コラム

ガソリン価格の地域格差、最も高い県と最も安い県の差は何円くらい?価格差はなぜ生まれる?

各地域のガソリン代の実情は?

ガソリン価格が高い傾向が続いている今「今週のガソリン価格の状況はどうかな?」ふと気になることも多いのではないでしょうか。

経済産業省資源エネルギー庁では、主に毎週水曜日に全国のガソリン価格を公表しています。経済産業省資源エネルギー庁が公表したデータを基に、ガソリン価格(レギュラー)の高い県、安い県を調査しました。

下記の表をご覧ください。

ガソリン価格(レギュラー)の比較表概要
ガソリン価格が高い県ガソリン価格が安い県
1位長崎県…182.4 円徳島県…160.5 円
2位長野県…177.7円宮城県…160.8 円
3位鹿児島県…177.0 円岩手県…162.0円
調査の結果|石油製品価格調査|資源エネルギー庁のデータを加工して作成
※ガソリン価格は、令和4年12月19日時点の情報です。

令和4年12月19日時点でガソリン価格が最も高い県は長崎県で、全国で唯一180円を超えています。2位の長野県と3位の鹿児島県も180円に迫る勢いです。

一方のガソリン価格が安い県の1位は徳島県で、わずかに160円を超えています。僅差の2位が宮城県、3位が岩手県と東北勢が続きました。

以上のように表にまとめてみたところ、ガソリン価格が地域によっては20円前後も違うことが判明しました。

普通自動車に満タン給油(約50L)をした場合を想定してみましょう。ガソリン価格が最も高い長崎県と最も安い徳島県の平均価格でそれぞれ給油した場合を比べると、1回の給油で1000円以上も値段が違ってきます。

しかし、なぜ県によってガソリン価格に大きな地域格差が生まれるのでしょうか?

調べてみるとガソリン価格に地域格差が生まれる意外な理由が見えてきました。

 ガソリン代の地域格差はなぜ生まれる?

ガソリン価格に地域格差が生まれる最たる理由は、「ガソリンの輸送コストの違い」です。

特に離島の場合は本土と違って海上輸送に限定されるため、その分コストがかさむ傾向があります。

さらに、海上輸送時には台風や雨などの自然環境の影響を受けることもあり、安定供給が困難な一面もあります。

平成24年に鹿児島の最南にある与論島では、台風の影響により海上輸送が間に合わず、ガソリンがなくなる事態も発生しました。

そのような事情も踏まえたうえで経済産業省では、「離島のガソリン流通コスト対策事業」を行っています。これは簡単に説明すると、輸送の条件に応じてガソリン価格が下がるように援助する仕組みです。

ガソリン価格が高い県1位の長崎県と3位の鹿児島県は、補助対象の離島が共に20島を超えています。(参考:離島のガソリン流通コスト対策事業 | 全石連

次の章では地方の実情として、東北でガソリン価格が1番高い山形県にスポットを当ててみました。

東北で最もガソリン代が高いのは山形県!切実なガソリン事情

経済産業省資源エネルギー庁が公表したデータによると山形県は、東北で唯一レギュラーガソリン価格が170円を超えています。(参考:調査の結果|石油製品価格調査|資源エネルギー庁※ガソリン価格は、令和4年12月19日時点の情報です)

山形県は日本有数の豪雪地帯であり、積雪により電車が運休になったり止まったりすることがあります。都心部などと比べると電車やバスの本数も少なく、交通手段として自動車が欠かせません。1世帯当たりの自動車保有数は、福井県に次いで全国第2位です。(参考:平成29年度の自動車普及状況について

そのため、県民はガソリン価格に常に注目しています。

家族や友人、職場などで「今日は向こうのガソリンスタンドが安いよ」など、ガソリン価格が話題にのぼることもしばしば。

筆者の近隣にある低価格のセルフガソリンスタンドは、道路まではみ出るほどの車の行列を見かけることがあります。

1回の給油額の差は小さくても、ガソリン価格の違いは積み重なると大きな額になるので、「少しでも安く給油したい」という心理が働くのではないでしょうか。

物価の高騰も続いていますが、これからのガソリン価格についても目が離せない日が続きそうですね。

レポート●二海陽一 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

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