CB1300SFとライバルの拡大
唯一無二のビッグネイキッド
ブームにより各社からネイキッドモデルが続々と登場。それが一巡すると、今度は他車との差別化が必要になる。90年代中盤には1100や1200といった数字を掲げたライバル車がズラリと並ぶようになり、CB1000SFは販売面でも劣勢を強いられるようになる。
98年に登場したCB1300SFは、前年に登場したドラッグスタイル車、X4と同系のエンジンを採用したクラス最大排気量車として登場。エンジンには空冷風のフィンが付けられて乗り味も重厚になるが、車両重量はCB1000SFの260kgから273kgへと増加し、さすがに重さを指摘する声が目立ってきた。
とりわけXJR1300やZRX1200といったライバル車が軽快性やスポーツ性を高めて好評を博したこともあり、03年にモデルチェンジを受けた2代目1300は、排気量や存在感はそのままに21kgの大幅軽量化を果たす。
05年にはハーフカウルを採用して快適性を高めたCB1300SB(スーパーボルドール)が追加され人気を集める。その後排ガス規制の強化や需要の低迷などでライバル車が次々と姿を消していく中、今日まで改良が加えられ、ネイキッドという枠を超えて日本を代表するスタンダードモデルへと成長した。
プロジェクトBIG-1第2弾。1284cc水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジンをモノバックボーン式ダブルクレードルフレームに搭載。ダブルプロリンク式リヤサスで低~高荷重時の路面追従性に優れる
IMPRESSION
エンジン特性は意外とスムーズ
数値的には前モデルより全長が少し短くなっているようだが、実車はやっぱりそそり立つようにデカい。全体的にはBIG-1イメージを継承している。エンジン特性はX4よりもスムーズで、普通に開けたらビッグバイクらしい平均的なトルクでスッと発進していく。言うなればトルク変動が大きすぎるX4と、低速トルクが少々不足というCB1000SFとのちょうど中間に位置するフィーリングだ。ハンドリングも車重を忘れるほど軽快で、狙ったラインにスパッと乗れてその後はニュートラルな旋回性とほどよい安定感でコーナリングを楽しめる。(モーターサイクリスト98年4月号)
RIVAL
スタイルはそのままだがエンジンとフレームは新設計で、メッキシリンダーや新形状ピストンなどを採用するとともに排気量を1164ccに拡大。前後サスペンションも大幅に改良され走行性能を高めている
IMPRESSION
スタイルはそのままに大幅進化
ZRXには先代から引き継がれる絶妙な軽快さが備わっている。加速時おもむろにアクセルを開けると大げさなピッチングモーションを起こすが、それ自体が楽しめる要素のひとつでマシンは暴れてもライダーの不安につながらない。低回転域のトルク不足が気になった先代モデルに対し、1200は幅広いパワーバンド特性を獲得したため、同じように振り回して走ってもそのレベルは確実に一段上がった感じだ。コーナーからフル加速で立ち上がるときは調教可能な楽しき暴れ馬を乗りこなすようで、うまく操作できたときは非常に痛快だ。(モーターサイクリスト01年8月号)
扱いやすい特性の車格とエンジン
エンジンはGSF1200同様の1156cc油冷並列4気筒だが、2本ショックのリヤサスペンションの採用などでジャパニーズスタイルとしたビッグネイキッド。ダブルクレードルフレームはイナズマ400と共通ながら肉厚化され、コンパクトな車格ながら扱いやすさも追求
正常進化を遂げたビッグネイキッド
XJR1200のエンジンをボアアップしつつ、メッキシリンダーと鍛造ピストンを採用した1250cc空冷4ストロークDOHC並列4気筒エンジンで最高出力は100馬力に到達。オーリンズ製リヤショックとブレンボ製ブレーキキャリパーも継承され、正常進化を果たしている
軽快に走れるスポーツネイキッド
GSF1200/Sの後継車。ダブルクレードルフレームを直線基調のデザインに変更。ホイールベースはさらに5mm短縮された1430mmとし、軽快なハンドリングを熟成させた。油冷エンジンは点火タイミングなどの変更でトルク特性を変更し、扱いやすさも向上させている
最後にして最大の油冷エンジン車
バンディット1200用エンジンをベースに排気量を1401ccまで拡大するも車重228kgと比較的軽量。一軸二次バランサーにより振動を低減し、クラス初の6速ミッションと合わせてスポーティな走りと巡航時の快適性を両立。排ガス規制強化に伴い08年型をもって終了した
20年を経て復活した新世代の水冷Z
"Z"の名を復活させたネイキッドで、ニンジャZX-9Rをベースとしてエンジンやフレームを変更。スーパースポーツの過激な走行特性は継承され、当時欧州で盛り上がりを見せたストリートファイターブームの一端を担った。その走りを体現したようなシャープでスパルタンな外観も特徴だ
乗りやすさをさらに高めたCB
フルモデルチェンジを受けたプロジェクトBIG-1の第3弾。放熱フィンが廃止されたエンジンはFI化され、レスポンスのいい吹け上がりとスムーズな出力特性を獲得した。フレームや前後サスペンションも全面的に改良した結果、約20kgの軽量化を達成している
(1)ホンダCB750登場前夜
(2)大型4気筒の時代到来
(3)スーパースポーツの先駆け
(4)高出力化への新たな潮流
(5)ビッグネイキッドの幕開け
(6)リッターオーバー時代へ