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ハーレーの新たな成長戦略の目玉は【空冷Vツイン・スポーツスター!?】 登場は2027、2028年?

原点回帰も意識したハーレーダビッドソンの成長戦略

ハーレーダビッドソン ジャパンは2026年5月7日、アメリカ本国の同社が、業績伸長と収益性の高い成長を目的とした新たな成長戦略「Back to the Bricks(バック・トゥ・ザ・ブリックス)」を打ち出したことを発表した。

これは「ブランドの原点回帰と成長への決意」でもあり、同社の社長兼CEOであるアーティー・スターズ氏は、本戦略の発表に際し、123年以上にわたりモーターサイクル業界を定義してきたブランドの歴史を強調した。同氏は「Back to the Bricks」について、「ブランドの中核的強みと競争優位を基盤とし、ライダーの情熱を原動力として、ディーラーや株主を含むすべてのステークホルダーに価値を提供するものである」と、述べている。

アメリカ本国のサイトで発表された、ハーレーダビッドソンの発展と再生を目指した戦略的プラン

その戦略を支える「5つの柱」として以下を掲げている。
●レガシーの再認識:アイコニックなブランド力、多様な収益チャネル、そして業界屈指のディーラーネットワークを成長の基盤として改めて位置づける。
●ディーラーネットワークへの再コミット:ディーラーを重要な競争優位と捉え、2026年にその収益性を倍増させ、2029年までにはさらに倍増させる計画である。
●既存領域でのシェア伸長:新車・中古車、パーツ&アクセサリー、アパレル&ライセンシングといった既存市場において、顧客との深い結びつきを武器に販売増加を目指す。
●財務体質の強化:すでに着手しているコスト削減や組織再編を通じ、フリーキャッシュフローおよびEBITDA(※)マージンの向上を図る。
●経営体制の刷新:新しい視点と組織経験をバランスよく取り入れたリーダーシップ体制を整備し、組織を強化する。

※日本語で「利払い前、税引き前、減価償却前利益」。企業の収益力やキャッシュフローを測るための重要な指標だと言われている。

これだけを読むと、多くのバイクファンにとっては、興味の薄いビジネス分野の話になってしまうが、前述した戦略の具体的な事項に興味深い部分があった。「空冷スポーツスターの復活」である。

空冷スポーツスターの復活と新たなエントリーモデルの投入

製品展開における大きなトピックとして、かつての人気モデルである「空冷スポーツスター」シリーズの復活が予告されたのだ。

「スポーツスターの帰還」と題された項目には、「自己表現のための究極のキャンバス」というサブタイトルが付され、「スポーツスターはハーレーダビッドソンの戦略のあらゆる側面に貢献します」と続けられている。

本国サイト上で紹介された「スポーツスターの帰還」

マシンの具体的なスペックなどは、まったく詳解がないが、復活とも言えるモデルのアウトラインに期待が持てる。

●価格:手の届きやすい価格帯(1万ドル)
●カスタマイズ:高いカスタマイズ性を備えているもの
●車両クラス:ミドルウェイト
●エンジン:空冷エンジンを搭載

空冷Vツインは883ccの排気量で復活か?
1957年デビューのXLスポーツスターは、運動性能を本気で追求したスーパースポーツだった。当初の排気量は883ccのみで、基本設計を共有する大排気量版の1000ccが加わったのは1971年から

■スポーツスターの名称でハーレーが投入した初の本格スポーツモデルは、883cc(55キュービックインチ)OHVのアイアンスポーツエンジンを搭載したXLスポーツスター(1957)。しかし、その前段で1952年に登場した「モデルK」がスポーツスターの原型と言え、エンジンは750ccサイドバルブVツインを搭載していた。だが50年代当時、英国トライアンフツインに性能面で対抗するにはこれでは不利とされ、モデルKの排気量を883ccに上げた「モデルKH」を54 年に投入。ここからハーレーの排気量883cc(パパサン)Vツインは長く継承された。

1980年代後半からスポーツスターには低車高仕様が存在したが、近年のローダウンスタイルの基盤を作ったのは、2008年型XL1200Nナイトスターと2009年型XL883アイアンか。各部のブラックアウト化やショートタイプのリヤフェンダーの採用は、登場時はかなり斬新だった(写真は2021年型)
2011年から登場のフォーティエイトは、従来の定番だった19インチに替え、シリーズ初の16インチの前輪を採用して人気を得た。バックミラーはハンドル下に装着(写真は2021年型)

このモデルが、「P&A(パーツ&アクセサリー)およびA&L(アパレル&ライセンス商品)の売上を促進」するほか、「高い残存価値を持ち、ライダーが上位モデルへアップグレードする際の中古エコシステムにおいて活性化に寄与します」としている。

予告された「復活版・空冷スポーツスター」の1万ドルという価格は、現在の為替相場だと日本円で約156万円。そして、空冷エンジンのミドルウェイトモデルと言えば、オーバー1Lではなく、排気量にちなみ「パパサン」の愛称が日本では浸透している883ccのVツインエンジンを想像させる。

無論のこと、現代的な環境対応はなされた上での投入となるのに間違いはないが、空冷独自のフィンを含めたクラシカルな造形、手頃な価格と伝統のフォルムに期待を抱く層も少なからずいることだろう。今後徐々に明らかにされるはずの続報に期待しよう。


本国サイト上で紹介され「ハーレーへの入口」と題されたスプリント

また、同時に発表されたのは、ハーレーダビッドソンのブランドへのエントリーモデル「スプリント」の登場予告だ。これもスポーツスターと同様2027~2028年の間に投入される可能性の高いモデルだが、「ブランドへの入口」というサブタイトルとともに、予告されたのは以下の項目だ。

●手の届きやすい価格帯(1万ドル未満)
●カスタマイズ可能な仕様
●車両クラス:軽量かつ小排気量スケール
●エンジン:油冷エンジンと搭載

ブランドへの入口と、ライディングの喜びを提供し、将来のライダーを育成するモデルとアピールされる「スプリント」は、すでにインド市場などで展開されているハーレーブランドの油冷単気筒エンジン搭載車「X440」の派生モデルと予想できる。

インドで生産される油冷単気筒のハーレーブランドモデル「X440」。スプリントはこれをベースにノスタルジックなクルーザーフォルムに仕立てられるのか?

日本では中国生産で並列2気筒エンジンを搭載したX350が販売されているが、新たなスプリントはそれよりもリーズナブルな価格を打ち出して投入されるのか? 2台のモデルの今後に注目したい。

まとめ●モーサイ編集部  写真●ハーレーダビッドソン

CONTACT

ハーレーダビッドソンジャパン
https://www.harley-davidson-japan.jp

米国ハーレーダビッドソン公式WEBサイト
https://s201.q4cdn.com/697889289/files/doc_financials/2026/q1/HOG-Back-to-the-Bricks-Strategy-Presentation.pdf

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