雑ネタ

「バイクが持つ災害救助の可能性」ライダーボランティアや救助専用車の活動に注目!

緊急事態、バイクやライダーにこそできることがある

台風や集中豪雨など、近年、大規模災害が多く発生しています。

土砂崩れや道路冠水などが併せて発生した場合、復興支援を行うための緊急車両の出動に支障が出ることも……。
そうした荒れた路面や混乱した交通網の中でも、高い機動力と走破性を発揮するバイクの有用性が見直されています。

災害時に出動するバイクといえば、警察の白バイや自衛隊の災害救援バイクなど「公的機関」の車両を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、自らの愛車を駆り、ボランティアとして被災地復興に尽力する一般ライダーがいるのです。

バイク愛好家による災害救助ボランティア団体の全国ネットワーク、JRB

JRBのロゴ。画像は千葉県の形がデザインされた「千葉RB」のもの。

その一例がJRB(ジャパン・レスキューサポート・バイク・ネットワーク)で、バイクの機動力を生かし震災時の救援活動を支援するボランティア団体の全国ネットワークです。
原則、各都道府県毎に設立されています(設立準備中の県もあります)。

当記事ではJRBに加盟し、千葉県在住・在勤のオートバイ愛好者を中心として組織された「災害救援活動を支援するボランティア団体」である特定非営利活動法人千葉レスキューサポートバイク(以下・千葉RB)の副理事長を務める岡田 徹(おかだ・とおる)さんに活動内容について話をうかがいました。

千葉レスキューサポートバイク副理事長の岡田 徹さん。JRB活動歴20数年。愛車はBMW G650GSとPGO ティグラ125。いわゆる「三ない運動」が活発で、バイクに対する逆風が強かった時代に育ち、「それでもバイクで何かしたい」という気持ちから千葉RBの門を叩いた。

千葉RBでのボランティアに参加するために特別な資格は必要なく、二輪の免許を取得してから間もないライダー、あるいは二輪の免許を取得していない会員もバックアップメンバーとして参加しているといいます。

会員がボランティアに使用するバイクも、災害で荒れた路面を走るからと言って、悪路に強いオフロード車である必要はありません。
小排気量のスクータータイプの車両や、一般的に悪路走行に適しているとはいいがたいクルーザータイプの車両も、実際に現場で活躍しているそうです。

千葉RBでは実際に、2019年9月9日に上陸した台風15号で大きな被害を受けた千葉県内で、会員の一般ライダーが被害状況の把握、物資の運搬などのボランティア活動を行いました。

千葉RBが本部としている「千葉災害ボランティアセンター」。

クルマでは入れない道にも対応できるバイクの機動力

地元での実際の活動を経て、バイクで行う災害ボランティアの強みを再認識したという岡田さんは次のように語ります。
「バイクは災害発生初期に被害の実態を把握するのに最適なのです。倒木などで道幅が狭くなってクルマが入れない道にもアプローチできますからね。また、公的支援の行き渡らないところに手を差し伸べられるというのも大きいと思います。たとえば、避難テントの中にご年配の方が1人でぽつんといることがあります。バイクの機動力があればそこまでサッと行って話し相手になり、困っていることはないか、支援のニーズを探ることができます」

災害の被害状況を確認するため、まだクルマが入れる状態ではない林道を進む千葉RB会員のバイク。

積載性に優れたスクーターや、燃費のいいスーパーカブも頼もしい存在

千葉RBではオフロード車のみならずスクーターなどを含めた幅広い種類のバイクが活躍しています。
岡田さんは「災害現場では、大排気量のオフロード車よりも、むしろ小回りのきくスクーターなどが重宝されることもあるんですよ」といいます。

災害現場といえど、活動フィールドの全てがオフロード車でないと走れない悪路とは限らないからです。
たとえば、急な坂道の上に民家があって断水していて、坂を下れば水場があるというような場合、スクーターであればシート下収納があるので、一度の往復で運べる水や荷物の量が多くなります。

さらに、フラットフロアのスクータは短い距離なら足元にも水の入ったボトルなどを置いて走ることもできることから、市街地での物資の運搬には最適だということです。

また、被災地では当然ガソリンも貴重な物資です。
「ボランティアである我々が被災地の物資を使ってしまうというのでは本末転倒。燃料や衣食住は自分で調達してから現地に入るというのが基本です」と岡田さんはいいます。

ガソリンを含め、持って行ける物資量には限りがあります。現地での稼働時間が長くなるという面でも、スクーターやスーパーカブは燃費がいいので重宝されるとか。

このような理由から、岡田さんは幅広い種類のバイクに乗るライダーが会員であることを強みと考えているのです。

機動力を生かし、医薬品を運ぶ千葉RB会員のバイク。250ccクラスの車両も活躍してる。

バイクを使う必要のないケースでは、一般ボランティアとしても活躍

また、被災地でバイクを用いたボランティアのニーズが無い場合には、一般ボランティアとして被災地に入り復興支援や被災者の救済活動を行うそうです。

さらに、平時にはいつ起きてもおかしくない災害に備えて、救急救命講習や各種防災関連講座の受講(自主開催)、バイク操縦技能向上訓練、アマチュア無線通信訓練などを行い、防災意識の啓発活動を通して地域社会に貢献しています。

必要な資格は「バイクが好きなこと」だけ。
各都道府県のJRBによって異なりますが、基本的にはその都道府県に在住または勤務するバイク愛好家であれば会員になれます。
千葉RBでは、会員同士で訓練も兼ねてキャンプやツーリングを楽しむこともあるそうで、気を張ることなく参加できるのではないでしょうか。

千葉県に在住、勤務するライダーを中心に40名程の会員を有する千葉RBのメンバー。後列右から4番目が副理事の岡田さん。

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