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並列3気筒888ccエンジンを最軽量アルミフレームに搭載したヤマハ新型スーパースポーツ「R9」



ヤマハ発動機は、独自の“クロスプレーン・コンセプト”に基づく水冷4ストロークDOHC直列3気筒・888ccエンジンを軽量アルミフレームに搭載したスーパースポーツモデルの新製品「YZF-R9 ABS」を10月30日に発売。
同車は「Re-DNAed Supersport」をコンセプトに開発。「MT-09」のパワーユニットをもとに、ミドルクラス最強のトラックパフォーマンスを具現化。最高の刺激と、スキルやステージを選ばない親しみやすさを併せ持つ懐の広いスーパースポーツとなっている。






ヤマハミドルスポーツ最強をアピールするYZF-R9の主な特徴

■トルクフルで充実のパワーを発揮するCP3エンジン
水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ888ccエンジンは、燃料供給系に「YCC-T(Yamaha Chip Controlled Throttle=ヤマハ電子制御スロットル)」を採用し、きめ細やかな吸入空気量制御を実施。また吸排気音に着目し、CP3エンジンらしさを活かすサウンドをデザイン。エアクリーナーボックスの形状とそのカバーに設けたフィンにより、低速・低回転域では排気音が心地よく、高速・高回転域では吸気音を強調し、トルク感と加速感を際立たせている。

■ヤマハ歴代スーパースポーツ最軽量の新型アルミフレーム
専用の重力鋳造アルミフレームは、低荷重域でのしなやかさと、高荷重域での強度を両立。ベースモデルの2024年型MT-09から各剛性はねじり18%、縦37%、横16%アップしつつ軽量化も実現。メインフレームの単体重量は、ヤマハの歴代スーパースポーツで最も軽い9.7kg。

■良好な足着き性と快適性を達成したスポーティなライディングポジション
優れたハンドリングと高い一体感実現のため、前後荷重配分、ホイールベース、キャスター角、トレール量、前後サスのストロークに伴うバネ上固有値、アンチスクワット率(加速時に車体後方の沈み込みを穏和する割合)などを相互最適化。さらに理想のライディングポジションをねらい、適度な前傾姿勢の実現と、ハンドルから着座位置の距離を既存のYZF-Rシリーズより短くし、良好な足着き性確保のための着座位置と膝周りが窮屈にならない低めのステップ位置を設定するなど、サーキットに限定しない各シーンでの乗りやすさを両立。

■緻密な減衰調整が可能な前後KYB製サスペンション
新構造のKYB製サスをYZF-R9専用にセッティングして採用。フロントは2025年型YZF-R1と同じ、インナー径43mm・ストローク量120mmの倒立式を搭載。プリロードほか減衰力は右が伸び側、左が圧側の左右独立方式を採用。また圧側は高速と低速の2WAYセッティングが可能。一方リヤには、極低速減衰力発生構造を持つ新設計のリンク式モノクロスサスペンションを装備。プリロードほか伸・圧側減衰力、車高調整機構を装備。



■ウイングレットを採用したエアロダイナミクス効果の高い新外装
風洞実験や流体解析を重ね、従来のヤマハスーパースポーツのなかで、最も空気抵抗が少ないYZF-R6より優れたCd・A値を達成。またウイングレットは、サーキット走行などでのウィリー限界を高めるためではなく、公道走行時、横風などの外乱を抑制しつつ、旋回中により接地感を高めることを目的とした形状に。ウイングレット採用で直進時は6~7%、旋回中はフロントM字ダクト下に設けたスポイラーとの組み合わせで10%程度前輪揚力を抑制。そのほか車体の横方向と下方向へ熱を放出する機構を設置して、ライダーへの熱の伝達を抑制し、冷却性能に貢献。

■各種走行支援機構
ライダーの好みや路面状況にあわせて、エンジンフィーリングや各種電子デバイスの介入度を選択できる機能「YRC(Yamaha Ride Control)」を搭載。初期設定の3種のパターン(SPORT/STREET/RAIN)のほか、2種のCUSTOM1~2、またTRACKモードではTRACK1~4の4種から、シーンに応じてモード選択が可能。
走行サポート機構としてクルーズコントロールシステムや任意に最高速度を制限できる「YVSL(ヤマハバリアブルスピードリミッター)」やトラクションコントロールシステムのほか、PWR(パワーデリバリーモード)、SCS(スライドコントロールシステム)、LIF(リフトコントロールシステム)、QS(クイックシフター:加減速時のアップ/ダウン共に可能)、LC(ローンチコントロール)、EBM(エンジンブレーキマネージメント)、BC(ブレーキコントロール)、BSR(バックスリップレギュレータ)、ABSリヤOFF機構を装備。

■ラップタイム計測や走行データが可視化できるアプリ「Y-TRAC Rev」などの連携機能
5インチのフルカラーTFTディスプレイを採用。デジタル表示の速度/タコメーターのほか、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどの表示機能を搭載。各機能の情報操作、セレクトは、コンパクト化に貢献するFPC(Flexible Printed Circuits)を組み込んだ直感的操作が可能なハンドルスイッチを採用。表示パターンは4種のテーマとTrackモードがあり、好みや走行状況に応じて選択可能。
また専用アプリ「YAMAHA Motorcycle Connect(略:Y-Connect)」をインストールしたスマートフォンとのペアリングで、「YRC」セッティングやサーキット走行での情報を表示する「Y-TRAC Rev」アプリを使えるほか、ディスプレイに電話やメールの着信、スマートフォンの電池残量なども表示。一方、スマートフォン画面ではエンジン回転数、スロットル開度などの表示、メンテナンス推奨時期や燃費管理、車両の最終駐車位置の確認などが可能。さらに無料のナビアプリ「Garmin StreetCross」をインストールしたスマートフォンと車両を接続すると、ディスプレイをナビ画面として使用可能。

■そのほか便利な機能・装備
・新設計14段階アジャスタブルクラッチレバー
・質感と剛性の高いアルミ鍛造ブレーキペダルとシフトペダル
・ブレンボ製のモノブロックキャリパーStylema
・フラッシャー機能とハザード時の点滅機能に加え、「二段階フラッシャー機能」「エマージェンシーストップシグナル」「消し忘れ機能」を搭載したフラッシャー
・USB Type-C 端子に対応の充電ソケットをシート下に設置

■YZF-Rシリーズのアイコンを受け継ぎ進化させたデザイン

フロントフェイスのM字ダクトや二眼ポジションランプ、サイドビューの水平を基調とした「ホリゾンタル・ムーブメント」など、YZF-RシリーズのDNAを継承したデザイン。
カラーリングは“YZF-R”のブランドを象徴するヤマハレーシングブルーを表現した「ブルー」、シリアスなスポーティさを表現し幅広い層に向けた「マットダークグレー」、初代YZF-R1の白と赤のトーンをYZF-R9の造形&時代感にマッチするように仕上げた「ホワイト」の3色を設定。
価格は149万6000円で、10月30日(木)発売。


YZF-R9ABS主要諸元
■エンジン 水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク78×62mm 排気量888cc 圧縮比11.5 燃料供給装置:フューエルインジェクション 点火方式フルトランジスタ 始動方式セル
■性能 最高出力88kW(120ps)/10000rpm 最大トルク93Nm(9.5kgm)/7000rpm 燃費20.9km/L(WMTCモード値)
■変速機 6段リターン 変速比1速2.571 2速1.947 3速1.619 4速1.380 5速1.190 6速1.037 一次減速比1.680 二次減速比2.687
■寸法・重量 全長2070 全幅705 全高1180 軸距1420 シート高830(各mm) キャスター22°35′ トレール94mm タイヤF120/70ZR17 R180/55ZR17 車両重量195kg
■容量 燃料タンク14L エンジンオイル3.5L
■車体色 ディープパープリッシュブルーメタリック C、マットダークグレーメタリック 6、ブルーイッシュホワイトパール 1
■価格 149万6000円
■発売日 2025年10月30日

まとめ●モーサイ編集部 写真●ヤマハ発動機
ヤマハ発動機
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