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メカ好き玄人から「違いがわかる」「性能抜群」と支持されるアッシュオイルだが……
オイルをグレードアップしたり鉱物油を化学合成油に変更したりして、その効果を体感したライダーは少なくないだろう。
くたびれたエンジンに高性能なオイルや、スーパースポーツにハイグレードなオイルを投入すれば、たしかに目も覚めるような効果が実感できるのは、当サイトで何度かお伝えしているとおり。
が、はたしてバイクのエンジンにさほど知見が高くない、平たくいえばオイルの種類やグレードに興味がないようなライダーでも、オイル交換によってそうした効果が体感できるのだろうか。
自分でひと通りのメンテナンスをしてしまうようなメカ好きなら、オイルを交換した途端にエンジンのパフォーマンスや、音、あるいは操作感の違いなどがわかるもの。だが、そこまで敏感でない一般的なユーザー、しかも「オイルになんのこだわりもない」と明言するバイク女子が「オイルの違い」を感じる取ることができるのか、徹底して品質にこだわり、メカ好きや玄人からも「違いがわかる」「性能抜群」と支持されるA.S.H.(アッシュ)オイルで検証してみよう。
アッシュオイルはポリマー不使用で年度が低下しづらく「超長寿命」
今回注入したオイルは、アッシュの部分化学合成油PSE MOTO-SPEC(15W-50)。同社のブレンド技術の高さを示す製品で、鉱物油と石油系エステルオイルを最適なバランスで配合。エンジン内のクリアランスが広い旧車、欧州車との相性がいいとされている。
また、アッシュオイル全体の特長として、ポリマー(増粘剤)を使っていないため使用中に粘度が低下しづらいというアドバンテージを誇る。これは、いうまでもなくオイルの使用寿命を延ばすもので、バイクのオイルは通常3000km走行程度で交換が推奨されるものの、アッシュの場合はその倍、6000km走行でも粘度の低下がみられないという優れモノなのだ。
旧車、欧州車に最適な部分化学合成油PSE MOTO-SPECをホンダ VT250スパーダに注入
さて、今回PSE MOTO-SPECを投入するバイクは、1989年モデルのホンダ VT250スパーダ。90度V型2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載し、ボアストローク=60.0mm×44.1mmというショートストロークから、最高出力40ps/12000rpmを発揮するというパフォーマンスがカタログデータだ。
そして、このバイクを20年近く通学やレジャーに愛用してきたオーナーが、ヤエースガールの動画にも登場してくれたレナちゃん。走行距離は3万5000kmほどで、年式のわりには好コンディションに見受けられた。
「自分ではそれほどマメなメンテナンスというのはしてきませんでした。たまに『オイル交換した方がいいよ』と言われて交換したり、チェーンの調整をしたくらい。それでも、故障らしい故障も一切ないし、感じていないだけかもしれませんが性能が下がったような気もしません」
たしかに、彼女の言う通りアイドリング時にはかすかな異音さえ聞こえない。また、排気ガスにもなんら妙な匂いはしない。「絶好調」とまではいかずとも、穏やかな乗り方が幸いしたか、劣化のようなものは感じられない。
「近所の正丸峠(しょうまるとうげ)を走ったりしますが、ワイルドな走りはできないので(笑)。ただ、エンジンの回り方は軽快で、スロットルレスポンスも良く、そこそこ回してきたかと思います。もちろん、これまでエンジンを壊したりしたことは一度もありません」
「オイル選びも交換作業も父に任せきり」だった彼女が感じた変化とは?
そんな彼女にこれまで使ってきたオイルについて尋ねてみた。
「わかりません(笑)父が用意してくれたものを使っていたので、おそらくメーカー純正品とか、そんな感じかも」
なるほど、まさに「自称メカ音痴」なユーザーといえるバックグラウンドではないだろうか。なお、彼女に先入観を抱かせないよう、今回注入するアッシュオイルの特長や品質などは伝えていない。それでは、早速レナちゃんと一緒に交換作業を進めていく。
「前回のオイル交換ですか? 覚えていませんけど……1年以上は経っているかと思います。オイルの銘柄も、父親任せだったので知りません」
とのことだったが、排出されるオイルの色は真っ黒というわけでなく、わずかながら透明感を保っているように見えた。また、筆者が指でこすってみたところ、多少の粘度も残っていたので、交換後1年を経ていたとしても、走行距離や真夏といった過酷な状況下で酷使された様子はないようだ。
そしてアッシュのPSE MOTO-SPECを、VT250 スパーダの交換時規定量1.9Lを注入。チェック用の窓を覗くと、ちょうど上限に届くほどの量だった。そして、エンジンを始動させると、すぐさまレナちゃんがつぶやいた。
「エンジン始動が早く」「シフトが軽く」自称メカ音痴さんにもわかる変化
「かかるのが早くなってる〜! いつもなら、もう少し(クランキングに)時間かかってた気がします」
彼女が走ってきてから、オイルを抜くまで十分にオイルパンまでオイルを落とす時間をとったので、エンジンはそこそこ冷えている状態だった。それでも、オーナーがすぐさま気づくとは大きな変化ではないだろうか。これまで純正指定オイルを使用していたとすると、粘度は10W-30。アッシュ PSE MOTO-SPECは15W-50なので、粘度は高くなっているはずだが、エンジン始動に伴うスムーズネスが向上したというのは、増粘剤の不使用が奏功しているに違いない。
「それと、アイドリングの音が静かになってませんか? いつもはオイル交換前と後でそれほど音の違いは感じないんだけど……」
首をかしげるレナちゃん。これは、アッシュ PSE MOTO-SPECオイルの潤滑力、ブレンドされたオイルそれぞれの性能によるものにほかならない。とりわけ、3万5000kmを走破したショートストロークエンジン……とくれば、エンジン内のクリアランスも広がっていることが考えられよう。そこに潤滑性能に優れたオイルが注入されるのだから、オイルに無頓着なユーザーにしてもかなり驚く違いが生まれたのではないだろうか。
そして、いくらかオイルが温まったところで、ブリッピングをしてもらった。エンジン音、エキゾストノートにさほど変化は感じられなかったものの、
「レスポンス、確実に良くなってます!」と彼女の口元が緩んでいた。これも、オーナーゆえに感じるポイントだろうが、軽いブリッピングで効果を感じるならば、走り出した時の体感は相当なものになるはず。レナちゃんに試走を頼んでみたところ、
「うわ! シフトレバー、めっちゃ軽くなってる!」ヘルメット越しに喜色あふれる声。もちろん、これも新品オイルの効果に違いないが、注入直後の低温時にもかかわらず、この効果にはオーナーともども驚きは禁じ得ない。
では、短距離ながら試走を終えたレナちゃんにファーストインプレッションを語ってもらおう。
「アイドリングの時に感じていた静かさは走っても変わらず、エンジンが唸るような音がしませんでした。街なかなので、それほど高回転までは回しませんでしたが、やっぱりレスポンスはよくなってました。だいたい5000rpmくらいのレスポンスがすごく良くて、今までより軽くエンジンが回っている印象です」
おおむね、予想通りの反応だが、これはあくまで短時間の印象だ。ある程度の距離を走ったところで、アッシュ PSE MOTO-SPECに関する彼女なりのインプレッションをあらためて確かめてみたい。はたして、30年落ちのVツインエンジンは、オイルでどのように変化してくれるのだろうか。
レポート/写真●石橋 寛 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実
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