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バイクはひとりで気ままに走るのも楽しいですが、タンデム(二人乗り)で出かけるのもまた楽しいものです。バイクとの一体感を共有したり、胸のすくような加速にふたりして歓声を上げる、などなどバイクならではの体験にほかなりません。
一方で、タンデムについては様々な意見や思いがあることも事実。ふたり乗りはどうも苦手だとか、どうせ走るなら2台で出かけたいなど、これまたバイカーらしい気持でもあるでしょう。そこで、今回はバイク大好きな女子たちに声をかけて「タンデム」についての気持ちを赤裸々に語ってもらいました。意外な意見が飛び出してきますので、男子諸君だけでなく、バイカー女子の皆さまにもぜひ参考としてもらいたく!
レナさん(ホンダVT250スパーダ)

すでに15年以上、VT250スパーダに乗り続けているというレナさん。バイクに乗るきっかけは、高校生時代にさかのぼり、お友達の間で原付免許をとるのが流行り始めたことだそう。
「で、自分も免許とりたいと両親に伝えたんですが、原付はNG。理由は、カジュアルというか軽装で乗りがちなところだったんです」
……とのことで、しっかりした装備で、きちんと運転するよう最初から中型免許を取得となったそうです。それゆえ、レナさんは安全に対する意識も高め。
「ティシャツで乗ったり、ふざけてノーヘルなんて言語道断。私はどんな時もプロテクターが装備された服装でしかバイクに乗りません」と、口元を固めてみせました。
そんなレナさんにタンデムについて聞いてみました。
「うちは、バイクで後ろのシートに乗るのは原則禁止でした。だからというわけではありませんが、後ろに乗るのは苦手です。バイカーの友達も大勢いるし、父親も乗るのですが、後ろに乗ったのは数えるほどです」
なるほど、バイクを運転する側が多いと、後ろのシートは苦手になるものでしょうか?
「後ろに乗ると前が見えないので、ブレーキやアクセルのタイミングがつかめないんですよね。だから重心をとるのに苦労するというか…。同じように、発進と停止のタイミングがつかめないから、ヘルメットがガチーンと当たるのもイヤなんです(笑)」
たしかにタイミングを合わせて重心移動なんて、よほど息の合ったペアでなければ難しいはず。ヘルメットのガチーンもあるあるですよね。
「あと、ビッグスクーター以外はタンデムシートの乗り心地ってそれほど良くないっていうのもありますね。しかも、タンデムバーが握りづらいとかだと、困っちゃいます」
また、速いバイクのタンデムシートについてもレナさんは興味深いコメントをしてくれました。
「スポーツタイプなんかだと、ライダーが前傾姿勢をとりますよね。そうすると、後ろの席に風がまともにあたるんですよ。気分よく走ってるのに水を差すようなことも言いたくないので、できたらタンデムシートは遠慮したいです」
さすが、キャリアが長いだけあって、実体験にもとづいたコメントばかりですね。
岡島由希子さん(ヤマハSR400)

岡島さんもまたSR界隈ではかなりの有名人。ほぼ新車で手に入れて以来、自分ができるメンテナンスはすべてやってきたという筋金入りのバイク女子なのです。
そんな彼女はタンデムライドを一刀両断しちゃいました。
「ハッキリ言って、運転を信頼できない方の後ろには乗りたくないですね。そもそも、バイクはいつだって危険と隣り合わせなので、自分自身も後ろに誰かを乗せるのは極力避けたいものです」ズバリ言い切った岡島さんは、レナさんと同じくキャリアの長いライダーゆえに経験に基づいたコメントなのでしょう。
「バイクの免許を取得して16年、これまで数えるほどしか後ろに乗っていません」キッパリと言い切った岡島さんに、その数少ない経験について聞くと…
「私のバイクはキックしかないので、調子が悪かったり、面倒になったときに後ろに乗せてもらったことはあります」とテヘペロ顔。
「なので、もしタンデムをするなら信頼できるライダーにお願いしたいものです」とのこと。やはり、バイク女子と言えどもキャリアの長い方はそれなりのご意見があるものですね。
あいかさん(ホンダCB400 four)

さて、バイク女子3人目はOMGこと小鹿野モーターバイクガールズのメンバーでもあるアイカさん(@nc_aika • Instagram)のご登場です。こちらは、メールでコメントいただいたのですが、とてもキュートなので原文でご紹介させていただきましょう。
「ちなみに私タンデム割りと好きなんですけど…。私が免許を取るきっかけともなったエピソードがいいですかね!免許を取る前は、タンデムツーリングだったんです。その頃は免許を取る予定もなくて、一生タンデム専門で良いと思ってたんです。でも色々なツーリングスポットや、バイクショップを巡っているうちに、バイクってかっこいいなー、私にも乗れるかな?って思うようになりました。」
「ただ、当時の私は自転車にも乗れなかった故に、周囲の方々から『あいかには絶対無理』『自転車にも乗れないクセに』って、真っ向から全否定されてしまって。」
「悔しくなって何としてでもバイクに乗ってやる!私が運転手になってやる!って思ったんです!それが免許を取るきっかけでした!それ以来タンデムで後ろに乗る楽しさよりも、自分が運転することでしか得られない、風を全身に受けることや爽快感などを感じられるようになり、自ら運転することの楽しさを知りました!」
タンデムで楽しさを味わってからバイクの免許を取ったなんて、なんとも可愛らしいエピソードな上に、しっかりとご自分で運転する楽しさまでアピール! さすが、小鹿野町のバイクアンバサダーだけあって、ステキなコメントです。
さてさて、キャリアのあるバイク女子から、タンデムシートが発端でバイク女子になった方まで、それぞれのお考え、お気持ちをご紹介してきましたが、いかがだったでしょう。ともあれ、タンデムだろうと、ひとり乗りだろうと、やっぱりバイクは安全に楽しんでこそ! そんな着地点が見つかったのではないでしょうか。皆さま、これからもステキなバイクライフ、タンデムライフをお送りくださいね!
レポート/写真●石橋 寛 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実