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KTM 新型RC390総評

フルモデルチェンジした新型RC390は、ハンドリング、シャシースペック、電子制御において、このクラスの新たなベンチマークといえる存在となっていた。「43.5馬力しかない」が、そのすべてを完璧に使いこなせるパッケージングなのだ。
街中では軽快に走り、サーキットでは正確で満足のいく走りを見せる。
そのうえ、このクラスでは印象的な快適性と航続距離も備えている。燃料タンク容量を10Lから13.7Lに拡大したことで、理論上の航続距離は250マイル(約400km)となった。実走時の燃費は、一日中走り回って27km/Lだった。公称値の29km/Lをわずかに下回る数値だが、もう少し常識的な走りをすれば、28km/L以上は余裕で達成できるだろう。
「いくら満タンで250マイル(約400km)走れるからって、390ccのスポーツバイクでそんな辛いこと……」という人もいるかもしれないが、驚くほど快適性は高い。前席、後席ともシートは十分な大きさがあり、車体も適度な大きさで、このカテゴリーのいくつかのバイクのように、オモチャじみていないからだ。
機能・デザインともMotoGPマシンにインスパイアされた外観、WP製のサスペンション、LEDライトなども魅力的だ。そのうえ、レースに出たいときは簡単に換装もできる。
唯一のマイナス点は価格だろう。まだ確定していないが、装備内容を考えれば従来型より高価になる可能性が高い。また、個人的にはクイックシフターは標準装備としてほしかった。
それら以外に不満はなく、この小さな宝石とも言えるマシンを手に入れることができる2022年が待ち遠しい。

新型RC390のレース参戦がありそうな予感
以下は余談となるが……KTMはRC390もやはり「ready to race」なマシンであると主張している。
新型RC390のレース計画については明らかにされなかったが、昨今ホットなカテゴリーとなっているスーパーバイク世界選手権の「スーパースポーツ300」への参戦や、マシンの提供を行っても不思議ではない。
新型RC390のイタリアでの発表の際、KTMはレーシングプロトタイプをテストしていた。完全にレース用とした車体、アクラポビッチ製のレース用エグゾースト、ピレリ製のスリックタイヤ、強化されたサスペンションやブレーキ、そして電子制御機構は無しというものだ。
あくまでテスト車ということだったが、これはKTMがいつかはレースに参戦する、あるいは少なくともレース用のパーツを提供する意思があるということではないか。
幸運なことに、そのテスト車でコースを何周か走る機会を得たのだが、驚くほど素早くステアリングを切ることができ、驚くほど素早くブレーキを解除でき、コーナリングスピードの高さが圧倒的だった。
KTMはエンジンのパワーは上げていないと主張していたが、明らかにパワフルで、いくつかのコーナーではスタンダードよりも1つ上のギヤを使うことができた。
その仕上がりを考えると、2022年早々にKTMから何らかの正式発表があることを期待したい。
レポート●アダム・チャイルド 写真●KTM(ルカ・ピフェレッティ、エロス・ジロッティ、マルコ・カンペリ、セバス、ロメロ) まとめ●上野茂岐
KTM 新型RC390主要諸元(欧州仕様・2022年モデル)
[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクル単気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:89mm×60mm 総排気量:373cc 最高出力:32kW<43.5ps>/9000rpm 最大トルク:37Nm<3.8kgm>/7000rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:── 全幅:── 全高:── ホイールベース:1343 シート高:824(各mm) タイヤサイズ:F110/70R17 R150/60R17 車両重量:164kg(乾燥155kg) 燃料タンク容量:13.7L
[車体色]
オレンジ、ブルー
[価格 ]
未定




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