ヒストリー

ホンダ スーパーカブ命名秘話 「カブ」って一体どういう意味?

「スーパー」カブ命名の秘密

カブFから約5年後、自転車取り付けエンジンから更に進化した、50cc規格で完全完成車となるモデルの開発がスタート。その中でネーミングが検討され、大きな議論もなく決まったのが「スーパーカブ」だった。意味は読んで字のごとく、過去の成功商品「カブ」に「スーパー」を組み合わせたのである。
英語のSuperとは、「より上に」とか「より高く」と言った意味を語源に持ち、「最高・特に・とても」等としても使える単語。日本では、1952年頃から大阪や東京で「スーパーマーケット」が産声を上げ、1956年「西武ストアー」、1957年「ダイエー」が創業するなど、戦後のジェネレーションに合った単語として“スーパー”が世間に持てはやされていた時期にあたる。

「誰でも手軽に使えるトランスポーターで、既存の枠や概念にとらわれないこと」を目標に車作りは進められ、当時うなぎ上りに業績を拡大していたホンダでは、下請けメーカーと共に、複数の新規格部品を新設するなど、非常に意欲的な開発が行われていった
なお開発当初は「マルM」と呼ばれ、「マル」は「〇印」、「M」は当時ヨーロッパで隆盛を誇っていたモペットの頭文字からとられている。すなわち、「日本に合ったモペットを作りたい!」と言うのがスーパーカブの原点である。

1958年スーパーカブC100(4スト50ccOHV単気筒)
C100のボディに施された青色の名前は「マルエムブルー」と呼ばれ、開発時の呼び名である「マルエム」に由来。
カブを塗るために作り出された色である。

2018年 スーパーカブ110 60周年記念車(4スト110ccOHC単気筒)
2018年に受注生産された60周年記念モデル。車体色はマグナレッドで、サイドカバーに60周年記念エンブレムが付いている。

1958年の発売から60年以上が経ち「スーパーカブ」の名は世界に広まっただけでなく、2017年には世界生産累計台数1億台を超えるなど(二輪四輪含む世界記録)、その成功は当初の開発陣の予想を遥かに超えるものである。昭和33年当時は「スーパー」と名付けられたが、現在の目で見たら「スーパー」を超えるもっと高みに位置する単語を探さねばならないのかも知れない?
文●上屋 博

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