▲キャスト、 バックステップはBEET製。 リヤサスはコニ、 コミネSシート風のシングルシー卜はワンオフ品。キャブはヨシムラミクニVM29スムーズポアだ。 ヘッドライトはシピエCマーク凸型。
KAWASAKI・Z2
ロードリングで航海に出る
カフェレーサーとは何か?もうそんな議論をするつもりはない。カウルがあるかないか、ハンドルがパイプかクリップオンか、塗装がラメかソリッドかということ以前に、「カッコよければそれでいい」のだ。そうは言っても世のなかには「ううーん。『カフェ』と「トラッカー』と『ポバー」と『旧車會』の違いがイマイチわからないっ!」とがきデカか小俣雅子のごとくにお嘆きの貴兄もいるだろう。そこで本項は風防たなびかせて東奔西走、とびきりのカフェレーサーを選び抜き、ここにお手本として”展示”する。いずれ劣らぬ美神ばかりのはずだ。
(本文:甲賀精英樹/写真:佐藤正巳)
■1960年代テイストが光る
もとはと言えば国内で発展したカフェレーサーとは、発売から数年を経てやや型遅れとなったマシンのリファインが目的であった。カワサキZ1、Z2は1970年代カフェのベース車として格好の素材だったのだ。そのためのドレスアップパーツ、すなわち”用品”も豊富に存在。タンク/シート、カウリング、バックステップ、キャストホイールとすべてが換装できた。おそらく一般ユーザーがバイク丸ごとをカスタムできるようになったのはZ1/Z2が初めてだろう。
だから70’年代カフェを真剣に作りたければ、70’年代の用品を集めなければならない。この74’年式カワサキ750RS(Z2)はそうした情熱で作られている。BEETのキャストホイールとバックステップも当時物。スチール製のコインホルダーまで備わる。
マシンを印象付けているのが、コミネ製のビキニカウル、ロードリングだ。
70’年代のビキニカウルといえばコミネのロードペガサス、ロードユニコン、ロードイカルスなどロードシリースが知られるが、その実質的なファーストモデルがこのロードリングである。
なるほど、半球形のクリアライトカバーやまわり込んだスクリーンと太目のリベットなどが60’年代のテイストを残している。これそ妙味なのだ。
「いろいろ作りましたが、これはツーリング仕様のカフェなんです」と、同車のオーナーさんは微笑むのだ。

当時物のコロナツーリングバッグは適度なヤレがあって好ましい。コインホルダーもまたスチール製の’70年代品。 お決まりのキーホールカバーも付く。

キジマのイ一グルカパーはもちろん当時物。 カフェの師匠と仰ぐ高谷さんから譲り受けたスペシャルで塗装が施されている。

オーナーさんは’70年代ヘルメットも集めている。 左ふたつは’74年頃のショウエイ製デニックス。 帽体にデニム生地が張り込まれたもの。オレンジはカフェ愛好家に人気のマルシン武将。
※本記事は八重洲出版発行のムック「THE JAPANESE CAFERACERS」(ネット書店、全国書店で絶賛発売中!)の記事を転用しています。
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