2018 ANNIVERSARY BIKES
新型として登場し、数年後には次の新型、もしくは絶版になるのがバイクの宿命だが、名称やコンセプトなど、何らかの形で受け継がれる、あるいは復活するケースも多い。2018年にアニバーサリーを迎えるモデルを見てみれば、それがよく分かるはずだ。
第3回目は当時の日本車では特異でもあった、大排気量車のアニバーサリーモデルを紹介。現在の目で見てもすさまじいインパクトがあるマシンたちにフィーチャーしよう。
(report●石橋知也/ノア セレン)
HONDA CBX(1978年)

●欧州ではCB750FOURの人気がいまひとつという状況を打破すべく開発されたフラッグシップ。車名の"X"は究極を意味する。排気量1047cc、最高出力105馬力、車両重量247㎏。
6気筒エンジンを搭載した究極のCB
78年に発表。象徴的な空冷並列6気筒DOHC4バルブエンジンは1960年代のGPマシンRC166(250cc)/RC174 (350cc)のレプリカと呼ばれた。ダイヤモンドフレームで前を遮るダウンチューブがないため、一層その造形美や存在感が強調された。ハンドリングは軽快でUターンも簡単。加速も超スムーズで最高速度225㎞/h、0-400m加速11.65秒は当時世界最速。最大トルクは8.6kgm/8000回転だった。
1981 CBX
●スポーツ車としては課題が残る車体構成だったこともあり、リヤサスをモノショックに変更、大型フェアリングを装備してツアラーへと転身。82年にはリヤにグラブバーが追加されている。
KAWASAKI Z1300(KZ1300)
(1978年)

●78年ケルンショーで79年型として発表。写真はZ1300で、北米向けのKZ1300は燃料タンク容量が21ℓ(欧州向けZ1300は27ℓ)と小ぶりなために外観の印象もだいぶ異なる。
CBXと覇を競った巨艦
CBXとほぼ同時期に発表された並列6気筒DOHC2バルブエンジン車。Z1300は水冷で、CBXを上回る1286cc、最高出力120馬力/8000回転、最大トルク11.8kgm/6500回転と力勝負で勝った。シャフトドライブで乾燥重量297㎏と重いが、加速はトルクを生かしてクルマのV8エンジン車のように大迫力。CBXに対してパフォーナンス不足という評判を払拭するため、USカワサキは"ウイリーキング"のダグ・ドモコスに(テールランプを割りながら)ジャイアントウイリーをさせて挽回した。
1984 ZG1300
●83年型で登場のツアラー、ZN1300ボイジャー(KZ1300に用意されたツアラー仕様KZ1300Bツーリングの後継)に採用されたDFIを採用。欧州仕様のみで最高出力130馬力
YAMAHA XS1300(1978年)
ヤマハ初の4スト並列4気筒エンジン車
ヤマハ初となる4ストローク並列4気筒エンジン車がこのXS1100(XSイレブン)。CBX、Z1300と同時期の発売。この2車と同様にアップハンドルのUSモデルとローハンドルの欧州仕様があったが、さらにアメリカンの"Special"をシリーズ化してこのイレブンにも加え、さらにブラック&ゴールドのハイエンド仕様“"ミッドナイトスぺシャル"も追加した。これだけトルクがある4気筒も珍しく、VMAXにも通ずる魅力があった。
1981 XS1100S
●アメリカンタイプのXS1100スペシャルのハンドルとシートを変更した欧州向けスポーツ仕様でオイルクーラーを装備。写真のミッドナイトスペシャルではビキニカウルも追加された
いかがでしたか? 現行の並列6気筒モデルは、BMWのK1600ぐらいしか存在しません。またジャパニーズストレート6のエキゾーストノートが聴ける日が来て欲しいものですね。