人気ライディングウエアブランドのゴールドウインが語る、バブル時代のウエア事情

1964年の東京オリンピックの日本代表選手にウエアを提供するなど、本格的なスポーツメーカーだったゴールドウインは、バイクブームの真っ只中の1983年、ゴールドウイン初のライディングウエア「GSM0101」でバイク業界に参入。スポーツウエアメーカーとして培ってきたカッティング技術と機能的な素材が注目され、以降も続々と人気製品を生み出した。


80年代のゴールドウインのカタログを見て見ると、本当にカラフルなウエア類が目立つ。


ウエアのデザインとカラーリングについて、宮川さんは「景気のいいときはカラフルなカラーリングが流行し、経済が落ち着いているときは落ち着いたカラーリングが流行する傾向があります」といい、バブル時代にカラフルなウエアが好まれたことは必然だったようだ。
また、屋根裏から発掘されたファクトリーベアのウエアにはプロテクターを入れるポケットがなかったが、ウエア自体にプロテクター、もしくはプロテクターを装備できるポケットなどの機構を備えたウエアは、1988年に「GSM0129」としてゴールドウインが販売を開始した。


宮川さんによると、GSM0129発売以前のライダーで安全性を特に重視する人は、教習所で装着するような別体のプロテクターを肘やヒザに装着していたという。

別途プロテクターを装備する手間のかからないGSM0129は当時革新的な製品だった。
ゴールドウインモーターサイクルのラインアップは現在に至るまで進化を続け、近年では普段着にも見えるようなカジュアルなデザインも人気があるとのこと。2020年のカタログでは、必ずしもバイクに乗ることを前提としない、町中でオシャレに着られるウエアラインを提案している。

バブリーなウエアはオークションサイトなどで入手することも可能
80年代を中心にバブル時代当時のウエアはオークションサイトやフリーマーケットアプリでも密かな人気商品として取引されている。安全性や機能性を考えれば、現行ウエアの購入をお薦めするが、時代を感じるウエアを1着入手して、バイクに乗り始めたアノ頃の思い出に浸ってみるのもオツなものかもしれない。
レポート●モーサイ編集部 中牟田歩実 写真●ゴールドウインモーターサイクル/編集部 取材協力●ゴールドウインモーターサイクル
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