▲右が博之さんのZ2。 タンク・シートは南海ドルフィン製。 ヨシムラ860ccキットの工ンジンにBEETの集合管が付く。 セパハンはスミダ(SPA)、 サイドカバーは舶来のビス留めだ。 フロントディスクはイタリア製デルタフレーエ。セミアップハンドルにイノウエ製ビキニカウルでキメた和也さんの73’年式はヘンリー阿部(のちの阿部商会、デイトナ) のセブンスターキャストが光る。マフラーはJMC(城東カワサキ)製。
カフェレーサーとは何か?もうそんな議論をするつもりはない。カウルがあるかないか、ハンドルがパイプかクリップオンか、塗装がラメかソリッドかということ以前に、「カッコよければそれでいい」のだ。そうは言っても世のなかには「ううーん。『カフェ』と「トラッカー』と『ポバー」と『旧車會』の違いがイマイチわからないっ!」とがきデカか小俣雅子のごとくにお嘆きの貴兄もいるだろう。そこで本サイトは風防たなびかせて東奔西走、とびきりのカフェレーサーを選び抜き、ここにお手本として”展示”する。いずれ劣らぬ美神ばかりのはずだ。
IRIE.H Z2 & IRIE.K Z2
ふたりでタイムスリップ
復刻部品、レプリカを使わずに2台のZ2(750RS)を仕上げた入江さん。親子で楽しむ珠玉の2台である。
<贅沢な楽しみ方>
1972年に発売されたカワサキZ1(900スーパーフォア)の国内専用モデルであるZ2(750RS)。自主規制で排気量は746ccに甘んじたものの、ホンダCBとともにナナハンの代名詞となり、75’年頃のカフェブームを担った。だが80’年前後になると中古Z2の人気は急落。本家Z1が里帰りしだし、高性能な中型モデルも続々登場。古くさくパワーのないZ2は解体屋に積み上げられた。ただし、バイクから社外パーツを外し、後生大事に保管する者もいた。そのパーツが今また、別のZ1/Z2で甦っている。
今、Z2はZ1より高価である。なぜ我々はまたZ2に回帰したのか。あの時代に走りまわっていたカワサキのナナハン、粋がって改造したカフェレーサーの面影を追い求めているのである。
その思いが募った入江博之さんは2台のZ2を仕上げた。白/オレンジの74’年式は自身のもの。ビキニカウルの73’年式は息子の和也さんの愛車で、ツーリング仕様だ。Z2に当時パーツをふんだんに使い、2タイプのカフェを作る。これだけでも贅沢な話だが、他にも入江さんは70’sプレスライダー仕様のZ2も隠し持っているのだ。
本文:甲賀精英樹
写真:佐藤正巳
※本記事は八重洲出版発行のムック「THE JAPANESE CAFERACERS」(ネット書店、全国書店で絶賛発売中!)の記事を転用しています。
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