バイクライフ

【プロカメラマン】が大量画像で記録!「磨けば出てきた輝く地肌!腐ったKLXがリヤサス分解でのサビ退治で……」

■サビたリヤサスペンションのパーツを磨く。リンクもスプリングもこのとおり!

2000km走行とはにわかには信じられないサビ様を見せる中古のKLX125。

どうせ分解整備するなら!と、再塗装の準備も

汚れきっていたリヤサスペンションとその周辺……中古販売時の走行距離が2000kmとはとうてい思えない劣化を感じさせます。が、長く愛用したいカワサキ・KLX125ですので、この状態で放置しておくわけにはいきません。もー、開き直って分解整備(機能アップと同時に美化作業)をしてしまうことにしました。

最終的にはサスの各パーツを塗装するつもりなので、最初から塗料、そして使えそうな特殊工具(工具量販店のオリジナル廉価製品)などを調達。ショックユニットを分解するためにどうしても必要なスプリングコンプレッサーは、昔使っていたものをすでに処分してしまっていたので、廉価なものを新調しました。

サスペンションユニットのサビ具合。もとはこんな感じでグズグズでした。

リヤサスペンションを外し、サビたスプリングに迫る

では、車体からリヤサス周辺パーツを取り外します。ショックユニットはダンパー部分以外、自分で分解が可能な範囲で、バラし、整備します。

車体からショックユニットを外しやすくするためには、外装以外にもあちらこちらのパーツを外していく必要があります。後輪はもちろん、スイングアームやリンク類も外してしまいます。

この時点で作業の進行を止めることになるようなイヤな固着は特になし。ただしリンクの動きに渋いところはありました。

ところでこのKLXのスプリングなのですが、写真のとおりとてもキタナイんですよ! 何でこんなにすごくサビているのでしょう?

車体から外したサスペンション。左がリンク部分、右がショックユニット。

スプリングコンプレッサーのツメが引っ掛からない!?

廉価品の汎用スプリングコンプレッサーでスプリングを圧縮しようとしたら不具合が発生。※このスプリングコンプレッサーは2020年の作業当時に販売されていた製品です。

写真では分かりやすく見ていただくため、仮に片側だけを引っ掛けた状態としています。このスプリングへのフックの引っ掛かりが不安定なのです。引っ掛かりが安定するように、フック部分を削る加工をしないとなりません。

そもそもフック先端をバネの透き間から内側に入れやすいように斜めにカットしていないから、十分な引っ掛かりを得られないのです。フックの角度もイマイチのようです。

加えてフックの引っ掛かる部分が点接触なのでフックが安定しません。

スプリングコンプレッサーはシャフト部分にねじが刻んであって、これを回すことでフックに引っ掛けたバネを縮めていく構造になっています。ですからシャフトには強度と剛性が欲しいのですが、この部分もしなってしまうのです。

廉売品といえど、別製品では適切に使えるものがあるのかもしれませんが、今回のこれは汎用品としても要改良でしょう。

スプリングとはそもそも太い鉄の棒が螺旋状(斜め)になっているものですから、スプリングコンプレッサーはその斜めの棒の部分にフックを当てて使うことになります。そのため、このスプリングコンプレッサーではフックを各スプリングに合わせて加工してから使うことになるなんて……この工具は特殊工具を作る「素材キット」なのか!?と思ってしまいます。※現在は格段に進歩した製品が発売されているので、あくまでこの当時の話です。

ディスクサンダー&ベルトサンダーでの削り加工だと、夜は音が響くため、後日の昼間に再開ってことで、当日は作業中断。当初はこの日の晩のうちに、スプリングの表面処理くらいまでは終わらせておこうと思っていたのですけどね、叶わず。

左側の元の状態が長過ぎて、断面の傾斜もスプリングに合っていなかったが分かりますか?

予備として、ターンバックルの利用も考えておいて

ということで数日後、スプリングコンプレッサーの加工をしてみました。それでもダメだった場合にも備えて、スプリングを外すための別の方法もバックアップとして考えておきました。

ネット上にメンテナンス記事を参考に、スプリングコンプレッサーの代用品として、ターンバックルとフックネジを1ペア用意。

ターンバックルは両側にフックがあるフック&フックタイプです。そのうち片側のフックは右ネジとなっていますから、両端を引っ掛けたあとに真ん中の部分を回すと、大きな力を必要とせずに全長を伸ばしたり縮めたりできます。コレを利用してスプリングコンプレッサーの代わりにできないかというのがバックアップの作戦です。

……結局、出番はありませんでしたが、建築資材でものすごく安価。お財布はちっとも痛くならなかったので、ヨシとします。ただし、スプリングにうまく引っ掛けるためには、フック部を少し削った方が納まりが良さそうです。それでもだめそうならフックが直線的な、曲がり部分の長いネジを加工して使う予定でした。

フック&フックタイプのターンバックル。両端を引っ掛けてつなぐ部分を回してフック間を短くする……のはスプリングコンプレッサーと同様。
このターンバックルを使うにしても、フック部分を加工しないとスプリングにうまく納まりません。

スプリングコンプレッサー(改)でストッパー外しに成功!

さて話を元に戻しまして、本来使いたかった廉価版特殊工具の、スプリングに接触するフック部分を、スプリングの棒部分の外径を想定して、丸く削ってみました。

さらにフックを短く、それとスプリングに当たる部分の傾斜に合わせての削り加工も施します。

削り作業後に動作を試してみれば、この通り。スプリングを安定して縮めることが出来て、ストッパーが外せました。

これでやっとダンパーとスプリングが分離できました。

フックですが、左側の元の状態ではスプリングの間に差し込むには長すぎて、うまく引っ掛かりません。断面の傾斜もスプリングのに合っていなかったのが分かりますか?
無事にスプリングを縮められて、ストッパーを外せ、ダンパーとスプリングを分離できました。
スプリングを抜いたショックユニットと、使用したスプリングコンプレッサー(右側)。

やっとスプリングのサビ落としに取り掛かれます

スプリングの表面、あらためて見るとすごい劣化ですねぇ。オドメーターの走行距離が信じられません。

「ざっと剥離して、簡単にスプレー塗装でもしとくか~」と当初は軽く考えていたのですが、状態が予想外に悪く、もはや全体を剥離してから再塗装した方が明らかに綺麗に仕上がるだろうと判断しました。

ただ、作業的には手強いんですよ。純正の表面塗装が残っている部分は、塗膜が厚いうえに柔軟性もある材質で難儀しました。

磨きやすい外側は電動工具でざっくりやりましたが、指を入れにくい内側は、最初はサンドペーパーを帯状にして引っ掛けてシコシコ。でも、それだとすぐに切れちゃう。またハサミでしみじみと1.5cm幅くらいに切って、シコシコ。ぷちっ(繰り返し)。あ”~もー! こんなのやってらんねー!(心の叫び) でも黙ってやり続けて……で、考えた結果、ベルトサンダーのベルトを使うとサンドペーパーよりも全然切れにくいのを思い出したんですよ。

手持ちであったマキタの9mm用ベルトを3本ほど犠牲にしての手作業の結果、内側のサビもおおむね除去できました。で、外側に残ったしつこい塗膜は電動工具で剝がしちゃえと、ポリッシャに240番の粗さを付けてシャー。これで、ほとんど地金状態になりました。うむうむ、美しいな(ニヤリ)。

一瞬、せっかくだからこのままウレタンクリア仕上げにしちゃうか?とも思いましたが……、でも、下塗りをしてからライムグリーンにしたらカッチョ良いのではあるまいか?とも思いまして。近代カワサキのSSでそんなサスを見て、ふと考えました次第です。

実際に塗装をどうしたか?につきましては、また別の機会に。

スプリングのサビつきが激しい様子。これで走行距離2000kmとは!
ベルトサンダーのベルト部分を手で使ってのサビ落とし。塗装の残骸も一緒に削り落とす。サンドペーパーに比べれば作業はマシだが……。
研磨を終えた状態のスプリング、磨いただけで地金が出て、ここまでピカピカにできました。

リンクのパーツも続けて磨き上げ!

ショックユニットと車体を繋ぐリンクのパーツも、グリスアップの前に表面に手を入れてみます。

汚れていたし、市販車では珍しくないけれど鋳型の合わせの筋も残っているので、この際ですから平滑加工をやっちゃいます。

ニードルベアリングにはマスキングで汚れが入らないようにしておいて、電動工具で筋落とし。

このあとは600番の粗さでポリッシャーをかけて、研磨剤の青棒を使ってバフがけし、さらにメタルコンパウンドで仕上げればいいかな……って、あれ?バフ仕上げで鏡面加工につなげていくのは方向性が違いますね。

ロードスポーツと同じようにバフ仕上げは良いものなのですが、そのままではいけません。またすぐにサビます。

今回、パーツはしっかり磨きましたけど、ここは塗膜の強めなシルバーなりの塗料で仕上げて、後日ウレタンクリア等で厚塗りすべきでしょう。ダート走行では泥跳ねにさらされたり、小石も当たりそうな部品ですからね。

そんなこんなで、メンテナンス部品の待ちがある期間にはどうせ組み立てられませんので、外した部品を手磨きすることに。ついでなので、サスペンションのストッパーやシャフト類も含めて工場にユニクロの再めっきに出すことにしました。

サスペンションの受けやイニシャル調整のリングは手磨き。シャフト類やチェーン引きの金具は、やっぱりユニクロめっきで再処理しておこうと決めました。長もちさせるなら応急塗装でごまかしてもダメですよね。

最も厳しい撮影現場の本番では、林道間の移動で川渡りルートとかもあるし、強い保護措置をやっておくなら今!なのです。

スプリングばかりでなく、リンク部分のパーツも当たり前のようにサビています。
ベアリング部にはマスキングして、残っていた鋳型の筋を削りつつ、サビ落としをしました。
シャフトなどを含め、ユニクロメッキに出してしまいました。
手磨きしたパーツたち。輝いています!

レポート&撮影●小見哲彦

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