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情熱のロードレース Vol.7 「NSR500V その進化の現実と背景」が八重洲出版から発売中!

WGP 500ccクラスへの参加台数を増やすため

今だから言える、その後のいろいろな経験による見識で当時を振り返って語れる。そんなロードレースの過去・現在・未来を伝える本が、2021年8月から季刊でスタートした「情熱のロードレース」です。
その情熱のロードレースVol.7が、八重洲出版から2023年2月24日に発売になりました。
今回のテーマはホンダ「NSR500V」です。 

情熱のロードレースVol.7の表紙写真は青木拓磨さんが駆るレプソルカラーのNSR500Vがコーナーを立ち上がるカットです。後ろの青いマシンは4気筒エンジンのNSR500、乗っているのは青木宣篤さん。自画自賛ですが、とてもいい表紙ができたと思っています。

WGP 500ccクラスは1990年代に、メーカー主導のレースへとなっていき、プライベーターの参戦数が著しく減少。結果として参戦台数が80年代に比べてかなり減ってしまっていました。レースの存続が危ぶまれる中(実際に全日本ロードレース選手権は1994年に同クラスの開催が休止されています)、ホンダは500ccクラスへ市販車を供給するという方法で参加台数の増加をねらいました。その実戦開発のために1996年にHRCがファクトリーマシンを走らせ、翌年に市販レーサーも販売しました。

NSR500V販売時のHRC市販レーサー価格表です。車両本体で800万円というプライスはWGP 500ccクラスへの参戦を考えれば決して高いものではありませんでした。

そんな開発ストーリーと、市販されたNSR500Vをベースに独自のフレームを製作。オリジナルマシン、AC50MをWGP 500ccクラスで走らせたTSR(編集部註 テクニカルスポーツレーシング=三重県鈴鹿市にバイク販売店舗を構えるTSRが運営するチーム)のストーリーも紹介しています。

青木拓磨さんが語るNSR500V

そしてこのNSR500Vを語るとき、キーパーソンとして青木拓磨(あおきたくま)さんは欠かせません。1995年、1996年と2年連続で全日本ロードレース選手権スーパーバイククラスでチャンピオンを獲得した拓磨さんは、満を持して1997年のWGP 500ccクラスにフル参戦。NSR500Vでシリーズランキング5位となり、WGP2年目のシーズンへ向けて準備を進めていた1998年2月の国内テストで転倒してしまいます。その転倒で脊髄を損傷し、ロードレース活動を中止せざるを得ない状況となってしまいました。

全日本時代から付き合いのある本誌・川上とのインタビューでリラックスしつつ、思うことを語ってくれた青木拓磨さん。

拓磨さんは治療のため渡米し、そこで「やりたいことは何でもできる」とドクターから背中を押され、「何がしたい?」と聞かれ即座に「レース」と答えました。その後の四輪レースでの活躍、さらに近年では弟・治親(はるちか)さんが始めた「サイド・スタンド・プロジェクト」(SSP)によってバイクにも乗り始めています。このあたりのストーリーはぜひ「情熱のロードレース Vol.7」を読んでいただくとして、そんな拓磨さんが2022年4月からスタートさせたのが、九州・南阿蘇でのアカデミーです。

若手育成を主目的としていますが、ライディング技術を向上させたいというライダーならベテランでもOKと拓磨さんは言います。

「若手育成プロジェクトとしては、国内でもスクール形式で行なわれているところがありますが、僕が目指すのはバレンティーノ・ロッシが主宰するVR46アカデミー。VR46アカデミーは、バレンティーノ自身が走るためフラットトラックコースを造り、そこに若手ライダーが集まってきて、一緒に走っている。疑問があれば先輩が目の前にいるから聞けばいいし、一緒に走って技術を間近で見ることでいつしか自分のものとし、スキルアップもできる。やはり自分の中から疑問が湧いてこないと他者からアドバイスされてもピンとこないし、結果として実にならない。走って走って走りまくれる。そんな場所を九州の南阿蘇に造りました」と拓磨さん。

自由に走り回れる環境は、バイクを存分に楽しみ、技術を磨くのに最高の場と言えます。

阿蘇ライダーズベースとネーミングされたこのコースはオフロードがメインで、そばに合宿所も備え、バイクもホンダ FTRやホンダ CRF125/50Fが準備されていますので、ヘルメットとウエアを持参すればOK。さらにホンダ CBR250Rもあるので、阿蘇ライダーズベースだけでなく、近くにあるHSR九州のオンロードコースを走ることもできます。

阿蘇ライダーズベースでの拓磨さんとアカデミーに参加する子どもたち。

本誌の中で拓磨さん自身がこう語っています。
「バイクが好きでいてほしい。僕自身はもちろん今でも大好きだし、でもたまたまケガしちゃったけど、それは本当に『稀』なこと。バイクは素晴らしい乗り物だから、嫌いになんてなってほしくない。そんなことになったら、バイクでケガした自分たちが浮かばれない」
ケガをしてバイクレースは続けられなくなったけど、四輪のレースはできる。「走りたい」という情熱を燃やし続ける拓磨さんは、いまも全開です。

拓磨レーシングアカデミーの詳細は下記まで。
一般社団法人 国際スポーツアビリティ協会 

レポート●川上滋人(情熱のロードレース編集責任者)写真●拓磨レーシングアカデミー/小見哲彦/八重洲出版 編集●飯田康博


情熱のロードレース Vol.7 「NSR500V その進化の現実と背景」
■定価: 1,650円(本体 1,500円)
■発売日:2023年2月24日(火)
■体裁:A4正寸、並製、オールカラー100ページ

全国の書店、オンライン書店、八重洲出版オンラインショップで販売中。

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