上級モデルに負けない迫力あるスタイリングや倒立式フロントフォークを新採用し、よりレーシーになった最新型「YZF-R25」。前半に引き続き、開発陣の方々にモデルチェンジにあたってのこだわりを聞いた。
report●林 康平 photo●船生 光/ヤマハ
細かな積み上げで質と実力を向上

前半に引き続き、インタビュー回答者はヤマハ発動機株式会社プランニングデザイン部プランニング1グループの木下保宏さん(左)、SP開発部SP設計グループの内田徹也さん(中央)、商品戦略部商品企画1グループの秋田峻佑さん(右)の3名。(以下敬称略)
――ここまでフロントカウルのデザインや倒立フォーク、タンク形状などについてお話しいただきましたが、他にこだわった箇所は?
内田:フル液晶メーターですね。コスト上、かなり苦労したんですけど、なんとか装備させることができました。
このメーターでこだわっているのは、デジタルタコメーターのセグメント数。他のバイクだとブロックひとつで250~500回転くらいに設定されているのですが、R25のものはより細かく分割していて……(キーオンでエンジン始動)
――すごい! 回転数に合わせてギュルギュルなめらかに動いてますね!
内田:バイクって、人がまたがって動かして風を感じるような乗り物だし、やはりアナログな感覚を大事にしたいという思いがあり、このようにしました。
電装関係の担当者はYZF-R1やR6も担当しており、さすがにR1のTFT液晶メーターみたいにはきれいに動かせないけど、それでもなんとかしたいということで力を入れて、このクラスを超えたクオリティのメーターが実現しました。

――細かいところまで思いを込めて作られているのですね。……新型R25のエンジンとフレームは基本的には従来型と同じとのことですが、他社製フルカウル250㏄スポーツでは新設計のエンジンやフレームを採用しているものもあります。その中であえてそのようにしたのはなぜですか?
秋田:他社製のそういったバイクの価格は70万~80万円コースですが、我々はもともと、エントリーのお客様、特に若いお客様を大事にしたいというところがあって、価格は重視したかったのです。
若いお客様の中には、バイクのほかにも趣味があって、バイクにそんなにお金を払えないという方もいらっしゃるでしょうから。
とはいえ、スポーティさであったりとかは狙っていきたいですし、従来型から進化させたかったので、価格とフィーチャーのバランスで苦労しましたね。

――250㏄クラスのレースベース車として改良された部分などはありますか?
木下:先代のモデルはレーサーに仕立て上げる時にエアクリーナーに空気を送るダクトを作るのが大変だったのですが、今回はフロントに「M字ダクト」が最初からあるので、レースをやっている方からも「よくやった!」という声をかけていただけました(笑)
――なるほど。それでは最後に、ターゲットのひとつであるエントリーユーザーの方にひとことお願いします。
秋田:街乗り中心で乗っていただく場合でも楽しさを感じられる部分を持ったモデルですが、よければワインディングなどでコーナリングの楽しみも感じていただいて、その楽しさを覚えてもらいたいです!
――ご回答、ありがとうございました!
YAMAHA YZF-R25/ABS
ディープパープリッシュブルーメタリックC
マットブラック2
マットディープレッドメタリック3
■Specifications
[ ]内はABS
【エンジン・性能】
種類:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:60.0×44.1㎜ 総排気量:249㎤ 最高出力:26kW<35ps>/12000rpm 最大トルク:23Nm<2.3㎏m>/10000rpm 燃料タンク容量:14ℓ 変速機:6段リターン
【寸法・重量】
全長:2090 全幅:730 全高:1140 ホイールベース:1380 シート高:780(各㎜) 車両重量:167[170]㎏ タイヤサイズ:F110/70-17 R140/70-17
【カラー】
つや消し黒、つや消し赤、青
【価格】
59万9400円/64万2600円
【発売日】
2019年3月28日
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