ヒストリー

昭和~平成と駆け抜けたCBとライバルたち(4)高出力化への新たな潮流

CBRとレーサーレプリカの時代

V4か? 直4か?

並列4気筒エンジン車が主流となるにつれて、このままでは他のメーカーに対して優位性を保ち続けることは厳しいと判断したホンダは、79年に登場した楕円ピストンのGPマシン、NR500に端を発するV4エンジンに活路を見いだす。82年にはスタンダードモデルとなるセイバー、アメリカンタイプのマグナをはじめVF750F、400ccクラスにはVF400Fを用意するなど怒濤のV4ラインアップを展開。そして86年にはファクトリーマシンRVFのレプリカ版となるVFR750Rを投入し、V4エンジンにおいても不動の地位を確立。

一方でCB-Fシリーズが84年をもって生産を終了。80年代後半にCBの名を冠するモデルはCB125Tのみという時期もあったが、並列4気筒エンジンの血統はCBXシリーズからCBRシリーズへと受け継がれて飛躍的な進化を遂げる。86年にはホンダ初となる水冷・カムギヤトレーン方式の並列4気筒エンジンをアルミフレームに搭載したCBR400R、翌年にはCBX750Fに代わるCBR750と、フラッグシップモデルにして最高速度270km/hと世界最速を誇ったCBR1000Fなど、時代のニーズに合わせて最新技術を盛り込んだモデルが多数登場。多くのファンを魅了した。

 

1987 CBR750

空力に優れるフルカバードカウル

CBR1000Fの750cc版で、カムギヤトレーン式水冷並列4気筒エンジンを搭載。フルカバードカウルを象徴するスーパーエアロが車体に付く。アンチノーズダイブ機構を備えるフロントフォーク「TRAC」のほか、アルミやジュラルミン製パーツを多数採用


 

1987 CBR1000F

新世代を睨んだスーパースポーツ

フルカウルをさらに推進させ、車体を隙間なく覆ったフルカバードカウルを装備する、ホンダの新世代スーパースポーツ。最高出力132馬力を発生する998cc水冷並列4気筒エンジンを搭載し、最高時速は270km/h、0-400m加速は10.5秒の動力性能を誇った


 

1992 CBR900RR

現代的スーパースポーツの原点

「誰もがバイクを操る喜びを味わえるスーパースポーツ」を目指して開発された意欲作。そのため750ccや1000cc超といった排気量や最高出力、倒立フォークといった性能や装備にこだわらず、あくまで操作性を重視。現代的なスーパースポーツの原点となるマシンだ

 

さらなる高みを目指して─ホンダのV4戦略車─

1982 VF750F

V4スポーツモデルの第一弾

角型断面スチールパイプフレームに最高出力72馬力の挟角90度V型4気筒エンジンを搭載。ホイールベース短縮に貢献する上下2分割式ラジエターやフロント16インチホイール、急激なエンジンブレーキを低減するバックトルクリミッターなど新機軸が多数盛り込まれた


 

1986 VFR750F

あらゆる用途で大活躍

アルミツインスパーフレームにアルミスイングアーム、カムギヤトレーンなど、レーサーのRVFからフィードバックされた新技術を多数採用。高いスポーツ性とツアラー要素を備えたモデルとしてヨーロッパで高い評価を得た。日本でも白バイや教習車など多方面で活躍している


 

1987 VFR750R(RC30)

究極のレーサーレプリカ

1988年から始まったスーパーバイク世界選手権に向けて、日本では1000台が限定販売されたホモロゲーションモデル。148万円と当時としては破格値にもかかわらず購入希望者が殺到し、抽選販売となった。レースではフレッド・マーケルが88年、89年と連覇を飾っている

 

RIVAL

1983 KAWASAKI GPz750

ハーフカウルで空力特性を向上

ザッパー系となる738cc空冷並列4気筒エンジンを搭載。Z750FX-IIIをベースに開発されたプロトタイプ「750ターボ」のイメージを踏襲するハーフカウルを装備。フロントはデュアルアンチノーズダイブフォーク、リヤには新型ユニトラックサスを装備する


 

1984 KAWASAKI GPZ900R

言わずと知れた名車、初代Ninja

映画「トップガン」に登場したことで人気に火がつき爆発的ヒットとなった、Ninjaシリーズの元祖。908cc水冷並列4気筒エンジンは、サイドカムチェーン式によって小型化とともにストレート吸気ポートを実現し最高出力115馬力を発生。最高速度は250km/hを達成している


 

1985 SUZUKI GSX-R750

スズキ独自の油冷エンジン搭載

ゼロから新開発されたオイルを冷却に活用する油冷エンジンとアルミフレームなどで、一般的なナナハンよりもおよそ20kgも軽い乾燥重量179kgを実現。発売された年のル・マン24時間耐久レースにヨシムラと組んで参戦してワンツーフィニッシュを決め、実力を証明した


 

1987 YAMAHA FZR750

5バルブエンジン搭載のレプリカ

TT-F1ファクトリーレーサーのFZR750と同名のレプリカ。輸出専用車FZR1000の車体に、FZ750をベースとした749cc水冷DOHC5バルブ並列4気筒エンジンを搭載した国内仕様。フレームはアルミデルタボックスで、車重はFZ750より15kg軽い203kgに仕上がった


 

1989 KAWASAKI ZXR750

レース活動復帰マシンのレプリカ

レース活動に復帰したカワサキが全日本TT-F1などに投入したレーサーZXR-7のレプリカ。GPX750Rをベースに新開発したエンジンをアルミツインスパーフレーム「e-BOX」に搭載。タンクに設置したシリンダーヘッドに走行風を送るためのダクトも特徴だ

 

シリーズ:昭和~平成と駆け抜けたホンダCBとライバルたち

(1)ホンダCB750登場前夜
(2)大型4気筒の時代到来
(3)スーパースポーツの先駆け
(4)高出力化への新たな潮流
(5)ビッグネイキッドの幕開け
(6)リッターオーバー時代へ

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モーサイ編集部

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