GB350を手に入れて半月、走行500km、まだ慣らし中です

皆さんこんにちは。カメラマンの柴田です。
GB350が納車されて約半月が経ちました。
「納車されたらあっち行って、こっち行って……」と考えていましたが、なかなか時間がとれません。
チョイ乗りで200km、ツーリングで300kmと、現在500kmくらい乗りました。

ツーリングは山中湖、河口湖、西湖と経由して朝霧から県道180号、152号で御殿場からは東名で自宅に戻るという富士山1周ルート。ほぼ300kmでした。

そんな中、GB350が納車されたらまず最初にやりたかったことが「アサカワスピード訪問」です!
アサカワスピードはあのヨシムラのポップ吉村と共に数々の伝説を作った名メカニック・浅川邦夫さんのバイクショップ。整備やチューニングが得意なアサカワスピードに、なんで新車のGB350を乗って行ったのか。気になるでしょ。なるよね。

一番の理由は「自分のバイクでアサカワスピードを訪問する事そのものが憧れだった」から。
雑誌の仕事などを通して浅川さんとは親しくさせてもらってます。お店には撮影で何度もお邪魔してますし、サーキットで会えば忙しいのに笑顔で挨拶してくれます。本当にお世話になっているのに、愛車がオフ車ばかりだったため一度もアサカワスピードにバイクで行った事ない……。

ヨシムラの名メカニック・浅川邦夫さんのバイクショップ「アサカワスピード」を訪問しました。神奈川県横浜市青葉区のふるさと村にありますが、場所がやや分かりにくい。訪問の際は事前に連絡を。

編集部註・アサカワスピードはオフロード車を扱っていないわけではありません。あくまで柴田カメラマンのイメージです笑

レジェンドメカニックに愛車を触ってもらうのは、自分にとってバイクライフの醍醐味のひとつ。たぶんこれを読んでいるあなたの街にもそんなメカさんのバイクショップがあるかもしれません。

新車ですが、「AS30」という点検コースを通じて手を入れられる部分の発見がありそう、と思っていたのです。ところが、今は予約の作業で手一杯。私のGBの点検は1ヵ月先になりそう。それでも「まぁ、とりあえず来なよ」と電話口の浅川さん。
お言葉に甘えてお邪魔しました。1ヵ月先だと結構走っちゃうので、この日はEPLのオイル添加剤を注入してくれました。金属の表面を強固にしつつ潤滑も良くなりフリクションが減ると噂のアレです。

EPLも嬉しかったけど、浅川さんがGB350に乗ってくれたのも嬉しかった。
「俺はフロント19インチのハンドリングが好き。GB350もそうだよね。ヒラヒラ曲がる。タイヤのプロファイルも良い」と褒めてくれました。さらに「タイヤとホイールが1サイズ細い方がさらに曲がるね」とプロ目線。

「ハンドルを短くしたい」と相談したら「フロントのタイヤ径とハンドル幅は絶妙な関係で成り立っているから、もう少し乗って見極めてからにしたら」と、さすがの適切なアドバイス。来て良かった。
アサカワスピードメカニックの小寺さんが早速、スロットルケーブルの遊びが多かったのを発見。調整してもらいました。ありがとうございます。

「乗っていい?」と浅川さん。その為に来たんです! 短い試乗時間なのに的確な分析。サーキットでは最新スーパースポーツに乗ってますが、フロント19インチホイールも大好きだそうです。
アサカワスピードには「AS30」という点検整備コースがありますが、今は忙しい時期で予約待ち。というわけで今回は「1ヵ月ほど走る間にエンジンが痛まないように」とEPL PL-500の注入のみで。
PL-500はオイルに加える添加剤ですが、バイクのクラッチ板に影響はないので心配無用。正直言ってGB350は元々スムーズなエンジンだし新車なので劇的な効果は無かったけど、1万km乗ったら大きな差が出ると思う。
ヨシムラで数々の伝説を築いて来た浅川邦夫さん。その後は辻本 聡選手(MotoGPのTV解説でおなじみですね)とampmレーシングを結成、全日本でNSR500を走らせました。自身でも1972年型トライアンフでデイトナに挑戦したりと、レジェンドと呼ぶに相応しい存在です。

気になっていたクラッチレバー問題は解決、リヤキャリヤも装着

そんな感じで始まったGB350とのバイクライフ。自宅のバイク置き場にあるGB350を見ても「俺のなんだよなぁ……」と、なんかまだ実感がない。そこでドンドンとGB350の自分化計画を進めます。
前回の記事で、気になった部分として挙げたクラッチレバーのグラグラ。「別のレバーホルダーと交換かな」と思っていました。
ところが別の雑誌の撮影に行った際にそんな話をしたら、そこの編集さんが「こんなのあるよ」と見つけてくれました。

「みんカラ」のUdaさん、アイディアと情報ありがとうございます。

私も早速、岩田製作所のシムリングを通販で入手。ただし同じでは芸がないので板厚0.15mmにしました。
一見するとワッシャーみたいなシムリングですが、このくらい精密な薄さで作られているので只者ではありません。というわけで私は上に2枚、下に1枚入れて0.45mm分の隙間を詰めました。

ちなみに4枚(0.6mm)を入れると、ほとんど振れなしの状態。動きも問題なさそうです。でも「やりすぎは良くない」とビビって3枚にしました。という訳で数百円で問題解消。
ちなみに「ハーレーのレバーにはウェーブワッシャーという振れ止め用のパーツを使用しているよ」とアサカワスピードでも教してもらいました。
感謝感謝。皆んなにお世話になって走るGB350日記です。

GB350で気になっていたのがこのクラッチレバーのグラグラ(調整前)。
レバーの軸部分のボルトにシムリングを挟んで隙間を調整した後。グラグラ減少!数百円のパーツで問題解決。
隙間に挟んだ岩田製作所製の0.15mmシムリング。ワッシャーと違って極薄、しかも均一な厚み。
自分が購入したのは厚み0.15mm、内径8mmのステンレス製10枚入りで749円。
クラッチレバーのゴムのカバーを剥がし、先に下のナットを外してから、上のボルトを外します。
で、間にシムリングを挟んで戻す。簡単です。
ちなみに4枚(合計0.6mm)挟むとキツキツでグラグラゼロでしたが、余りに遊びがなさ過ぎるのも?ということで3枚(合計0.45mm)にしておきました。

一方、キャリヤはエンデュランス製にしました。理由はしっかりしたタンデムグリップが付いているから。
中学生の息子はこのGB350でタンデムデビューなので、かなり怖い様でしがみついて来る。ところがこのキャリヤをつけてからはかなりリラックスしている様子。何歳まで付き合ってくれるか分からないので、なるべくリヤシートは快適にしておきたい笑。
ちなみに取り付けは簡単ですが、それなりに工具が揃ってないと大変です。

準備もできたので慣らしツーリングへ。撮影のない平日に富士山を一周して来ました。
10月半ばの一気に冷え込んだあの日です。
自宅を出た頃は快晴だったのですが、御殿場に着くと雲が広がっていました。富士山1周のつもりだったのですが「やっぱり5合目までは登りたい」と須走口からエントリー。すぐに霧っぽくなり路面が濡れている。さらに黄色いカラ松の落ち葉でタイヤが滑りそうなのでもう帰りたい。新車なのにコケたらシャレにならん。

しかしGB350は回転を上げなくてもトコトコと登ってくれます。コーナーリングを楽しみたい気持ちをグッと抑えて、速度控えめでゆっくり5合目に到着。すると雲海が広がっていました。メゲずに登って来て良かったぁ。1回目のツーリングからこんな景色が見れるなんて。GB350よ、ありがとう!

しかし寒い日でした。下に降りてきたら曇っていてグッと寒い。
午後1時の河口湖周辺の掲示板に気温4度と表示されてました。10月半ばですよ。太陽が出ていた5合目の方が暖かいくらい。そんな予感がしてインナーダウンは持って来たけど、手袋もジャケットも3シーズン用なので最後はほぼ泣いてました。

こういう季節的な勘が鈍くなっているのも「リターンライダーあるある」かな。
他にも「久しぶりに履いたブーツの底が剥がれる」や「目が悪くなっていて夜走行が怖い」とかありました。ちなみにヘルメットは仕事で使っていたものが比較的新しいので大丈夫。

嬉しいハプニングは帰りのサービスエリアの駐輪場で、自分と同年代の男性に話しかけられた事。
唐突に「おっきいですね」とご同輩。一瞬「自分の身長は171cmだけど……」と思いましたが、GB350の話でした。CB400SFに乗っていた男性は振動を気にしていたけど「振動ないっす」「高速も快適」「ABSとトラコン装備」と、なぜか宣伝しまくる私。
こういうコミニケーションも嬉しいものですね。

キャリヤはタンデムグリップがノーマル以上にしっかりしているエンデュランス製にしました。息子とのタンデムもGB350購入に至った大きな理由だからです。
ノーマルに付いているタンデムグリップのボルトとリヤショック上部の荷掛けフックを利用して取り付け。
全部で4ヵ所6本のボルトですが、4本はキャリヤに付属のもの、リヤショックの2本はGBに元から付いているもの。ステー部分のボルトの内2本はノーマルと入れ替え。
リヤキャリヤ装着完了! サブフレーム後部の美しい処理を見せたくてシートを付け忘れました笑

燃費も良好なGB350、リッター30km台は下回らない

さてGB350は燃費も良いと話題です。
このツーリングの日はほぼ300km走って、メーターの平均燃費は33km/Lと表示。満タン法では9.6L使用なので31km。
街乗り中心の前半200kmもメーターには平均31kmと表示されていました。
かなりの好燃費を叩き出してますが、なんせ慣らし中なので今後これより良い数字は出ないかもしれません。

という訳で4月に始まったこのGB350日記。10月になってやっとバイクライフらしい報告ができました。
今年はあと何回ツーリングに行けるかな?霧ヶ峰とか行けるかな?凍結怖いな。やっぱり伊豆か。ウエアとか冬対策もしないとな。
いろいろ悩ましく、たくさん嬉しい2021年の秋です。ではでは。

ツーリングに行ったときの一幕。自宅から国道1号線と138号線で御殿場へ。その後、富士山5合目では雲の上に出て大雲海を望む。首都圏から最も近い別天地。大好きな場所です。
ツーリング当日まだ富士山は真っ黒でしたが、あの寒さ&翌日の雨で冠雪したはず。黄色いカラ松は日本で唯一の落葉針葉樹。きれいなんだけど落ち葉が道路を覆うと滑りそうで怖い。


カメラマン 柴田直行
モーサイや月刊モーターサイクリストでも撮影しているプロカメラマン。
バイク雑誌を中心に30年以上に渡って撮影活動。子育て時期とデジタル化の波を同時に被ってXR250を手放したが約8年ぶりにリターン。50歳代のバイクライフをGB350と共に再スタート。

https://www.shibaphoto.com/

https://www.instagram.com/shibaphoto/

取材協力

アサカワスピード 神奈川県横浜市青葉区寺家町603-2 (TEL:045-961-9622)

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