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100台のメグロが栃木県に大集合!! 「第2回メグロ・キャノンボール那須烏山」2022年11月6日に開催

栃木県那須烏山はジュニアシリーズやスタミナシリーズを産んだ「メグロ」の故郷

目黒製作所はかつて存在した老舗モーターサイクルメーカーのひとつです。1924年(大正13年)、村田延治・鈴木高治の両名により創業されると、モーター商会の三輪トラックMSA号に搭載された2段ミッションをはじめ、車両メーカーに供給する変速機の製造で礎を築きました。創業から4年後の1928年(昭和3年)には、三輪車用の変速機を初めて国産化しています。

1937年になると、空冷500㏄単気筒・メグロZ97(この車名「メグロ」は、創業地である目黒の不動前駅付近に由来、末尾の97は1937年=皇紀2597年だったことに由来)を皮切りに完成車の生産を開始。そこから戦前日本を代表する大型二輪車メーカーとして成長していきます。

その後、太平洋戦争末期の1944年(昭和19年)には、都市部への空襲から逃れるため、東京都の大崎町から栃木県の烏山市に工場を疎開することになりました。この土地が選ばれた理由は、創業者のひとりであり初代社長の村田延治が、栃木県足利群富田村(現在の栃木県足利市富田駅付近)の出身であったからだとも言われています。

1937年に発売された目黒製作所初の市販バイク「メグロ Z97」。エンジンは500ccの空冷
ストロークOHV単気筒。
目黒製作所烏山工場全景。工場は斜面を切り開いた地にあり、右端に見える通路は現在でも残る工場への出入り口です。奥に那珂川、左後方に烏山旧市街が見えています(撮影年代不明)。
目黒製作所烏山工場内、加工棟の作業風景。当時メグロの工場は憧れの職場だったと伝えられています。

さらに第二次世界大戦が激化すると、目黒製作所はモーターサイクル製造事業を中断。他の多くのモビリティメーカーと同様に、軍用航空機などの部品を製作していました。

戦争が終結し、国内で自動車関連の生産が再開されると、目黒製作所烏山工場では主に「メグロ」ブランドの変速機を製造。モーターサイクル市場の拡大に伴い、戦前に製造していた500ccモデルの再生産も開始しました。

目黒の本社工場が東京大空襲で全焼していたにも関わらず、戦後すぐに生産を再開し、会社を再び軌道に乗せることができたのは、那須烏山の工場の存在があったからといえるでしょう。

この時代、国内のモーターサイクル市場は拡大の一途をたどり、常に増産の流れが止まらない盛隆期を迎えていました。なかでも1950年(昭和25年)には250ccのジュニア号が発売と同時に大ヒットして、その年だけでも目黒製作所の総出荷数が2.6倍に増えたといいます。

1958年(昭和33年)頃までは業績の拡大が続き、この時期に、那須烏山は「メグロの城下町」として活況を呈しました。当時実に市民の1/3が目黒製作所に関わっていたとされています。

那須烏山は、まさにメグロの聖地・故郷と言えるのです。

250ccの空冷4サイクルOHV単気筒を搭載した「ジュニア」シリーズの1台「ジュニアS2」(1954年登場)。
メグロ製の「白バイ」もありました。1960年代に「元祖白バイ」の陸王が生産中止となったタイミングで登場したのが、空冷500㏄並列2気筒エンジンを搭載するスタミナK。これを白バイ仕様に特装したのがスタミナKP(Pはポリスの意)で、1964年東京オリンピックの聖火リレーでは先導車としても活躍しました。
1964年東京オリンピックの聖火リレーでランナーを先導するメグロ スタミナKP。

「第2回メグロ・キャノンボール那須烏山」開催決定!!

そんな栃木県那須烏山市で2022年11月6日(日)、新旧「メグロ」約100台が集結予定のイベント「第2回メグロ・キャノンボール那須烏山」が開催されます。

昨年2021年に続き2回目の開催となるこのイベントでは、参加メグロ車による那須烏山市周遊パレードランや1949年に烏山工場で製造された「幻のメグロZ号」のお披露目、地元ジャズグループの生演奏など、様々な催しが予定されています。

昨2021年の「第1回メグロ・キャノンボール那須烏山」には約80台のメグロ車が参加

昨年2021年開催の第1回では、午前11時のセレモニー開始に合わせて80台を超えるメグロ車と一般参加者のバイク200台以上が会場に並び、見学者も含めると1000人以上が来場しました。

特にメグロ車での参加者は遠方からもはるばる来場し、岡山県、高知県、新潟県、秋田県などからの参加者もあり、まさに全国津々浦々のメグロが大集合。日本に数台のみ現存しているという戦前型のモデルこそ揃わなかったものの、戦後メグロの主要モデルがほぼ勢揃いするという結果になりました。

これには、ベテランのメグロマニアからも「これほどの台数が眼前に広がる光景は人生初の経験だ!」という感激の声が聞かれ、昔を知る年配の参加者からは「今の世にこんなにメグロが残っているのか!」「昔を思い出し感激した……涙が出た」といった声も上がり、中には実車の部品を指さし「この部品は俺が工場で磨いていたものだ……」といった貴重な生の証言も飛び出したといいます。

2022年の盛り上がりも期待できそうですね。

昨2021年に行われた「第1回メグロ・キャノンボール那須烏山」の様子。
昨2021年に行われた「第1回メグロ・キャノンボール那須烏山」の様子。
昨2021年に行われた「第1回メグロ・キャノンボール那須烏山」の様子。
昨2021年に行われた「第1回メグロ・キャノンボール那須烏山」の様子。

「第2回メグロ・キャノンボール那須烏山」イベント概要

【開催日時】2022年11月6日(日)
      10時〜(パレード出走10時45分)
【開催場所】山あげ会館(栃木県那須烏山市金井2丁目5−26)
【参加費】バイク参加1500円、徒歩参加無料
【参加方法】WEBサイトまたはFAXによる事前参加予約を推奨
【主催】那須烏山市、那須烏山商工会、那須烏山市観光協会
【四輪駐車場】会場から徒歩5分程度のところに設けられる臨時駐車場を利用

【イベント内容】
●参加者車両展示
●新旧メグロ100台と共に、那須烏山市周遊パレード
●1949年烏山で製造された、幻のメグロZ号お披露目&レストア宣言
●「幻のメグロZ号」レストア担当メカニック×カワサキ社員のレストア対談
●ジャズ生演奏
●オリジナルコーヒー「メグロ・ブレンド」の試飲コーナー など

イベント会場となる山あげ会館には、2022年現在メグロの商標を持つカワサキモータースから寄贈された「メグロ看板」も。2022年5月から常設されています。

まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●上屋 博/那須烏山市観光協会/沖縄県公文書館「写真が語る沖縄」/八重洲出版

お問い合わせ

電話:0287−84−1977(那須烏山市観光協会内・実行委員会)

「第2回メグロ・キャノンボール那須烏山」公式ウェブサイト

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