’07年、’09年の東京モーターショーで注目を集め、大人のライダーが気負いなく楽しめることを目指して開発されたのが、’92年のCB750(RC42)以来の空冷直4CBとして現在も発売されているCB1100だ。
ねらいどおり40代、50代を中心に支持されて発売当初から現在までヒットモデルとなっており、401㏄以上の大型バイクで2017年上半期ではナンバー1、2017年全体でもナンバー3の販売台数を記録している。
今なお衰えぬ人気を誇るCB1100。今回はその初代、’10年型のTypeⅠ/TypeⅡを紹介していこう(写真はTypeⅠ)。
文●野口眞一 写真●岡 拓
※本記事は別冊Motorcyclist2011年7月号に掲載されていたものを再編集しています。
味わいの走り、操る歓び…所有感を満たす大人の1台
ホンダ歴代のスポーツバイクに冠せられて来た“CB”という車名。
その名を受け継ぎ、’92年のCB750以来、約20年ぶりに登場した空冷CBの新機種がCB1100である。
’07年の東京モーターショーにコンセプト車・CB1100Fとして展示され、2年後の同ショーにて市販予定車としてデビュー。翌’10年3月にアップハンドルのTypeⅠが、6月にローハンドルのTypeⅡが発売された。
両タイプともにコンバインド(前後連動)ABS車が設定され、4種の選択肢があった。
『大人の所有感を満たすエモーショナル空冷直4ネイキッド』をコンセプトに開発された同車は、ねらいどおり40~50代の大人のライダーを中心に支持されて、’10年は401cc以上クラスでトップの販売実績を得たのである。
車体色は各タイプ共通で、赤、白、黒の3色設定となっており、価格はTypeⅠ/Ⅱともに99万7500円、それぞれのABS付き仕様が107万1000円だった。
熟成が進み、より一層満足できるモデルへと深化
なおCB1100は2012年のマイナーチェンジでTypeⅠ/TypeⅡが統合されて、ゆったりとしたアップハンドルタイプのみとなった。
さらに2014年には燃料タンクを17L化やスポークホイール、2本出しマフラーを採用するなどしてトラディショナルイメージを強めたCB1100EXを追加。スタンダードモデルもミッションを5速から6速化されるなどのマイナーチェンジが行われている。

CB1100EX
その後も各部の熟成が行われ、2017年には第3のCB1100とも言えるCB1100RSを追加。このモデルは軽快な走りを実現するために前後17インチホイールや専用のディメンション(キャスター角26度)の採用など、スポーティさを高めた設計となっているモデルであった。

CB1100RS
現行モデルはスタンダードモデルが125万4000円、EXが136万2900円、RSが140万3600円というプライスとなっている。
今後もCB1100は熟成を重ねながら、所有欲を満足させてくれる質感と性能を追求し続けるのだろう。どのような進化と深化をしていくのか、今後も目が離せないモデルなのである。
→次ページ:HONDA・CB1100の各部をじっくり解説!
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