バイクライフ

インド製の二輪車が増えているけど、先進国向け四輪車にもインド製ってあるの?

スズキ、KTM、BMWなど二輪ではインド生産車が増えている

ホンダが空冷単気筒のロードスポーツモデル「GB350」を日本で発表しました。
このモデル、すでにインドでは「ハイネスCB350」という名前で先行発売されていたことで、デビュー前から日本でも話題を集めていました。
生産もインド現地で行われるハイネスCB350ですが、なぜ、インドで先行しているのかといえば、かの地が二輪にとっての大きなマーケットだからです。

インドの二輪マーケットは2000万台規模で、同国の地場メーカーである「ヒーロー・モトコープ」はホンダに次いで世界2位の規模を持つ大メーカー。
インド製の二輪車がグローバルに展開されるのは不思議なことではありません。

ほか、日本メーカーではスズキが「スズキ・モーターサイクル・インディア」で生産を行っているロードスポーツ「ジクサー150」を国内販売しています。
ジクサー150は2014年からインドで生産・販売が開始され、アジアや中南米などへも輸出されています。

ハイネスCB350 ホンダ
2020年にインドで先行発表され、現地製造・現地販売されるホンダ ハイネスCB350。同車用に新開発された348ccのOHC空冷単気筒エンジンを搭載しています。
ハイネスCB350の日本版と言える存在のホンダ GB350ですが、GB350は日本で生産が行われます。2021年4月22日発売で、価格は55万円。

インドにはそのほか大小のメーカーが数々ありますが、欧州ブランドでもBMWはインド「TVSモーター」と提携してG310R/G310GSを生産。
また、KTMは「スモールデューク」と呼ばれる小排気量ネイキッドや、その派生モデルをインドで作っているほか、KTM傘下にあるハスクバーナの小排気量車もインド生産となります。実は、KTMの筆頭株主はインドの「バジャジ」で、小排気量車の生産で提携を行っているのです。

四輪の分野でもインドの地場メーカーである「タタ・モーターズ」は、その傘下にジャガーランドローバーを有するなど世界的に存在のあるメーカーとなっています(といっても、日本で販売されているジャガーやランドローバーの各モデルは英国製です)。

では、四輪車でインド生産のモデルが日本で売られたことはあるのでしょうか。

日本で販売される日本・欧州メーカーのインド生産車

スズキ ジクサー150。154ccのOHC2バルブ空冷単気筒エンジンを搭載するネイキッドモデル。価格は35万2000円。
BMW G310R。313ccのDOHC4バルブ水冷単気筒エンジンを搭載するネイキッドモデル。価格は62万3000円〜。
 BMW G310GS。G310Rをベースとしたアドベンチャーモデルで、価格は69万5000円〜。
KTM 390デューク。373ccのDOHC4バルブ水冷単気筒エンジンを搭載するネイキッドモデルで、価格は65万9000円。基本構成を共有する兄弟車に250デューク、125デュークもあります。
250アドベンチャー KTM
KTM 250アドベンチャー。スモールデュークをベースとしたアドベンチャーモデルで、価格は67万9000円。排気量違いの兄弟車、390アドベンチャーもラインアップされます。
ハスクバーナ スヴァルトピレン125。KTMのスモールデュークをべースとしたストリートモデルで価格は53万9000円。スモールデューク同様に排気量違いの兄弟車もラインアップされます。
ハスクバーナ ヴィットピレン401。スヴァルトピレン同様スモールデュークがベースで、カフェレーサー風のデザインにまとめられています。価格は70万円。

スズキの四輪車「バレーノ」がインド製だった

答えはイエス、いや正確にいえば「売られていた」となりますが、2016年〜2020年にかけてスズキが販売していた3ナンバーのハッチバック車「バレーノ」がインド製でした。

バレーノの生産を担当していたのは、インドにあるスズキの系列会社であるマルチ・スズキ社。スズキといえばインドの四輪マーケットにおいて大きなシェアを占めていることでも知られています。
まさに主要マーケットのひとつであり、そのインド産まれの高級ハッチバックが日本に輸出されるというのは、ある種の象徴的な出来事として現地でも報じられました。

さて、スズキ バレーノとはどのようなモデルかといえば、ハッチバックといってもスラッとした印象のフォルムが特徴で、日本導入時のパワートレインは1.2L自然吸気4気筒と1.0L3気筒ターボを設定。ターボエンジンはハイオク仕様だったほか、本革シートもオプションで用意されるなどプレミアムなコンパクトカーという位置づけでした。
また、ミリ波レーダーを用いた先進運転支援システムが装備されているなど、技術的にも最先端を行っているモデルとして上陸したのです。

その後、ターボエンジンをレギュラーガソリン仕様へ変更するなど日本のユーザーニーズに合わせて進化を遂げましたが、残念ながらスイフトとターゲットが被るということもあって、日本での販売は終了しています。
ただし、バレーノは海外ではトヨタ・スターレットとしてOEM供給されるなど、グローバルでは需要あるモデルとして人気を高めている「実力車」です。

2016年に日本で発売されたスズキ バレーノ。1.2L自然吸気エンジンの「XG」と、1.0Lターボエンジンの「XT」がラインアップされました(写真はXT)。
スズキ バレーノに搭載された「ブースタージェットエンジン」と呼ばれる1.0L直噴ターボ3気筒。当初ハイオクガソリン仕様でしたが、2018年にレギュラーガソリン仕様へと変更されました。

フォードも2年間だけインドから輸入したモデルを販売

そのほか日本で販売されたインド製四輪車としては、フォードのコンパクトSUV「エコスポーツ」が短期間ですが輸入された実績があります。

そんなエコスポーツが日本の導入されたのは2012年のこと。日本仕様には5ナンバー枠に収まる専用ボディを与えるほど力の入ったモデルでしたが、フォード自体が2016年をもって日本市場から撤退したこともあって、中古市場でもほとんど見かけることのないレア車となっています。

インドからの輸出は増加傾向にあり

なお、インド政府は「Make in India」の掛け声とともにインドからグローバル市場への輸出を推進する政策をとっています。前述したマルチ・スズキも2012年から2021年3月までの9年間で100万台の四輪車を輸出するなど、インド国内だけでなく世界を見据えたものづくりを進めています。

現時点では、インド製の四輪車は日本で新車販売されていません。
しかし、二輪車ではインド製が確実に増えているように、四輪でもインド製であることが特別ではなく、当たり前のことになる日はそう遠くないのかもしれません。

レポート●山本晋也 写真●スズキ/ホンダ/BMW/KTM/ハスクバーナ
編集●上野茂岐

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