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ライダー同士の挨拶「ヤエー」ってどういうもの?
「ヤエー」とはライダー同士がすれ違いざまにハンドサインで挨拶をする習慣のこと、およびその動作の愛称です。「ピースサイン」を送り合うのが一般的ですが、「サムズアップ(親指を立てる)」や「手を振る」などのサインも広義的には「ヤエー」に含まれるようです。
挨拶をすることで、同じ乗り物に乗る人間としての仲間意識を共有したり、道中の安全を互いに祈願する意味、また地元のライダーから他県ナンバー車に乗るライダーに向けて挨拶をする場合には、地元への歓迎の意味もあると言われています。
「ライダー同士がハンドサインで挨拶をする習慣」は、日本国内でツーリング文化が花開くにしたがって見られるようになり、流行り廃りはあったものの連綿と続いてきました。
1990年代後半になって徐々にインターネットが普及すると、バイク愛好家の集まるホームページやインターネット掲示板を通して「ライダー同士がハンドサインで挨拶をする習慣」も広く認知され、インターネット掲示板に「ライダー同士はピースサインで挨拶をしあおう」と呼びかけるスレッドが立ち上がるなど、さらに注目され、多くのライダーに愛される習慣となりました。
ちなみにこの習慣に現在広く使われている「ヤエー」という愛称がついたのは2003年頃のことで、それまでは単に「挨拶」とか「ハンドサイン」「イエーイ」「ライダーピース」などとそれぞれに呼ばれていたようです。
つまり呼び方が変化しただけで、昔でいう「ピース」や「サムズアップ」と「ヤエー」は概ね同じものだと言えるでしょう。
「ヤエー」という愛称の語源・由来は?
「ヤエー」……。どことなく牧歌的で語感のよい言葉のように感じますよね。
前述のように、「ライダー同士がハンドサインで挨拶をする習慣」に「ヤエー」という名前がついたのは2003年頃のことと言われています。
2003年9月15日、巨大インターネット掲示板「2チャンネル」(現在の5チャンネル)のバイク板に立てられていた「ピースしようぜ!」というスレッドの中で、一人のユーザーが「Yeah(イエーイ、ピースサインをすること)」のつづりを誤って「Yaeh(イエーイとはaとeが逆、ローマ字読みでヤエーと読める)」と書き込んでしまいました。
スレッド内の原文では
(・∀・)凸Yaeh!→(゚Д゚)ハァ?→(´・ω・’)ションボリン。
2チャンネルバイク板「ピースしようぜ!」2003年9月ログ
(・∀・)凸Yaeh!→凸(・∀・)凸Yaeh!!→(´∀`)ポワーン。
となっており「ピースサインをして返してもらえないと悲しい、返してもらえるとほっこりする」という意図で書き込まれたコメントのようです。
このコメントに対し、他のスレッド参加者が「ヤエーと読める」「かわいい」などと反応し、徐々に「ライダー同士がハンドサインで挨拶をする習慣」の愛称として広まっていったというのが「ヤエー」の語源と言われています。
「ヤエー」は義務ではない、マイペースに楽しもう!!
パトカー乗務員や一部のバスドライバーがすれ違いざまに敬礼をし合ったり、旧車、キャンピングカー、オープンカーなどの趣味性の高いクルマのドラーバーがすれ違いざまに手を振り合ったりなど、バイク以外の乗り物にも「ヤエー」に近い習慣があるようです。
バイクの場合、ハンドサインを出すためにはハンドルから手を離す必要があります。自分の熟練度や道路状況などを考え、安全が確保できるときだけ「ヤエー」を楽しみましょう。「ヤエー」をしたいけれど手を離せないというときには軽く会釈をしたり、ハンドルを握ったまま指だけ挙げる……などの方法もあります。
また、「ヤエー」はライダーとしての義務やマナーではないので、必ず返さなくてはいけないわけではありません。すべてのライダーが「ヤエー」の習慣に興味があり、運転中に片手を離す余裕があるとは限らないので、自分の「ヤエー」に相手が反応してくれなくても、怒ったり落ち込んだりしないようにしないことが「ヤエー」を楽しむコツではないでしょうか。
集めてみよう「ヤエーステッカー」
多くのライダーに愛されている「ヤエー」。
バイク用品メーカーやバイクとの暮らしをブログや動画配信サイトで公開するモトブロガーさんの中にはオリジナルの「ヤエーステッカー」なるものを制作してる方がいます。
「ヤエーステッカー」はバイク用品店などで購入できるもの、特定の設置場所に行くことでもらえるもの、イベントで配布されるものなど、入手の方法はそれぞれですが、様々なデザインのものがあって見ているだけでも楽しいうえ、「ヤエーステッカー」を貼っているとすれ違うライダーに「ヤエー」をしてもらいやすくなる……という話もあるので、「ヤエー」の習慣に興味のあるライダーは集めてみるのも楽しいのではないでしょうか。
まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実