ヒストリー

ホンダ スーパーカブ命名秘話 「カブ」って一体どういう意味?

「スーパーカブ」と言えば、バイクに詳しくない人でも知っている、知名度の極めて高いバイク……と言う事は周知の事実だろう。ただこのあまりにもありふれたスーパーカブのネーミングについて、知らない人も多いのではなかろうか?
スーパーカブの「カブ」って何? どういう意味があるの? 今回はそんな名車の名前の由来を紹介したい。

「カブ」の名前はどうして付いた?

ホンダには1958年のスーパーカブ発売以前に、1952年に登場した「カブF」という名の製品が存在する。これは箱に詰められた荷姿で売られた自転車に後付けする50ccエンジンで、1947年の「A型エンジン」のフルモデルチェンジ版として発売された。

1947年ホンダA型(2スト50cc単気筒)
本体はエンジンなので、写真以外の自転車に搭載されることも多い。タンクは再塗装が施されている様子。

F型エンジンは白いガソリンタンクに赤いクランクケースカバーという、当時としては斬新なカラーリングをまとっており、そのイメージから、英語で「坊や、少年、肉食哺乳類の子供」を意味する「Cub(カブ)」というペットネーム(愛称のこと)が付けられた。

1952年カブF(2スト50cc単気筒)
左はホンダコレクションホール(栃木県茂木町)の収蔵車で、右は梱包キットのレプリカ。箱などは当時ものを元に復元したそう。

創業当時のホンダでは、本田宗一郎らの手による自転車補助エンジンの「A型」をスタートに、「B型」「C型」とモデルを重ねていった。1949年に車体からエンジンまでを含んだ完成車が出来上がると、その喜びと夢を合わせて「ドリームD」と名付け、その約2年後にはドリームDの進化版「ドリームE」を発売し市場で好評を博してゆく。

1949年 ドリームD(2スト98cc単気筒)
キャブレターをクランクケース前方に、排気はシリンダー後方からというレイアウトのエンジンをチャンネルフレームに搭載していた。

オートバイタイプのD、E型に「ドリーム」と名付け、成功した例から、F型エンジンにもペットネームを付けることとなり、前述のように「Cub」と名付けられた。そしてこのカブFは新たな販売網の構築に成功するなど、ホンダのヒット作として現在まで歴史に刻まれている。
余談だが、昭和41年に開始されたアニメ「魔法使いサリー」のなかで、サリーちゃんの弟の名前が「カブ」と設定されているのも同じ由来によるものである。

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