インプレッション

【試乗インプレ】ベネリ TRK251「レブル250よりコンパクト!! “映える”イタリア製アドベンチャーは走行性能も◎」

注目度上昇中!! イタリア生まれのバイクメーカーベネリ

先ごろ開催されたミラノショー(EICMA)でも、数多くのニューモデルをリリースしていたベネリ。欧米はもとより日本国内でも注目度は上昇傾向です。本国には大排気量モデルも数多くラインナップしていますが、輸入元のプロトがリリースしているのは主に250ccクラスの親しみやすいモデル。とりわけTRK251はコンパクトなアドベンチャーモデルとして、ビギナーはもちろん、大型バイクを乗り回しているベテランまでもが熱視線を送っているそうです。

ベネリ TRK251。リヤの荷台はアドベンチャーらしく大きく、使いやすい形状です。サイドパニアを併用すれば大型車と同様の積載量を確保できること間違いありません。
ベネリ TRK251。ヘッドライトはLEDが用いられ、ポジションランプと合わせて被視認性がとても良好。大陸を走るバイクとしての美点がこういうところに効いてきます。

ホンダ レブルよりもコンパクトな車体で「圧迫感ナシ」

アドベンチャーというジャンルと、フォトジェニックなスタイルから、大柄なボディを想像されるかもしれませんが、実は全長2070mmという数値で、ホンダ レブル250の全長2205mmより135mmもコンパクトなパッケージです。それゆえ、実車をご覧になれば、そのフレンドリーな佇まいに思わず頬がゆるむことでしょう。シート高も800mmとされているものの、実際にまたがってみると巧みにシェイプされたシート形状によって数字ほど高さを感じさせません。

これには、車両整備重量176kgというスペックも関係しているかと。サイドスタンドから引き起こす際、それなりの重量感があるバイクはたとえ車体がコンパクトでも緊張感を覚えがちなもの。ですが、TRK251にはそれがありません。ヒョイとまたがって、スイっと引き起こせる、これなら「冒険」に出かけるのになんの気負いもいらないでしょう。

車体がコンパクトなら、ポジションにも輸入アドベンチャー独特の「大柄さ」は感じられません。ハンドルの位置、高さ、そして幅までもが国内を走るのにジャストなサイズ。18Lという大容量のタンクも眼前にありますが、ビギナーが感じやすい圧迫感も不思議なほどありません。

18Lもの容量をもちながら、ニーグリップがしやすいタンク形状。大型アドベンチャーに比べ、圧迫感の少ない眺めもTRK251の嬉しいポイント。
液晶モニターはカラー画面こそ導入されていませんが、見やすくて操作ロジックも単純なので、誰もが不満を覚えるようなことはないでしょう。
タンク前部にはUSB給電ソケットを標準装備。付いていることもさることながら、気が利いた位置にあることもベネリらしい心配りと言えるでしょう。

高身長ライダーは少々窮屈……? ライポジの工夫でストレスなく乗ろう!!

また、フットペグの位置にしてもアドベンチャーモデルの文法通りですから、小柄な方が乗ったとしても違和感を抱くことは滅多にないはず。

一方、身長が170cmを超えたあたりから、膝の曲がりが気になる方も出てくるかもしれません。筆者も176cmですので、背筋を伸ばしたスタイルで乗り続けていると、たしかに膝がきつくなってきました。が、これはシートの最前部に腰かけ、タンクをしっかりホールドすることで解消できるはず。

つまり、軽い前傾姿勢となることで膝への負担が減るだけでなく、フロント荷重が増え、より軽快なコーナリングも実現することになるのです。もちろん、スーパースポーツのようなポジションでなく、背中を少しだけ丸めて、頭をフォークポスト付近まで近づける程度で十分ですので、ツーリングで疲れてしまうようなこともないでしょう。

オフ走行などで気になるブレーキペダルの高さも、TRK251は簡単に調節可能な設計。こういうところにもベネリの真面目な作りが表れています。

「単気筒らしさ」を堪能できる味のあるエンジン!! 驚異の燃費性能にも注目

249ccのDOHC4バルブ単気筒エンジンは、ベネリらしく味わいある回り方をしてくれます。モーターのようにスムーズというものではなく、クランクシャフトやベアリングの存在感がしっかり味わえる、といったら想像しやすいでしょうか。

回転上昇はさほどシャープではないのですが、低回転から高回転まで一定の手ごたえを感じさせながら回りきってくれるので、単気筒らしさを存分に楽しめるエンジンではないでしょうか。

また、WMTC燃費が40km/Lという好データが注目されるTRK251ですが、高速道路などで5000~6000回転をキープしていても、さほど悪化はしないようです。実燃費としては軽く30km/Lを超えるもので、それは取材のために高回転域を多用した後でも変わらなかったこともお伝えしておきましょう。

車名の251に惑わされてはいけません。エンジンは249ccのDOHC4バルブ単気筒で、19kW/9250rpm、21.1Nm/8000rpmという過不足のないパフォーマンス。

しっかりとしたボディ剛性!! サスセッティングは持物積載ありき?

そして、ベネリらしい真面目な作りを感じたのがボディの「しっかり感」です。一般的に、250クラスで単気筒エンジン、しかも軽量なパッケージとなると、車体やフレームの剛性感は印象に残ることは多くありません。が、TRK251は都内のちょっと速い流れに乗ったあたりからフレームの強さが際立ってきました。

高速道路での段差をハイスピードで通過しても、しっかりとした感覚は衰えることもありませんでした。ただ、この剛性に対するショックアブソーバーはいくらかしなやかさに欠ける気がしたのも事実。車体の硬さだけが浮き上がってしまい、大げさに言えばサスペンションやタイヤがしている仕事が感じずらいということに。

もっとも、新車に近いコンディションだったことに加え、TRK251は仮にもアドベンチャーモデルですから、相当な荷物を積むことが予想されているはず。あるいは、タンデムライドといったシーンを思えば、サスペンションのセッティングにも納得がいきました。もう少し距離をこなせば、ダンパーも初期の渋さが解消されることでしょう。

荷物満載でもハイペースが保てる足まわりの「安定感」も好印象

それでも、オンロードタイヤのマッチングは良好でした。前後とも17インチというセレクトはビギナーにも軽快なコーナーワークをさせてくれるでしょうし、腕に覚えのあるベテランなら相当なペースでワインディングを駆け抜けることもやぶさかではありません。スタンディングでも優れたバランスを実現しているシャシーですから、乗り手のインプットには素直に反応し、妙な挙動は一切ありません。これなら、荷物を満載した状態でも安心してハイペースが保てること請け合いです。

このナチュラルな乗り味こそTRK251の美徳といっても過言ではなく、軽量でコンパクトなパッケージが奏功していること間違いありません。そして、このフィーリングはビギナーだろうとベテランだろうと一律に体感できるものですから、よほど好みにクセがない限り「乗れば欲しくなるバイク」の典型的な1台といえるでしょう。

110/70R17というフロントタイヤに、ABS付き280mmのディスクブレーキを装備。たとえフル積載となっても、しっかり効いてくれる性能です。
150/60R17、240mmディスクとなるリヤ。仕上げの良いマフラーはけっこうワイルドな排気音を鳴らし、イタリアブランドだったことを思い出させてくれます。
シートはコシも張りも良好で、2~300kmくらいでは痛みや不快感を覚えませんでした。タンデムシートも同様なので、二人乗りツーリングも快適でしょう。

ロンツーに最適なフェアリングも!! 豊富なオプションパーツ選びも楽しい

最後になりますが、TRK251だけでなくベネリのモデルはいずれもオプションパーツが豊富に用意されていることにもご注目。特に、アドベンチャーモデルたるTRK251には積載用グッズや、ロングツーリングに適したフェアリングの延長パーツなど、さまざまな嬉しいグッズが揃っています。ご自身のスタイル、好みに合わせたカスタマイズが簡単にできてしまうというポイント、250クラスでは実に貴重な美点ではないでしょうか。

ベネリ TRK251 主要諸元

コンパクトで軽く、好バランスなパッケージなので、TRK251はアドベンチャーらしからぬ速さでワインディングを駆け抜けることも!

【エンジン・性能】
種類:水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:72.0mm×61.2mm 総排気量:249cc 最高出力:19kW(25.8PS)/9250rpm 最大トルク:21.1Nm(15kgf・m)/8000rpm 変速機:6段リターン
【寸法・重量】
全長:2070 全幅:840 全高:1300 ホイールベース:1390 シート高:800(各mm) 車両重量:176kg タイヤサイズ:前110/70R17 後150/60R17 燃料タンク容量:18L
【価格】64万9000円

レポート/写真●石橋 寛 一部写真●プロト 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実 

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