試乗インプレッション

最新電動スクーターは「電欠」までどれくらい走れる? ホンダ・ベンリィe:IIプロで限界走行に挑戦!

ベンリィe

前回使いきったバッテリーを新しいものにチェンジ。道路状況や混雑具合も変わってきたので、乗り方もストップ&ゴーの多いシティライドから、信号の少ない走りを楽しむツーリングライドに変えてトライをしてみた。

街中と比べて信号が少なくなるので、アクセルを開ける時間も増え、長い時間を走り続けることになる。さらに坂道やワインディング等も出てくるのでアクセルワークも変わり、その分、バッテリーの減り具合も変わってくるはず。1セット目のバッテリーでは0%になったのが41.2km地点。今回は、どの位変わってくるのかと楽しみながら走ってみる。

信号が多く、また高い頻度で渋滞に巻き込まれる街中でのライドは、基本的にはストップ&ゴーの繰り返し。だが、スムーズな発進と加速でストレスを感じることはなく、思ったほどバッテリーの消費も激しくはなかった。

ベンリィe

一方、郊外になると、道路状況も変わり、ストップ&ゴーの回数は減り、少し長い時間、それなりのスピードで巡航するようになる。その走りも速度的には60kmまではストレスはない、ただそれ以上で走ろうとすると一気に加速は鈍くなる。

あくまでもビジネスシーンを想定したモデルなので、それは致し方ない。バッテリーの減りは、アクセルを開ける時間も長くなり、また坂道やワインディングでモーター自体にも負担がかかるので、その分、早くなったように感じた。

走りに関して、街中ではスムーズ、一定速度の巡航もストレスはなく、そして緩めのワインディングであれば割とこなせる。思っていたよりもストレスを感じる部分は少なく、今回ぐらいの時間&距離であれば快適に乗れそうだと感じた。

基本として、車体が軽くて扱いやすく、ハンドリングも軽快、そして積載力の高さは魅力的。このモデルに関しては、あくまでもビジネス用ユースのコミューターではあるが、使い方によっては旅的なシーンでも楽しむことができるのではないかと思った。

ベンリィe

海辺や山間、そしてワインディングを走り、2セット目のバッテリー交換となったのは、メーター読みで36.6km地点。特に長時間のアクセル解放と電動バイクにとっての鬼門である、坂道がバッテリーの消費に影響を与えたと思われる。

今回、電動スクーターへ実際に乗ってみて、移動手段としては高いポテンシャルを持つ車両だと感じた。スムーズな発進やパワフルな加速、そして高い静粛性と地球に優しい走り。エンジン車両とはまた違った魅力を備えていることも分かった。

大きな課題はやはりバッテリーの性能と重量そして価格。これらが進化&改善することで、電動バイクの世界は広がり、需要も高まる。次代のモビリティとしての希望も見え、ぜひ今後の更なる進化と市販車両の開発に期待をしたい!

ビジネスユースを主眼に置いた電動スクーター・ベンリィe

今回の試乗車は「ベンリィe:Ⅱ プロ」。長期間の使用を想定したビジネスユース向けのモデルとして、モーターはメンテナンスをしやすい構造を目指し、仕上げられている。

モーター自体、ステーター(固定子)とローター(回転子)というふたつの主要部品で構成されるのだが、今回は新たにアルミ製のモーターケースとモーターカバーが設けられ、ステーターとローターをこの中に固定することでモーターをユニット化。これによってモーターの車両への着脱がモーターユニットを交換するだけで行うことができるようになり、ローターの取り扱いに対するメンテナンス性がアップしている。

また、スターターはコイルを複数のティースにわたり巻いていく分布巻を採用することでモーターが回転中に出力するトルクの変動量が減少し、モーターの振動や発生音の減少も実現している。

前述のように動力源となるバッテリーは、リチウムイオンバッテリーを採用する着脱可能な「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」。これを2個直列接続させた96V系EVシステムが採用されている。

このシステムによって、ベンリィe:I プロは、30kgのフル積載時に12°の登坂性能と一充電あたりの走行距離87km、ベンリィe:Ⅱ プロは、60kgのフル積載時に12°の登坂性能と一充電あたりの走行距離43kmを実現した。バッテリーの電圧&容量は、50.4V/20.8Ahで、モバイルパワーパックの充電は、車体から取り外して専用の充電器で行い、ゼロの状態から満充電までは約4時間(※注)となっている。

※注:モバイルパワーパックの状態や充電時の環境、車両、整備などの諸条件によって異なる。

荷物を多く積めて、取り出しも楽な大型タイプのバスケット。新聞配達仕様では必須の装備となっている。

また今回試乗した車両には、オプション設定となるインナーラックも装備。収納力が高く、メッシュタイプなので中身も把握しやすい。

大きな特徴でもある大型のリヤキャリア。二つ折りの新聞の束を前後に並べて積めるサイズで、最大積載量は原付一種モデルの「ベンリィe:Ⅰ」&「ベンリィe:Ⅰ プロ」が30kg、原付二種モデル「ベンリィe:Ⅱ」&「ベンリィe:Ⅱ プロ」が60kgとなっている。シートは程よい硬さで座り心地も良く、長時間の使用も無理なくこなしてくれそうだ。

そのほか、オプション設定のウインドシールドも装備。丈夫なホリカーボネート製で、走行中の風や埃を防ぎ、ライダーの疲労も軽減させてくれる。長時間使用する場合、これがあるとないとでは、その差は大きく出てくる。

ハンドル位置は楽なポジションで、スピードメーターはシンプルなサークル形状。文字も大きく、スピードやバッテリー残量に時計、そしてサイドスタンドインジケーターなども見やすい。スイッチ類も操作しやすく、リバーススイッチとスタータースイッチを押して使用する後進アシスト機能もスムーズに使える。

左のブレーキレバー(後輪ブレーキ)と同じ役割を持つフットブレーキが装備されている。操作することで、前輪にもほどよく制動力を分配し、バランス良くブレーキングをサポートしてくれる。ただ、スクータータイプのフットブレーキに慣れていないと、右足の位置に戸惑う可能性もある。


レポート●安室淳一 写真●長谷川拓司 編集●モーサイ編集部・日暮
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