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匿名係長 第5回 ドゥカティ1199パニガーレの巻(前編)

匿名係長 第5回 ドゥカティ1199パニガーレの巻(前編) その3

ドゥカティ1199パニガーレ

 

 

カム駆動をチェーンとした超ショートストロークの完全新設計エンジン“スーパークアドロ”に、エアボックスを兼ねたアルミ鋳造モノコックフレームをボルトオンする現行ドゥカティの旗艦。クランクケースに後端にはスイングアームピボットも持ち、さらにリヤショックからの入力も後方シリンダーで受け止めるなど、エンジンを最大限にストレスメンバーとして使っている。電子制御の前後サスペンションやスロットル、ABSやトラクションコントロールといった電制デバイスも満載。スタンダードな「パニガーレ」、電子制御サスや鍛造ホイールを持つ「パニガーレS」、その特別塗色版「パニガーレSトリコローレ」、さらにチタンコンロッドや可変式スイングアームピボットなどを装備する最強版「パニガーレR」の4グレードを展開。日本仕様は最高出力が135馬力(本国仕様は195馬力)となり、車体右サイドに専用マフラーが装着される。

 

 

 

サードマフラーは要保管!?

 
主任●でも、モノコックの採用によって〝軽量〟っていう絶対的な利点は生まれているわけですよね。

係長●ドゥカティは1198をパニガーレに進化させるにあたり、樹脂製だった燃料タンクをアルミ化し、排気管をセンターアップからミッドシップとし、上級グレードには新型のアルミ鍛造ホイールも履かせている。ブレンボの新型キャリパーも軽くなった。結構、本筋以外の軽量化項目も多いよ。ちなみに満タンの実測重量を比較すると、乾燥168㎏を公称する1198SP(11年型)は、MC誌11年4月号の「エッジで走れ!!」に199㎏というデータがある。対して、2・5㎏のABSを含んで乾燥170・5㎏のパニガーレSは大台を数㎏超える。もちろん両方とも日本仕様ね。

主任●うっ、正直、ビックリするほど軽いってわけでもない……。

係長●まあ、フルパワー195馬力を出した上でその車重だし、日本仕様は例のマフラーが付いてるから、実質的には軽量化なのかもしれない。でも、俺にはモノコックの機能的メリットはいまひとつ伝わってこなかった。スリムさや軽量だけなら、スチールトレリスでもまだまだ可能性はある気はするんだ。

主任●その例の〝サードマフラー〟も、あれはちょっと……。

係長●あんなの、付いていようがなかろうが、バイクの本質は何も変わらんだろ。現在の日本で合法的にパニガーレを走らせようとすればああならざるを得ない。その程度の話だと俺は思うぞ?

主任●でも、せっかくマフラーを「見えない化」したデザインが台なしでは?

係長●じゃあナンバープレートは許せるのかとか、ミラーとかリフレクターとか、言い出したらキリないじゃん。あれだけキレたイタリアンデザインに「練馬」とか「品川」って、よく考えたら変だぞ。メーカーの日本法人が輸入するストリートバイクなんだから、法規適合は絶対条件。あれ付けないと日本は走っちゃダメなんだから仕方ないだろう。それでもまだ「オリジナルの冒涜だ!」とか言うなら、じゃあ貴方、パニガーレは日本導入しなくてもよござんすか? って。

主任●係長はあれ好きなんですか?

係長●うん、意外と。なんかさ、カタナのナナハンを思い出してちょっとホロリときた。みんな捨てちゃったから、今、耕耘機ハンドルの中古って高いんだって。サードマフラーも30年後くらいに〝当時のリアルJDM!〟なんて高価取引されるかもよ? 話を戻すと、パニガーレってやっぱりすごいと思うんだ。というのは今挙げたような違和感要素、これが別の角度から見るとそっくりそのまま、ブッちぎりの魅力に変わるんだよ。これ、天才的というか恐るべき覚悟というか、ちょっと神懸かってすらいる。とにかく、こんなバイクは世界中のどこにもない。

主任●へぇ~。……って係長、盛り上がってきたところで、今月は残りあと15行しかないんですけど?

係長●まあ、とにかくパニガーレってバイクはネタの宝庫でさ、見ていても語っていても尽きることがない。ライバルメーカーも腹の底は同じじゃないの?〝パニガーレ、面白えなぁ!〟って。こんなバイクは近年ないし、ドゥカティはすごい仕事を成し遂げたと思う。で、何でモノコックなのかっつう話だが、これはバイク業界の高齢化が理由だろうな。

主任●は? 高齢化がモノコック!?

係長●トレリスなんかにこだわっている状況じゃない、って判断なんだよ。てなわけで、匿名係長初の後編に続く。みんな、次回も読んでね! (続く)

 

 

パニガーレの個性の源

 

ヘッドパイプステーとも呼べそうなモノコックフレームは、エンジンから生える4本のスタッドボルト(エンジン写真参照)で固定される。フレームに適切な“しなり”を生み出すのはこの部分で……という話や、エンジン構造への考察は次号にて。スイングアームはクランクケースにピボットを持ち、左右からプレート(これもエンジンにボルト固定)によっても保持。興味深いのはスイングアームピボットシャフトが左右貫通ではないことだ。リヤショックからの入力は、リヤバンクのシリンダーヘッドとシリンダーの合い面をまたぐように3点で受け止める。マフラーを完全にエンジン下に配した構成も併せ、ぎゅっとマスが集中した印象を受ける。


 

各シリンダーヘッド吸気側の角から生えるのがフレームを固定するスタッドボルト(丸印内)。クランクケースは左右割りだ。

 

■SPECIFICATIONS


 
SPECIFICATIONS【1199パニガーレS日本仕様】
主要諸元■エンジン 水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク112×60.8㎜ 総排気量1,198㎤ 燃料供給方式 電子制御式燃料噴射 始動方式 セル ●最高出力99kW<135hp>/8,000rpm 最大トルク109Nm<11.1㎏m>/8,000rpm ●変速機6段リターン ●全長2,075 全幅810 全高1,110 ホイールベース1,437 シート高825(各㎜) ●タイヤサイズ Ⓕ120/70ZR17 Ⓡ200/55ZR17 ●車両重量194.5㎏ ●燃料タンク容量17ℓ ●価格 209万円(パニガーレ)/259万円(パニガーレS)/289万円(パニガーレSトリコローレ)/308万円(パニガーレR)  問ドゥカティジャパン ☎03-3794-5001 www.ducati.co.jp/

 

 

 

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