雑ネタ

キャンプの白米はどう炊くのが一番ウマい?「クッカー、メスティン、飯ごう、炊飯用クッカーを比較!!」

キャンプでの「飯炊き」を極める

簡単なようで、やってみると意外と奥が深いキャンプでのご飯づくり。
「クッカーや飯ごうでおいしいご飯を炊けるようになったら一人前」。これは昔からキャンパーの間でよく言われる格言のようなものだ。昔の子供なら、小学生のときに「飯ごう炊飯」という行事が必ずあり、薪で米を炊いた経験を持つ人も多いと思うが、大人になってからはキャンプ以外で屋外で米を炊くことはあまりないはず。
最近キャンプを始めたキャンパーであればなおのこと、きちんと米を炊くことに、敷居の高さを感じているのではないだろうか。

そこでこの記事では、「飯炊き」の基本や手順を振り返りながら、炊き方の違いで味がどう変わるのかもテストしてみた。

「アルミクッカー×ガスバーナー」「メスティン×固形燃料」「飯ごう×焚き火」「炊飯専用クッカー×ガスバーナー」という4つの組み合わせでそれぞれ1合づつの米を炊き、どの組み合わせで炊いた米が一番ウマいのか、それぞれの炊き方の特徴や留意点とともに紹介していこう。

【王道】アルミクッカー×ガスバーナ

まず最初にご紹介するのがガスバーナーとアルミクッカーの組み合わせ。
最も一般的なパターンゆえに、これを完璧にマスターしてしまえば、キャンプでおいしいご飯がいつでも食べられることになる。

うまく炊くポイントとしては、米に水をしっかり吸わせることと、沸騰したら弱火にして、その後にパチパチとかプツプツとか小さな音を発するので、それを聞き取ること。それを聞き逃して炊き続けてしまうと、どんどん底が焦げてしまう。沸騰後の火力調整がカギを握るので、弱火が苦手なガソリンや灯油のバーナーだとやや難しいかもしれない。

DUGのBANQUET−llというアルミ製クッカー。容量は800ml。蓋もアルミ製で表面に水切り用の穴が空いている。かっちりしたハンドル機構が非常に使いやすく、筆者は約5年愛用している。
ガスバーナーは不動の名作としておなじみ、SOTOのST−310を使用。

アルミクッカー×ガスバーナーで米を炊く手順とコツ

1.水を入れる
入れる水の量は米1合に対して200mlが目安となる。米は1合で重さ約150gだということも覚えておくと便利。

米1合に対して200mlの水を入れるのが目安。

2.米を研ぐ
米を研ぐ祭は力を入れてガシガシとやらず、指先でサラサラと混ぜるように優しく研ぐといい。押しつぶすように研ぐと米粒が割れ、中のうまみが逃げてしまう。また、クッカーの底が傷つく原因にもなってしまう。

米を研ぐと水が白濁するので、研ぎ汁に透明感が出るので3回ほど水を替えて研ぐ。クッカーの蓋に穴が空いている仕様だと水を抜きやすいので便利。

米は優しく研ごう。
クッカーの蓋に穴が空いている仕様だと水を抜きやすい。

3.米に水を吸わせる
水の比重は米の1.3〜1.4倍、体積だと1.1〜1.2倍となる。米に水を吸わせる前に人差し指を入れて水かさを測ったところ、水中の米の表面から水面までは約20mmだった。

水を入れてから30分ほど、米に水を吸わせる。この工程は炊飯にガスバーナーを使う場合でも、固形燃料や焚き火を使う場合でも同じ。つまり、キャンプ地に着いたらすぐに仕込んでおくのが吉。

自宅で研いだ米と水を予めジップロックに入れてから出発すれば、キャンプ場到着までにしっかりと水を吸わせることができる。時短テクニックだ。

米に水を吸わせる前に人差し指を入れて水かさを測ったところ、水中の米の表面から水面までは約20mmだった。
研ぎ終わってから30分ほど、米に水を吸わせる時間を設けるのがおいしく炊飯するコツ。
研いだ米と水を予めジップロックに入れて出発すれば時短になる。

4.点火
米が水を十分に吸ったら、いよいよガスバーナーを点火。火力には諸説あるが、最初はお湯を沸騰させる要領で、強火を使って沸騰するまで一気に持っていく。

ガスバーナーを点火。

5.「パカパカ」と音が鳴ったら弱火にする
お湯が沸騰して米が沸き立つと、クッカー本体と蓋の間から下の写真のように湯気が溢れ出してくる。蓋に穴が開いていないクッカーの場合には、上記の力で蓋がパカパカと音を立てる。

湯気が溢れ出すか、「パカパカ」と音がしたら、弱火にしてこぶし大の石を蓋の上に載せ、重しにする。やがて上記が出なくなって「プツプツ」や「パチパチ」といった音が聞こえ始めたら火を止める。

お湯が沸騰して米が沸き立つと、クッカー本体と蓋の間から湯気が溢れ出してくる。
湯気が溢れ出すか、「パカパカ」と音がしたら、弱火にしてこぶし大の石を蓋の上に載せ、重しにする。

6.蒸らして完成!!
火を止めたら、そのまま蓋を開けずに放置してクッカーの中を蒸らす。蒸らしが終わったら、ご飯全体に空気を送り込むようにしてしゃもじでかき混ぜ、完成。

炊きあがった米は、水をしっかり吸わせたこともあっておいしかった。もちもちした食感があり、うまみも十分。手順を省略しなければ、普通のクッカーでも十分うまく米が炊けることを再確認した。
ガスバーナーは、火力を手動で微調整できるので、技術が問われる反面、思い通りの炊飯ができるという特徴がある。

ガスバーナーの火を消す。
クッカー×ガスバーナーで炊いた米。

【自動炊飯】メスティン×固形燃料

ここ数年、キャンパー達の間で話題になっているのが、固形燃料による「自動炊飯」だ。一定時間で燃え尽きる固形燃料を使えば、放ったらかしで米ができあがることから名付けられたのだろう。
この炊飯方式のポイントとしては、米1合に対して25gの固形燃料1個がちょうどいいということ。加えて、今回使用したエスビットのポケットストーブが固形燃料の火力にジャストなゴトクであるということだ。
ただし、固形燃料は風に弱いので、風の強い日のこの方法で炊飯するのであれば風よけを用意したほうがいいだろう。それさえ注意すれば、本当に炊きあがるまで放置しておけばよいので楽ちんだ。

用意したのはトランギアのメスティンTR-210。組み合わせるのは100円ショップダイソーのポケットストーブ「ちょこっとストーブ」(330円)と、同じくダイソーの丸型固形燃料25g(3個入り110円)。

メスティン×固形燃料で米を炊く手順とコツ

1.米を計る
角型飯ごうであるトランギアのメスティン。その小さいタイプが今回使用したTR-210だ。このタイプは蓋にすり切りで米を入れるとちょうど1合なので覚えておくと便利だ。
1合分の米に対してメスティンTR-210のハンドルのリベットがちょうど隠れるように水を足すとほぼ適量となる。コレも覚えておきたいトランギアメスティンのスキルだ。

トランギアのメスティンTR-210は、蓋にすり切り一杯で米1合を計ることができる。
1合分の米に対してメスティンTR-210のハンドルのリベットがちょうど隠れるように水を足すとほぼ適量となる。

2.メスティンに計った米と水を入れ、しばらく米に水を吸わせたら、ポケットストーブ(この記事で使用したのは100円ショップダイソーの「ちょこっとストーブ」)の上に25gの固形燃料をセットして着火。火力調整は固形燃料任せで不要だ。

風に弱いのがメスティン×固形燃料の欠点。
風にあおられると本来の火力がメスティンの底に当たらない。風が強い日は、石を組んだり専用の風防などで風を防いだりしてあげよう。

100円ショップダイソーの「ちょこっとストーブ」(330円)は、トランギアのメスティンTR-210にピッタリのサイズ。
固形燃料を使ったストーブは風に弱いので、石組みや風防で風を防ごう。

3.火が消えたら蒸らして完成!!
炊飯中、蒸気によって蓋が浮くようなら石などで重しをする。
待つこと20分ほどで固形燃料が尽きて火が消えるので、そのまま蓋を開けずに10分ほど蒸らし、しゃもじでかき混ぜて全体に空気を含ませたら完成。

メスティン×固形燃料で炊いた米は下の写真のように焦げもほとんどなく、きれいに炊きあがった。手軽なわりに味にも全く不満はないが、クッカー+ガスバーナーで炊いた米に比べると少しあっさりした(うまみの薄い)印象も受けた。

25gの固形燃料が燃え尽きる約20分で、ちょうど1合の米が炊ける。
メスティン×固形燃料で炊いた米。少しあっさり味だった印象も受けたものの、おいしかった。

【飯炊きといえばコレ】飯ごう×焚き火

3つめは昔ながらの飯ごうを使って、焚き火で炊く方法を試した。
米に水をしっかり吸わせてから強火に掛け、沸騰したら弱火にする点は他の炊飯方法と同じなのだが、焚き火ゆえ火力の調整が難しい。
焚き火で思うように火力を上げたり下げたりするコツは、とにかく細い薪をたくさん用意することだ。強くしたいときは細い薪をたくさん入れ、弱くするときは少しずつ薪をくべるといい。
火加減がすぐに変わるので、焚き火の前から離れることはちょっとできない。そのつもりで挑んだのだが、4合炊きの飯ごうに1合では米の量が少なかったのか、底をやや焦がしてしまう結果となった。

用意したのはおなじみのアルミ製飯ごう。一般的なサイズで4合の炊飯が可能で、アマゾン等で2000円前後で入手可能。
使用した焚き火台は、ベルモントのTABI(1万1000円)。チタン製でわずか423gという驚異の軽さを誇り、収納時は厚さ15mmと極薄に。
そのほか焚き火に必要なアイテム。薪、ライター、革グローブ、火ばさみ、着火剤を用意した。

飯ごう×焚き火で米を炊く手順とコツ

1.焚き火をつける
焚き火で火力を細かく調節する場合は、とにかく細い薪を使うのがコツ。あらかじめ、ナイフを使ってバトニングで薪をどんどん割っていくのだ。

薪のてっぺんに刺したナイフの背をほかの薪で叩くときれいに割れる。
焚き火の際は防炎シートを敷くのを忘れずに。

2.米と水を計る 
飯ごうは内蓋があるのが特徴。ちなみに通常サイズだと外蓋のすり切りで4合分、内蓋すり切りで2合分になる。これもぜひ覚えておきたい知識。
1合の米に水200mlを入れ、30分ほど米に水を吸わせるのは、ガスや固形燃料での炊飯と同様。

飯ごうは内蓋があるのが特徴。
一般的な飯ごう(4合炊き)に米1合はやはり少ない。

3.火に掛ける
焚き火台に火を起こし、炎が安定したら米と水を入れた飯ごうを火に掛ける。
始めのうちは強火で使うため、薪を多めに燃やす。バトニング(薪割り)をしながらでは間に合わないので、薪は事前に用意しておこう。
お湯が沸騰して飯ごうの蓋が持ち上がってきたら、適当な石で重しをするのが定石なのだが、今回は米の量が1合と少なかったためか、蓋はほとんど持ち上がらなかった……。

お湯が沸騰して飯ごうの蓋が持ち上がってきたら、適当な石で重しをしておこう。

4.蒸らして完成!!
本来ならプツプツという音が聞こえるのが水がなくなった合図だが、それも曖昧。今回は少し焦げ臭くなったので火から下ろしたら底がやや焦げてしまっていた。飯ごう+焚き火は火力の調整がちょっと難しい!しかし、炊けたご飯の味には香ばしさがあってむしろおいしい。
飯ごうの底に残った焦げはかなり頑固でなかなか取れないこともある。そんなときは、水を足して火に掛けると意外と簡単に落とすことができる。ただし、その煮汁を捨てるのもちょっともったいない。例えばコンソメ、ごま油、塩、しょう油などで味を整えれば立派な雑炊となる。お茶漬けの素でもいい。香ばしさが加わっておいしい雑炊ができるぞ!

飯ごう×焚き火で炊いた米。少し焦げたが、香ばしくておいしかった。
飯ごうの底に残った焦げは、水を足して火にかけることで簡単に取ることができる。

【専用品もある】ご飯炊き専用クッカー×ガスバーナー

UMNIFLAMEのライスクッカーミニDX。価格は4500円。ガラス製の蓋はオプション品で、価格は1300円。

最近増えているご飯炊き専用のクッカー。「専用」という謳い文句に期待しつつガスバーナーで炊飯してみた。使用したのは、UMNIFLAMEのライスクッカーミニDX(価格:4500円)だ。
ライスクッカーミニDXは、内側に米と水量の目盛りがあるので用意に計測でき便利。素材は1.5mmと厚手のアルミなので日が均等に回る。オプション品のガラス蓋(価格:1300円)は、加熱中でも炊飯状態が確認できて非常に興味深い。
蓋の重さで適度に圧が掛かるため、蓋の上に重しを置く必要がないのもうれしい。

炊きあがってみると、鍋の底には焦げもほとんどなく均等に火が回った印象。
ふっくらとみずみずしく、「専用品」ならではのとても美味しいご飯ができあがった。

オプション品の蓋は透明のガラス製なので、加熱中でも炊飯状態が確認できるのがおもしろい。
ライスクッカーミニDXを使って炊きあがった米。ふっくらと美味しく仕上がった。

【結論】ソロキャンプなら、メスティン×固形燃料が失敗しない

ここまで4種類の炊き方を試してみたところ、アルミクッカー×ガスバーナーで炊いた米はふっくらみずみずしく、僅かな焦げもあっておいしく、メスティン×固形燃料で炊いた米は全く焦げ付かず、水分量が多くてもちもちとした食感が印象的だった。飯ごう×焚き火で炊いた米は火加減が難しくてやや焦げてしまったため少し硬めだったが非常に香ばしく、それはそれでおいしいという結果だった。

いずれにしても米は、まず30分以上しっかりとうるかし、最初に強火で沸騰させ、次に弱火で水分を飛ばし、最期に全体を蒸らすという一連の手順を覚えておけば、どの手法でもそれなりにおいしく炊けるということだ。

僕の結論としては、ソロで1合を炊くなら、メスティン×固形燃料の手法が簡単で失敗しないうえ、もちもちとした食感が好きなので、今後はこの手法をメインにしたい。

各種方法で炊いた米。①飯ごう×焚き火で炊いた米、②アルミクッカー×ガスバーナーで炊いた米、③「炊飯専用」クッカー×ガスバーナーで炊いた米、④メスティン×固形燃料で炊いた米。

レポート&写真●櫻井伸樹 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

レポータープロフィール

■櫻井伸樹(さくらい のぶき)

フリーの編集&ライター。10代よりキャンプツーリングに目覚め、その後ツーリング雑誌「アウトライダー」の編集部員に。取材で日本全国および、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ、モンゴルなど海外ツーリングも多数経験。4年ほど前からアウトドアメーカー「テンマクデザイン」のキャンプ用品プロデューサーとしても活躍中。

ユーチューブチャンネル「SHIFT NOBU OUTDOOR」 

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