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徹底検証!最新125ccクラスのスポーツモデルは公道をどう楽しませてくれるのか?

街中で回し切る快感!スロットル全開の愉悦

まずはGSXーS125にまたがった。走り出してすぐ、やっぱり力がないなという落胆がよぎる。ならばと、次の信号発進ではクラッチミートを8000回転に上げ、レッドゾーンまで回しきった─。

先ほどとは全く異なるフィーリングが現れ、思わず笑みがこぼれた。小排気量らしいだがスポーティな回転音を伴い、クルマの列が途切れた無風区間をグングン加速する。1万2000回転を目安にシフトアップを繰り返し4速に入れるころには、同時に発進したクルマははるか。パワーバンドは7000回転以上からと高回転を多用する必要はあるが、ビッグバイクと異なり容易に使い切れる。胸のすく思いを気軽に、そして平和に体感することができるのだ。

前後に17インチを履くだけあってハンドリングも素直でクセがない。GSXーSの場合は、意図的に細いタイヤが選択されているから軽快感も抜群で、車体を軽くロールさせながらクルマの列を縫うように走ることが愉快だ。街なか主体であれば、楽しめるシーンは250よりもはるかに多いはずである。

速いが神経質……ここまででそうイメージしてしまう人がいるとしたらである。確かにエンジンは高回転型だが、低回転でまともに走らないというわけではない。もしあなたが疲れていたり、周囲の景色を眺めながらトコトコと走らせたいときは、もっと低回転を多用してもいい。6000回転以下をキープし続けても、クルマの流れにしっかり乗ることはできるからだ。

【CB125R】低速からリニアなエンジンに剛性感十分の車体と、クラスを超えた乗り味を堪能でき、40万円オーバーの価格にも納得

CB-Rの際立つ完成度

こういった特徴や楽しさは、CB125RやRC125も同様に持っている。アジア市場を意識し、実用性や扱いやすさに重きを置いた穏やかな特性かと思いきや、ライダーを駆り立てるスポーティさは、いずれに乗っても感じられるものだ。そのベンチマークは2011年に登場したデューク125だが、兄弟車であるRC125もまた低〜高回転まで粒のハッキリしたパルス感を伴い、KTMらしい主張の強さが楽しい。しかし、それを追うように開発されたホンダとスズキのモデルも個性では決して負けていない。

特にCB125Rは、ライダーをかなり前方に着座させるモタード風のライポジと低回転からパンチがあるエンジンが相まって、交差点をスパンとクイックに曲がるのがとにかく気持ちよく自在感を堪能できる。車体も3車の中では最も剛性感が感じられ、一見過剰かと思えた41㎜径倒立サスの効果もあって、125らしからぬしっかり感が新鮮だ。低速での排気音も歯切れがよくその気にさせるもの。高品質な見た目と同様、乗り味もクラスを超えている。

ここでエンジンの特性を比較してみると、3車の微妙な違いがよくわかる。レブリミットは、CB:1万1500、GSXーS:1万3000、RC:1万1000回転だが、そのときの速度はCBが1速38/2速67/3速90㎞/h、GSXーSが1速50/2速75/3速98㎞/h、RCは1速42/2速58/3速75㎞/hとなる。また60㎞/hのエンジン回転数は、CBが5速5500/6速4900回転、GSXーSは5速5500/6速4800回転、RCは5速6200/6速5500回転であった(いずれも目視での値)。

【GSX-S125】ライポジはCBがモタード風で常に戦闘状態を強いるのに対し、GSX-Sは普通のネイキッド風でリラックスできる。エンジンはピーキーだが、125ccだけに高回転型を維持するのは難しくない。ハンドリングは至って素直。

【RC125】印象どおりSS風のライポジだが、ハンドル幅が広いのは賛否両論か。40歳を過ぎて街なかで乗るには少々根性が要るかもしれない。エンジンは下から力があり発進も容易。車体は豪華装備が満載で価格同等の質感が魅力的だ。

比較してみると、RCは減速比が大きくいつでもパワーを取り出しやすいが、2車を比べると持ち味だった高回転での伸びはややかすむ。GSXーSは一番よく回り速度も乗る特性。CBはその中間だが、一番フレキシブルな特性を実現している。

市街地フィールドでの万能さや完成度で言えばCBに軍配が上がるのだが、伸びやかなフィーリングを楽しみたいならGSXーS、クイックなハンドリングと扱いやすさに重きを置くならCB、前傾姿勢のレーシーなモデルがよければRCと、自身の好みで選ぶといいだろう。

 

report 五十嵐重明

photo 山内潤也

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