マクドナルドでは、1977年にドライブスルーを初導入
一方、マクドナルドではどうだったのでしょうか。
国内のマクドナルドの中で一番最初にドライブスルーを導入したのは環八高井戸店で、1977年のことだったようです。先述の「フレンド喜多町店」でのドライブスルー設置が1976年だったので、マクドナルドの方が1年遅いという結果になりそうです。
山本海苔店ではなんと1965年にドライブスルーを設置
しかしさらに国内のドライブスルーの歴史を見ていくと、日本で最も早くドライブスルーを導入したのは、ファストフード店ではない意外なお店だったということが分かりました。

その店とは、海苔屋の「山本海苔店」です。江戸時代の1849年に創業して以来海苔一筋に製造と販売を続けてきたという「山本海苔店」は、なんとファストフード店最速(暫定)でドライブスルーを設置した「フレンド喜多町店」より11年も早い1965年に、東京都日本橋の本店にドライブスルーサービスを導入していました。

当時の山本海苔店役員がアメリカを旅行した際、現地の車社会を目の当たりにし「海苔も車に乗ったまま買えるようにしよう」と思いついたのが導入のきっかけだったそう。ドライブスルーの発祥について、同社は「日本初と思われる」としています。
山本海苔店のドライブスルーは1991年の本社ビル新館建設工事にともない、撤去されてしまいました。しかし、稼働していた当時はほとんど年中無休、さらに周辺の店舗や百貨店の営業時間が18時頃までの中で20時まで営業していたため、夜の会合の手土産として定番のひとつだった高級海苔の入手元として親しまれていたそうです。
結婚式にお化け屋敷、実用性より夢を重視した(?)ドライブスルーもある
「ドライブスルー・ウエディング」は新郎新婦がオープンカーに乗ったまま牧師の祝福を受ける、世界でも珍しい結婚式です。この挙式が行える場所は、現時点ではアメリカのラスベガスのみ。国内では挙式サービスを提供するワタベウェディング株式会社がラスベガスでの「ドライブスルー・ウェディング」のプランを取り扱っています。
次は「ドライブインお化け屋敷」コロナ禍において、密を避けつつお化け屋敷を楽しもうというコンセプトのもとで実施された企画です。企画したのはお化け屋敷やホラーイベントの企画運営を行う「株式会社怖がらせ隊」。参加者はクルマ1台当たり8000円の料金を払い、自家用車に乗ったままで舞台などで活躍している本格的な役者が扮する「オバケ」に襲われる恐怖を体験することが出来ます。こちらのイベントは既に終了しており、今後の開催は未定となっていますが、ユニークなドライブスルーサービスですね。
便利なドライブスルーを活用して、密を避けながら快適なカーライフを!!
国内最古のものから、ユニークなもの、夢のあるものまで様々なドライブスルーをご紹介してきました。
密を避けるためとは言え、ずっと家に閉じこもっていては気分も落ち込んでしまいますよね。ドアを閉めれば走る個室になるクルマの特性を生かして、外食やエンターテイメント、買い物を楽しんで見るのも良いかもしれません。
レポート●モーサイ編集部 中牟田歩実 写真●ガリバー高松中央通り店、株式会社タカサ、長岡市地方創生推進部 「な!ナガオカ」、山本海苔店
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