Uターンは練習で必ず上達するけれど、その過程で大事なアイテムがある
バイクでスムーズなUターンができたら気持ちいいですよね。特に大型バイクでUターンが綺麗に決まると、乗っている本人はもちろん周囲から見ても「上手い」と感じさせます。しかし現実は、「難しい」「自分には無理」「Uターンなんてしなくても良い」と感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、Uターン上達に欠かせない「技術以外の重要なポイント」について解説します。

まず前提として、バイクの操作はスポーツと同じです。練習なしで上達することはありません。免許を取っただけでは、細かい操作や低速バランスはなかなか身につかないものです。「スラローム/一本橋/低速走行」は、教習の課題などでは必ずあるものですが、こういった基本練習を積み重ねることで、確実に技術は向上していきます。そして技術が上がるほど、ツーリングや街乗りの楽しさは一気に広がります。
中でも、街乗りで差が出るUターンは、日常で役立つスキルです。
●道を間違えたとき
●狭い路地に入ったとき
●駐車場での切り返し
こういった場面でスムーズにターンできるかどうかで、快適さが大きく変わります。特に取り回しの大変な重量級の大型バイクではUターンが出来ると出来ないとではバイクの楽しさに大きな差が出ます。そしてここからが本題です。
Uターン上達のカギは「グローブ」にある
多くの人が見落としがちですが、Uターンの精度に大きく影響するのがグローブです。微妙なクラッチ操作が命のUターン。Uターンする時は……
●半クラッチ
●リヤブレーキ
●アクセルワーク
この3つを上手いライダーは、ミリ単位で調整しています。特にクラッチ操作は非常に繊細で、少しのズレがバランス崩壊につながります。

厚いグローブが操作を邪魔する
冬用の生地が厚いグローブを使っていて、「なんか運転しづらい…」と感じたことはありませんか? その原因、多くの場合これです。
●指の感覚が鈍る
●レバーの位置が分かりづらい
●微妙な力加減ができない
結果として、バイクの挙動がギクシャクする。さらにはバランスを崩したり、最悪の場合転倒する、といったリスクが高まります。

「じゃあ薄いグローブが最強?」と考えてしまいますが、これは半分正解で半分不正解です。薄すぎると……
●転倒時の保護性能が低い
●耐久性が落ちる
●指への負担が大きくなる
つまり、操作性と安全性はトレードオフの関係にあります。
白バイ隊員のグローブにヒントあり
実は参考になるのが、白バイ隊員の装備です。
●夏:布製グローブ(薄くて操作性重視)
●冬:革グローブ(防寒・重視)
特に夏用グローブは、操作性を最優先に設計されています。ただし冬用になると防寒性能を上げるべく一気に操作感が落ち、「ウインカーの操作ミス、クラクションの誤作動、サイレン誤操作、アクセル操作がしにくい」なんてことも実際に起きます。
これはそれだけ「指先の感覚が重要」という証拠です。白バイにおいてはウインカーの操作ミスやサイレンの誤操作等は基本許されないので、操作性はとても重要となってきます。
市販でも手に入る白バイ系グローブ
白バイタイプのグローブは、実は市販でも購入可能です。代表的なのが「コミネ」製のグローブです。
●操作性が高い
●適度な厚み
●必要な補強あり
という特徴があるバランス型で、Uターン練習にはかなり相性がいい装備です。白バイ隊員が使用している「POLICE」とロゴの入ったグローブも普通に購入することが出来ます。



グレー色の生地を使用しており、青色や赤色のワンポイントと共に「POLICE」のロゴが入っています。しかし、「POLICE」仕様は嫌だという方もいらっしゃることでしょう。そんな方のために「KOMINE」とロゴの入っているグローブもラインナップされています。

指先の感覚は想像以上に高性能
人間の指先は、非常に高性能です。
● わずかな凹凸
●圧力の変化
●振動
●温度
これらを瞬時に判断しています。この感覚を活かして、「クラッチのつながりやブレーキの効き具合」をコントロールしているわけです。つまり、グローブがその感覚を活かせるかで操作精度が大きく変わるということです。
上手くなりたいなら道具にもこだわれ
「道具から入るな」という意見もありますが、バイクに関しては必ずしも正しくありません。むしろ、道具(装備)にこだわった方が良いケースもあります。特にプロテクターやヘルメット、安全装備に関するものはこだわるくらいが丁度良いのかもしれません。
ただし、闇雲に高価な道具(装備)を揃えるのではなく、
●走行方法や目的に合った装備
●操作性を邪魔しない装備
●自分のバイクに合った装備
を選ぶことは、立派な技術の一部です。
当然、その中には格好良さや自分好みのデザインを選ぶことも。バイクの楽しみ方の醍醐味でもあります。

まとめ : Uターン上達は“手の感覚”で決まる
Uターンを上達させるために重要なのは、練習や操作技術だけではありません。そこに加えて、グローブ選びが操作精度を左右する要素として、大きく関わってきます。もし今、「Uターンが苦手」「低速が怖い」「アクセルワークが苦手」「ハンドルを切った状態でのクラッチ操作が苦手」「ターン時のブレーキ操作が上手くいかない」と感じているなら、一度グローブを見直してみてください。
意外なほど操作性があっさり改善することもあります。自分のバイクの乗り方や手に馴染むグローブを見つかれば、バイクの楽しさが倍増するはずです。

文●睦良田俊彦 写真●コミネ、睦良田俊彦、モーサイ編集部
睦良田 俊彦(むらた・としひこ) 1986年北海道生まれ
趣味:クルマ、バイク
歯科技工士を経て警察官となり、約15年間勤務(白バイ隊員歴約10年)。警察学校卒業後は約3年半の交番勤務を経て交通部門へ。白バイ警察官として第一線で交通取締りをメインに活動し、ライダーのための安全講習、交通安全啓発イベント、マラソン大会先導、大統領車列先導など、様々な経験を重ねてきた。
県警主催白バイ大会での優勝経験もあり、白バイ新隊員の育成などにも携わった後、巡査部長の階級で依願退職。現在は退職後の夢でもあったライディングレッスンなど、ライダーのためになる活動が出来る場を作るべくYouTuber「臨時駐車場チャンネル」として活動。バイクイベント等に積極的に参加し、出身の北海道で開催のライディングレッスンで講師も務めている。




































