目次
トライアンフのスポーツネイキッド系とカフェレーサースタイルのスピードトリプルRRは、「ロードスター」シリーズと呼ばれている。今回は、二輪ジャーナリストであり「ライディングアカデミー東京」の校長も務めるケニー佐川氏が、ロードスターシリーズの旗艦モデルとなるスピードトリプルRSとRRに試乗。最新のトライアンフテクノロジーと他に類を見ない強烈な個性を存分に味わった!

トライアンフ「伝統と革新のその先へ」




トライアンフのロードスターシリーズは、英国車の伝統を生かしつつ最新のテクノロジーを投入した「走り」のモデルである。ワイドなパワーバンドを持つ3気筒エンジンは、扱いやすさとスポーティな乗り味を両立。アグレッシブでモダンなデザインも魅力だ。
「スピードトリプル」は代々「ロードスター」シリーズのフラッグシップモデルとして君臨してきた。初代から数えて8代目になる新型スピードトリプルRSは、エンジンも車体もすべて刷新した意欲作。伝統の水冷3気筒エンジンは排気量を拡大し、最高出力は従来比でなんと30馬力も上乗せされている、車重は逆に10kgも減量。これはもう「別モノ」と言ってもいいだろう。
スピードトリプルRSは見た目も一段とシャープに研ぎ澄まされ、マスが集中した筋肉質なフォルムはまさにストリートファイター(公道の戦闘機)だ。エンジンもさらにパワフルで回転フィールも洗練されたが、歴代モデルの持ち味でもあるパルス感あふれるサウンドと、3気筒独特の分厚い低中速トルクによる怒涛の加速力も健在。アップライトなライディングポジションとワイドなバーハンドルによる軽快で自在なハンドリングが楽しい。


意外にも乗り味しっとりのスピードトリプル1200RR
一方のスピードトリプルRRは、ハーフカウルとオーリンズ製電子制御サスペンションを装備した上級バージョンという位置づけだ。ヘッドライトはスピードトリプルRSのツリ目2灯に対して丸目1灯をロケットカウルに収めるなど、ネオレトロ感漂うシルエットが目をひく。エンジンと車体はスピードトリプルRSがベースなので乗り味は基本的に似ているのだが、大きく異なるのが乗車姿勢。クリップオンハンドルを備えたスピードトリプルRRは低く構えるスタイルとなり、カウルで風を切って進んでいく感じはスーパースポーツに近いかも。相対的にフロント荷重になったことで、前輪の接地感が増し、ある意味で落ち着きのあるハンドリングになっている。それでいて、タイヤの違いで倒し込みはスピードトリプルRSよりもシャープだ。
加えて前後の電子制御サスペンションがリアルタイムで減衰力を最適化してくれるため、乗り味がしっとりしている。ギャップに乗ったときの突き上げ感はスピードトリプルRSよりも明らかに小さく、加速・減速でのピッチングも穏やかなので疲れにくい。スピードトリプルRRの乗り味をひと言で表現すれば、より「スポーティ」かつ「上質」なのだ。


最新技術で走りを究めたトライアンフのROADSTERシリーズ
2台ともトップレベルの走りの性能を持ちつつ、街乗りからツーリングまで幅広く楽しめるモデルになっている。そのうえで、アグレッシブにちょいワルな雰囲気を求めるならスピードトリプルRSを、エレガントにスポーツしたいならスピードトリプルRRをお薦めしたい。


ケニー佐川も絶賛の最新3気筒エンジンはワイドな領域でパワフルに加速

排気量を1050ccから1160ccへと拡大し、最高出力もシリーズ史上最強180馬力へと向上。スロットルを開けるだけで何速からでも加速していく3気筒独特の分厚いフラットトルクが最大の魅力。加えて新型では4気筒スーパースポーツ並みの高回転での伸びやかな加速フィールも味わえる。アップ&ダウン対応のクイックシフターもスムーズで超絶便利だ!
性格の違いはライポジに現れる
スピードトリプルRRはクリップオンハンドルが前方の低い位置にあり、ステップ位置もこれに合わせてやや後方高めにセットされるなど運動性能を引き出せるスーパースポーツ的なライポジ。
スピードトリプルRSはワイドバーを上体で抑え込むような典型的なファイタースタイルになっている。街乗りやロングライドではRSのほうが疲労感が少なく、自在なハンドリングを味わえる。




電子制御で180馬力を飼い慣らす
メーターはドラマティックな演出が美しいTFTディスプレイ。ライドモードは5種類(スポーツ、ロード、レイン、トラック、ユーザー)で、路面や乗り方に合わせて走行中でも簡単に切り換えられる。コーナリングABS&トラクションコントロールを標準装備し、安全に180馬力を扱うことができる。スピードトリプルRRは電子制御サスペンションを採用。減衰力などを自動で調整するほか、手元のスイッチにより任意でセッティング可能となっている。



Speed Triple 1200 RR
【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:90.0×60.8mm 総排気量:1158cc 最高出力:132.4kW<180ps>/10,750rpm 最大トルク:125Nm<12.7kgf・m>/9,000rpm 燃料タンク容量:15L 変速機:6段リターン 【寸法・重量】全長:2,085 全幅:760 全高:1,120 ホイールベース:1,440 シート高:830(各mm) 車両重量:200kg タイヤサイズ:(F)120/70ZR17 (R)190/55ZR17 【価格】228万5000円
Speed Triple 1200 RS
【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:90.0×60.8mm 総排気量:1158cc 最高出力:132.4kW<180ps>/10,750rpm 最大トルク:125Nm<12.7kgf・m>/9,000rpm 燃料タンク容量:15L 変速機:6段リターン 【寸法・重量】全長:2,090 全幅:790 全高:1,090 ホイールベース:1,445 シート高:830(各mm) 車両重量:199kg タイヤサイズ:(F)120/70ZR17 (R)190/55ZR17 【価格】203万円
走りの魅力あふれる、トライアンフのロードスターシリーズ
Street Triple RS
トライアンフが誇るミドルクラス最強モデルがストリートトリプル。Moto2用エンジンをベースに公道用に最適化した水冷3気筒765ccを搭載。電子制御もフル装備で足周りもオーリンズやブレンボ製モノブロックなど一流品で固める。

TRIDENT 660
トライアンフの入門モデルとして最適な新世代ロードスターのトライデント660。水冷3気筒エンジンは扱いやすさ重視のパワーと全域での豊かなトルクが特徴。現代的ミニマルフォルムにトライアンフのDNAを織り込んだ独自のスタイルも魅力だ。

2週間のスピードトリプル無料モニターキャンペーンを開催
2週間、スピードトリプル1200の魅力をじっくり確かめられる
ロードスター系の旗艦であるスピードトリプル1200RSとRR。このどちらかに、2週間じっくりと試乗できるチャンス。2週間もあるので、日常の使い勝手からツーリングまで、その魅力を味わい尽くせるはずだ。
申込み期間:2022年8月1日(月)~2022年8月31日(水)
引渡し期間:9月12日(月)以降、9月30日(金)までで希望の日程
貸出し期間:引渡し日から最大14日間
モニター車両:Speed Triple 1200RR、Speed Triple 1200RS

TRA(トライアンフライディングアカデミー)@茂原を9月10日に開催
トライアンフでスポーツ走行を体感
ロードスター系のレンタルもあり!
ケニー佐川氏を講師に迎え、トライアンフでスポーツ走行のイロハを学べるライディングアカデミーが9月10日に茂原ツインサーキットで開催される。ロードスター系やスピードツイン系、スラクストンRSのオーナー向けだが、今回はロードスター系4モデルをレンタルで用意(4台限定・抽選)。サーキットで試せるチャンス!
TRA(トライアンフライディングアカデミー)@茂原
募集期間:2022年8月17日まで
開催日:2022年9月10日(土)
開場:茂原ツインサーキット
千葉県茂原市台田640
http://www.mobara-tc.com/
参加料:2万4200円(ランチ、保険料含む)
車両レンタル料:1万1000円(4台限定)
レンタル車両:Trident 660、Street Triple RS、SPEED TRIPLE 1200 RS、SPEED TRIPLE 1200 RR
服装条件
サーキット走行に適した安全装備。革ツナギ&フルフェイスヘルメット、プロテクション入りグローブ、しっかりとしたライディングブーツを推奨。※最低でもプロテクター入り上下セパレートのレザーウエア。
オーナー 先着26名
ご自分の車両での参加:一般申込みフォーム
https://2022tra0910-owner.peatix.com/
レンタルバイク 抽選4名
レンタルバイクでの参加:レンタル抽選申込みフォーム
https://forms.gle/tpGMnFLWow5hRU5h9


レポート●ケニー佐川 写真●山内潤也 編集●太田力也