「レインウエアを洗濯機で洗う」と聞くと、えっ! そんなことができるの? と思う人は多いかもしれない。
もちろん洗濯機では洗えないレインウエアもあるが、じつは洗濯機で洗うことが可能なものも多いのだ。
では、洗濯機で洗えるレインウエアはどんな方法で手入れをすれば良いのか? 今回はその方法を、ちょっとした裏ワザ的ノウハウと合わせて紹介していこう。
※本記事はMotorcyclist2017年7月号に掲載されていたものを再編集しています。
洗濯機を使って簡単はっ水処理
レインウエアのはっ水処理ではスプレーを用いるのが一般的だが、ウエア全体にまんべんなく塗布するにはコツがいる。
その点「ニクワックス」は、はっ水剤を溶かした水にウエアを漬け込んで繊維1本1本をはっ水コーティングするので、簡単かつ確実にはっ水効果が得られる。
今回はこのはっ水剤「TX.ダイレクトWASH-IN」と、前処理となるクリーニング用洗剤の「テックウォッシュ」を使って、1年以上メンテナンスしてこなかったゴアテックス製レインウエアをはっ水処理してみた。

NIKWAX TX.ダイレクトWASH-IN&テックウォッシュ
ニクワックスTX.ダイレクトWASH-IN(写真右、300㎖・1836円)は、レインウエアだけでなく化学繊維の中綿入りウエアにも使えるはっ水剤。
クリーニング用洗剤のテックウォッシュ(写真左、300㎖・1296円)とともに使用する。
両方が入ったツインパック(2700円)や1ℓタイプのほか、ダウンやコットン、フリース用のはっ水剤もラインアップする
問エバニュー TEL:03-3649-3135 http://www.evernew.co.jp
まずは洗濯表示を確認
洗濯とはっ水処理の方法は洗濯表示のタグを見て判断。
右のように洗濯機可の表示があれば洗濯機、左のような手洗い表示なら手洗いで行う。
なお、水洗い不可のウエア、PUコート生地やネオプレンなど生地自体が水を通さない完全防水素材はニクワックスでは処理できない。
1.クリーニング
まずはウエアの汚れを落とす。
[左上]ファスナーやアジャスター部の面ファスナーをすべて閉じる。
[右上]一般の洗剤が残っていないことを確認し、ウエアの枚数(ジャケット、パンツはそれぞれを1着とする)に応じた水量と洗剤量を選ぶ。
[左下]洗浄・すすぎ(脱水は行わない)を1工程分設定し洗濯開始。
[右下]洗濯が終わったら洗剤が残っていないことを確認。はっ水処理する場合はこのまま続ける。

●ニクワックスは手洗いでも処理可能。やり方は同社のウェブサイトで確認できる
汚れのひどい場所は洗剤を直接掛ける
エリや袖口など、汚れがひどい部分には洗剤を直接塗っておくと効果的。
長期間メンテしていなかったにも拘らず、かなりの汚れが落とせた
2.はっ水処理
はっ水処理の行程もクリーニングとほぼ同じ。
[左上]ファスナーやアジャスターが閉じていることを確認。
[右上]洗浄・すすぎ(脱水は行わない)を1工程分セットし、水の量を35ℓほどに設定してスタート。水が溜まったら一時停止、はっ水剤をよく振る。
[左下]はっ水剤を300㎖入れて再スタート。
[右下]洗濯が終わったら取り出し、余分なはっ水剤が残っていないかを確認して乾燥させる。

●洗濯表示に従って乾燥させるが、自然乾燥の場合は陰干しする。乾燥機可であれば使ってもかまわない
はっ水性がしっかり回復!
はっ水処理前
はっ水処理後
はっ水処理前と処理後の写真は見ての通りだ。
処理前の生地は水をかけるといったん水玉になるものの次第に広がり、水の膜になってしまったが、処理後は水玉のままだった。
なお、ゴアテックス以外の防水透湿レインウエアも同様の処理が可能。